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「生理痛の原因」が若者と大人で実は異なる理由

5/9 14:01 配信

東洋経済オンライン

生理やPMSで悩んでいる女性は、いったいどのくらいいるのでしょうか。そして、そもそも生理痛はなぜ起こるのか。当事者でも意外と知らないことは多いものです。
新刊『生理で知っておくべきこと』は、生理のデータが詰まった日本初の本です。予防医療・栄養コンサルタントの細川モモさんによる本書より、意外と知らない生理痛の仕組みについて解説します。

■生理痛とPMSがある人はどのくらいいるか

 生理痛、PMSは生理とは切っても切り離せません。ただでさえ不快な症状なのに、痛みや体の不安が毎月くるのは大変なことです。

 「生理不調」とは、ふたつに分類されます。「生理痛」と「PMS」です。

 生理痛は、女性の約72%が感じています。このうち31%の女性は痛みどめを服用しなければいけないほどの痛みを抱えています。

 ふたつめのPMSは、女性の約96%(95.6%)が感じています。

 PMSには頭痛や腹痛、肌荒れやむくみといった体に出る症状がメインのタイプと、精神的な浮き沈みやイライラといったメンタルの症状を抱えるタイプに分けられます。もちろん両方が起こることもあります。

 メンタル型で、日常生活に支障が出るほど重たい場合は、PMDD(月経前不快気分障害)といわれます。

 生理痛もPMSも症状と重さには個人差があります。ちなみに、誰もがうらやむ、「どちらも感じない」という女性はたったの2.5%です。

■生理痛はなぜ起こるのか

 どうして生理痛が起こるのでしょうか。まず、10代と20代~では生理痛の原因が違います。

 「生理の血」とは、子宮内膜のことです。子宮内膜とは、「体の中の卵子を育てるためのベッド」と聞いたことがあるかもしれません。女性の体は、毎月妊娠のために排卵します。同時に、受精したときのための場所を用意します。それが、子宮内膜です。

 受精しなかったときは、お役御免となったこの子宮内膜は排出されます。それがいわゆる「生理の血」です。

 子宮内膜は、はがれたばかりのときはドロっとした血液の塊です。これがそのまま子宮の下についている子宮頸管に押し出されます。これは、子宮と膣をつなぐ細い管です。この子宮頸管は細く、押し出すために子宮を強く収縮しなければなりません。このときの痛みが、生理痛です。

 子宮頸管に血を押し出すために、体はこの血の塊をサラサラにします。そのために必要なのが酵素です。酵素というとお肉を柔らかくしたり、汚れを落とすクレンザーにも使われますが、体の中ではタンパク質の「分解役」です。これが子宮内膜の塊も溶かします。こうして、子宮内膜はスムーズに子宮頸管を通って体外に排出されます。

 10代では、子宮の出口が狭いことにより、この痛みが起きます。この年代では子宮がしっかり育っていないので、子宮の出口が狭いのです。それで、生理の血がスムーズに外に押し出されず、血を押し出そうとして子宮の出口に圧がかかり、痛みが生じます。

 これが20~30代になると、子宮は育つのですが、ストレスを感じたり、偏った食事をしたり、不規則な生活になったりということが原因で子宮の収縮が強くなって、生理痛になります。

 酵素がうまく働かなかったり、ほかにはホルモンバランスが乱れたり、冷えや栄養不足などで収縮が強くなることが原因なのですが、そうなってしまうのは、食生活を中心とした生活習慣が悪いからです。痛みを感じるメカニズムは同じです。つまり、大人は生活習慣が原因で生理痛が起こります。

 ちなみに「赤ちゃんを産んだら生理痛がなくなった」という人がいます。赤ちゃんを産むと、子宮の出口が広がります。すると、子宮の出口に生理の血(経血)が引っかからなくなるから、痛みがなくなるのだといわれています。

 しかし人それぞれで、出産、育児、社会復帰などの大きな変化が起こることによるストレスで生理痛やPMSが増す人もいます。

■痛みの原因は「プロスタグランジン」

 さきほど、生理痛が起こるのは、子宮頸管に血を押し出すために子宮が収縮するからだといいました。子宮をギューッと絞って押し出すのですが、その指令を出す役割を担うのが「プロスタグランジン」という物質です。

 プロスタグランジンは痛みの物質でもあるため、多く分泌されてしまうとそれだけ痛みが増します。生理痛の原因は、このプロスタグランジンです。

 どうして多く分泌されてしまうのでしょうか?  その理由はいくつかあります。

 出産をしたことがない場合には、子宮頸管が硬く、膣が狭いために血液が通りにくいという理由があります。ほかにも子宮の位置が、前屈あるいは後屈になっていて、同じく血液が通りにくいという、形の問題の場合もあります。

 あるいは、プロスタグランジンの生成が多い遺伝子を持つ人もいるという報告もあります。つまり、生まれつきです。

 プロスタグランジンのせいではなくても、酵素がうまく働かず血液がドロドロになることで子宮頸管を通りにくくなることもあります。ここが通りにくいと、痛みを起こします。血流は栄養不足や便秘、冷えなどにより悪化するため、食事や生活習慣、体型が大きく影響しています。

 つまり、痛みを緩和するためには、

・プロスタグランジンを必要以上に分泌させないようにすること
・「血液をサラサラ」にして、血のめぐりをよくすること
 が大切です。

 私たちの調査では、生理痛のある人とない人の違いに入浴回数がありました。とくに、痛みどめを飲むほど症状が重い人で毎日入浴している人は29%でしたが、生理痛がほぼない人では42%でした。

 さらに、プロスタグランジンはいくつかの栄養をきちんととることによって抑えることができます。

 また、血液ドロドロを招く原因に「便秘」もあります。これも、食生活が影響しています。生理痛をなくすには、なによりも「食生活の改善」です。これにより生理痛が緩和する人も少なくありません。

 もうひとつ、年を重ねると生理痛が軽くなることもわかりました。というのも、私たちの調査では「生理痛」が「重い」と回答した割合が、10代では41.8%、20代では37.7%、30代が30.0%、40代が24.4%、50代が27.0%でした。年を重ねることにより、生理痛の悩みが軽くなっていくようです。

 「出血量」も年齢とともに変化します。つまり、生理の悩みは若いときほど重たく、子宮の成熟に伴って、年とともに軽くなる傾向にあることがわかります(「ソフィ」アプリ調べ/ユニ・チャーム)。

 (※2021年4月時点のデータ)

東洋経済オンライン

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最終更新:5/17(月) 17:26

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