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天才たちが発した「生きる希望が湧く」7名言、「人生はな、冥土までの暇つぶしや」

5/9 11:01 配信

東洋経済オンライン

人生に行き詰まったとき、人は「言葉」に救われることがある。心が震え、生きる活力が湧いてくる7人の天才の名言を、作家の向谷匡史氏による新書『リーダーとは「言葉」である』より一部抜粋・再構成してお届けする。

1.岡本太郎(芸術家)
変えようと思っても、変わらないのは事実なんだ。
だけど、挑むということでぼく自身が、生きがいをつらぬいている。
 芸術界の反逆児──。それが岡本太郎だ。権威主義に抗し、創作の情熱とした。「人生の目的は悟ることではありません。生きるんです。人間は動物ですから」──そんな言葉も口にする。腹が減ったら食う、眠くなったら眠る、嬉しかったら笑う、そして悲しかったら泣けばよい。岡本の人生観を読み解けば、そういうことになるだろうか。

 戦前の10年間をパリで過ごし、戦時下、徴兵されて中国戦線に出征。敗戦によって収容所に放り込まれる。そして帰国後、「絵画の石器時代は終わった」と宣言して、日本美術界に立ち向かった。テレビのバラエティー番組にも出演し、「芸術は爆発だ!」と目を剥いて叫ぶなど“一風変わった芸術家”は茶の間の人気者になっていく。

 世間を驚かせるのは1970年開催の大阪万国博覧会だ。現在も大阪のシンボルとして永久保存される『太陽の塔』を制作。頂部に3つの顔を配置することによって、過去・現在・未来を貫く生命の躍動を表現してみせた。高さ70メートル。圧倒的存在感は日本中に衝撃的な感動を与えた。

 だが、反逆児がいかに奮闘しようとも、世の中は旧態依然のままだ。岡本はそのことを事実として認めつつも、決然と掲載の言葉を口にする。結果がどうあろうと、激しく挑み続ける、そのこと自体を生きる証とする。岡本のメッセージは、だから熱いのだ。

■自分にとって一番大切なことは何か

2.マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック共同創業者)
僕は毎日のようにこう自分に問いかけている。
“今、僕は自分にできる一番大切なことをやっているだろうか”

 私たちは誰と競っているのか。誰と戦っているのか。その答えがザッカーバーグの言葉にある。無駄な時間を過ごしていないか、今なすべきことは何か、自分にとって一番大切なことは何か。ザッカーバーグは常に自分に問いかけ、自ら出した答えに全力投球する。

 競う相手、戦う相手は他人ではなく自分自身である──彼はそうメッセージするのだ。「1日24時間」は万人に平等である。だが、無駄な時間を排除し、プライオリティーを明確にすることによって1日は24時間を超える価値を持つ。

 ザッカーバーグは「今日、何を着るか」ということを考えるのは時間の無駄とし、同じTシャツ20枚を毎日着回す。「そこまでやるか」ではなく、そこまでやってはじめて時間は活きてくるのだ。

 36歳の若さで純資産が1000億ドル(約10兆5600億円)を超えた。ザッカーバーグは世界屈指の大富豪だ。その大富豪が安住することなく自問の日々を送り、自分を駆り立てる。富に対する貪りではない。生き方である。限られた人生をどう生きるかという人生観である。完全燃焼の一日を希求する人生観がビジネスとリンクしているのだ。

 だから彼は言う。「速く動いて失敗せよ、リスクをとらないことが最大のリスク」「ミスよりグズを嫌え」「完璧を目指すよりも、まずは終わらせろ」。毅然とした言葉の背後に、確固たるリーダーの人生観がある。だから社員たちの心に響くのだ。

