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融資調査、「フル・オーバーローンを受けた」が40%《楽待新聞》

5/9 19:00 配信

不動産投資の楽待

半期に1度、不動産投資家に融資に関するアンケートを実施し、その結果を調査・分析する本企画。昨年10月に公開した前回の記事では、2020年4月~9月に実施したアンケートの結果を紹介した。前回の調査では、以前よりも多くの頭金を求める金融機関が増えていた傾向が見られた。

今回の記事では、2020年10月~2021年3月まで半年間の融資動向について、約1200人の投資家に行ったアンケートの結果を公開する。

最初の緊急事態宣言が出されてから1年が経過、その後も第2、第3の波が押し寄せ、多くの企業の業績が落ち込んだ。そうした中、投資用不動産向け融資はどのような状況になっているのだろうか。

この記事では、上記期間中の金融機関の動向や、融資を受けた投資家の傾向を確認していく。今後の融資動向を探る材料の1つとして参考にしてほしい。

■フルローン・オーバーローンが40%

今回行ったアンケートは、1187人が回答。このうち、「2020年10月~2021年3月に融資が下りた物件がある」と回答したのは198人(17%)だ。

まずは2020年10月~2021年3月までの半年間、どのような投資家が融資を受けられていたのかを分析する。融資が下りた人の属性をみると、年収は1000万円以上が60%(前回68%)、金融資産は3000万円以上の層が36%(前回42%)と、いずれも減少した。

また、スルガ銀行の不正融資問題以降、銀行の審査基準が厳正化され、昨今では「頭金は2~3割求められる」ことが当たり前になりつつある。しかし、今回のアンケートでは頭金の割合に変化が見られる。

オーバーローンの融資が下りた人は13%(前回8%)、フルローンは27%(前回23%)と、いずれも上昇した。一方、頭金を2割以上出したと回答した人は21%(前回28%)で減少した。

東京都在住で年収は1000万円以上という会社役員(60代)は、今年3月、栃木県足利市の物件を購入。3050万円の物件価格に対して1750万円の頭金を出した。「地方の物件への融資は厳しく、6割近くの頭金を求められた」と話す。

さらに、年収が高く金融資産が多い投資家であっても、同程度の頭金を要求された事例も。年収3000万円以上、金融資産5000万円以上の上場企業に勤める会社員は、今年1月に世田谷区の築30年の一棟アパートを購入した。物件価格が6700万円に対して、融資額は4760万円。自己資金は約3割出したという。

中には、「購入価格の6割程度しか融資が下りず、結局購入を断念した」といった回答も見られた。

一方、フルローンで購入できたケースも。宮城県在住で年収400万円以上、金融資産500万円以上の上場企業に勤める会社員は、仙台市にある築29年の木造アパートを8800万円で購入。信用金庫から9000万円のオーバーローンを得たと回答した。「主要駅から徒歩圏内にあり、周辺相場と比べ土地の評価額が高く、物件の資産価値が高いことを伝えました。融資担当者もこれに納得したのか、融資を出してくれました」

また、埼玉県在住で年収600万円以上、金融資産1000万円以上の会社員は、さいたま市の築45年の一棟マンションを購入した。7000万円の物件価格に対し、8000万円の融資が下りたという。「将来の収益事業計画など面談時に細かく質問をされた。収支や物件の概要などの数字をその場で詳細に伝えたことで信用してもらえたのかもしれない」

今回、頭金を2割以上出したという人は20%で、前回の28%よりも少なかった。一方、フルローン・オーバーローンが出た人は39%で、前回の31%よりも多くなっている。

■初めて購入した投資家は7%

融資を引けた198人の職業を見ると60%(前回68%)は会社員で、会社経営者・役員は21%(前回13%)、自営業・その他が7%(前回9%)、公務員6%(前回6%)、専業大家は5%(前回6%)だ。

所有物件数は、最も多かったのが1、2物件で37%(前回23
%)、次いで3、4物件が18%(前回27%)、5物件以上所有している人は38%(前回35%)だった。また初めて収益物件を購入したという人は7%(前回15%)だった。

初めて購入したと回答した、年収800万円、金融資産500万円以上の公務員は、茨城県にある築7年木造アパートを2520万円で購入。融資額は2420万円だった。「初めて投資物件を購入するということもあり、入念に計画書を作成した。また、知人から紹介をしてもらった銀行員との面談だったため、ある程度の信頼が得られていたのかもしれない」と話す。

続いて、融資が下りた物件をエリアごとにみていくと、東京都内と南関東で53%だった。次いで、近畿は12%、九州が11%、中国・四国は8%、中部6%、北海道と北関東が4%、東北が2%という結果で、割合としては前回の結果とほとんど同じだった。

■3000万円以下の物件への融資が増加

今回、融資が下りたという回答のあった物件の価格帯は、33%が5000万円以上で、前回の45%よりも減少している。一方、3000万円以下の物件は53%(前回40%)で、割合が増加している。

宮城県在住で5棟110室と区分6戸を所有し、年収5000万円以上、金融資産3000万円以上の上場企業に勤める会社員は、9000万円の物件価格に対してフルローンが下りた。「法人の決算が3年以上黒字を達成しており、金融資産もあるので融資が下りたのでは」と回答した。

1億円を超える物件は、東京都の一棟マンション・アパートに目立つ。融資を受けた金融機関は、千葉銀行、横浜銀行、スルガ銀行といった地方銀行が目立った。1億円以上の物件を購入したという事例は合計で41件だった。

次に物件種別だが、一棟マンションが20%で前回の9%を上回っている一方、一棟アパートは40%で前回の53%よりも少なくなっている。また、区分マンションや戸建て、その他の物件の割合は、前回とほぼ横ばいの結果となった。

■区分マンションへの融資事例が増加

続いて、今回はどのような金融機関が融資を出していたのか、過去の事例と見比べる。

最も多かったのは、地方銀行で33%、次いで信用金庫・信用組合が23%、信託銀行12%、ノンバンク6%、政府系金融機関5%、都市銀行4%、その他金融機関が17%という結果となった。前回の結果と比べると、特にその他金融機関の割合が増えた。

その他金融機関に該当する主な銀行はソニー銀行、SBJ銀行、イオン銀行などで、融資が下りた物件種別を確認すると区分マンションが多い。

特にソニー銀行は全15事例のうち、13事例が区分マンションだった。また、融資を受けた人全