3.星野仙一(プロ野球選手・監督)
迷ったら前へ
苦しかったら前に
つらかったら前に
後悔するのはそのあと、そのずっとあとでいい。
 怒鳴る、鉄拳が飛ぶ。監督当時の星野仙一は問答無用の“瞬間湯沸かし器”だった。よく言えば熱血漢。いまの時代で言えば「暴力的パワハラ」である。元中日ドラゴンズの投手で、数々の最年長記録を更新した山本昌が、星野の監督時代を振り返って私にこう言った。

 「怖い。とにかく怖かった。いまでも電話でしゃべるだけで、僕は直立不動になってしまう」

 それでも選手たちは慕った。なぜか。山本昌は続けて言った。「すべて選手のためを思ってのこと」──それがわかっていたからだ。山本が自動販売機でジュースを買い、取り出し口に左手を差し入れるや背後から星野に頭を叩かれた。「この野郎!  突き指したらどうするんだ!」。山本は左腕投手だった。

 「迷ったときは前へ」──。星野が口うるさく選手に言った言葉だ。「前に出て失敗したら後悔せん。下がって失敗すれば後悔するやろ」。この一言で若手は伸び伸びとプレーに集中できると、星野は取材で私に語った。鉄拳、怒声が現代に容認されるわけではない。

 だが、指導に万言を費やそうとも、リーダーに本気の愛情がなければ選手は絶対についてこない。これだけは時代を超えて普遍の事実なのだ。どれだけ真摯に熱くなれるか。部下の信望と尊敬は、リーダーの熱量に比例する。

■金持ちになることは重要ではない

4.スティーブ・ジョブズ(アップル社共同創業者)
墓場で一番の金持ちになることは私には重要ではない。夜眠るとき、我々は素晴らしいことをしたと言えること、それが重要だ。

 ジョブズは妥協を許さない。「できないはずがない。君ができないなら他の人間にさせるだけだ」──激しい叱責と、容赦のない人事異動。甘さは微塵もない。それでも部下の信望を集めた。2011年、56歳の若さで死去。彼のリーダーとしての魅力とは何だったのか。

 アップルを巨大IT企業に育てたジョブズは一貫して、私たちはいかに生きるべきかを、ビジネスという場において熱く語り続けた。「お金が目当てで会社を始めて成功させた人は見たことがない。まず必要なのは、世界に自分のアイデアを広めたいという思いなのだ。それを実現するために会社を立ち上げるのだ」。利潤追求を離れて会社は成立しない。それでもジョブズは、お金が目当てであってはならないと信念を説く。

 「私は才能をバックアップする」「即戦力になるような人材なんて存在しない。だから育てるんだ」──この言葉に奮い立たない部下はいない。「毎朝、鏡の中の自分に問いかけてきた。“もしも今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることをやりたいと思うだろうか?”と」。この言葉に誰もが胸を抉られるだろう。

 ジョブズの言葉が琴線に触れるのは、人生を真摯に見つめた彼の生き方にある。「この人ならわかってくれる」──リーダーの魅力はこの信頼感なのだ。

5.今東光(僧侶・作家・政治家)
『正しい人生』とか『何とかの人生』なんてものはないよ。本人にとっての人生しかないんでね。自分にとっての人生しかないんだ。
 明治生まれの気骨の人である。僧侶、直木賞作家、参議院議員──。今東光は型破りで、毒舌で、マルチな活躍をした。今東光の毒舌は本質をズバリとついて思わず唸ってしまう。人生、いかに生きるべきかと問われれば、「人生はな、冥土までの暇つぶしや。だから、上等の暇つぶしをせにゃあかんのだ」。こんな言い方をする。「冥土までの暇つぶし」と人生を喝破し、その上で暇つぶしは上等でなくてはいけないとする。評判を気にし、汲々として生きる私たちに「嫌われて生きる方がいい」という一言をもってさとす。逆説の励まし──これが「毒舌和尚」のやさしさなのだ。

 だが、今東光の言葉に合点しながらも、割り切って生きるのは難しい。人生に迷いはつきもので、迷えば袋小路に陥って身動きができなくなる。今東光は、迷いの元凶は人生に正解を求める心にあるとする。だから「正しい人生なんてものはない」と一刀両断にし、「結局、生まれて、生きて、ただ死ぬだけのことではないか。どう生きるかは、それぞれの計らいでいいではないか」と言ってのける。

 計らいとは判断や意思、意味づけのことで、死ぬまでの人生、思うさま生きたらいい──そう言っているのだ。「空々寂々たる人生なんて、糞食らえ、と思うべし」。今東光の毒舌は熱く、私たちの心に響く。

6.勝新太郎(俳優)
痛み、失敗というのは大切なんだよ。人間は自分が痛い思いを経験するから、人の痛みも分かる。情を知る訳だ。情を知ると、自分が不幸になっても人には幸せになって欲しいと思うようになれる。少しぐらい自分が不幸になってもいいという考え方が出来るようになる。
 勝新太郎の金銭感覚は壊れているのではないか。そう思ったことがある。某県某ホテルから知人を介して勝新太郎ショーの打診があり、私が橋渡しをしたときのことだ。

 勝プロは1981年、当時のお金で12億円の負債をかかえて倒産。“火の車”だった。依頼されて前金の交渉もした。ところが、長唄二代目・杵屋勝丸でもある勝は、自分のギャラが少なくなるのを承知で、三味線など大所帯を引き連れて乗り込んだのである。「ショーの質を落としたくない」──勝は譲らなかったという。利益が出なかったと勝の事務所関係者はこぼした。プロ根性は見上げたものとしても、勝の我が儘に私はあきれた。

 ところが後年、「自分が痛い思いを経験するから、人の痛みも分かる」(『偶然完全 勝新太郎伝』田崎健太/講談社+α文庫)という掲載の言葉で考えが変わる。勝は、仕事に困っていた出演者たちに手を差しのべたのではなかったか。「人に幸せになって欲しい」「少しくらい自分が不幸になってもいい」──豪放磊落に見える勝の、人情に篤い素顔を垣間見た思いだった。

 1990年、旧ホノルル国際空港。違法ドラッグ所持容疑で勝は逮捕される。勝手にパンツの中に入っていたと大マジメに供述。検察は激怒し、世間は喝采した。勝新はきれいごとの一切を言わず、死ぬまで「勝新」を貫いてみせたのだ

■「人は化けるのです」

7.中邨秀雄(吉本興業元会長)
卵の時に見て、これはいける、これは駄目だというのはわからない。人は化けるのです。
 中邨は吉本興業「中興の祖」である。課長時代、劇場中心の経営からテレビ出演へ戦略展開。社長就任後は東京進出を成功させ、総合エンターテインメント企業へと導く。関西学院大学時代はラグビー部で活躍。当時、弱小プロに過ぎなかった吉本興業で、ただひとりの大卒社員だった。

 吉本興業には現在、総勢6000人以上のタレントが所属するが、それでも全国区タレントは一握りしかいない。どうやって「金の卵」を見抜くのか。中邨は自著に断言する。

 「はっきり申します。卵の時に見て、これはいける、これは駄目だというのはわからない。人は化けるのです」(『吉本興業 使った分だけ人とお金は大きくなる!』三笠書房)。

 人は化ける──これが“人材企業”を率いてきた中邨の持論なのである。

 では、どうすれば人は化けるのか。3つの要素があると中邨は言う。実力4割、運4割、努力2割だ。実力と努力は自分の意志で何とかなる。運はどうか。運とは人との縁のことを言う。だから不遇に腐らず、笑顔で、明るく、誠実をもって接していれば必ず運が向いてくるぞ──そうさとすのがリーダーの愛情ということになる。

 そして中邨は「人は化ける」に続けて「チャンスを与えられた時に化けたタレントが、金の卵」だと言う。化けるかどうかは部下次第であろうとも、チャンスを与えるのはリーダーの役目なのだ。

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最終更新:5/9(日) 11:01

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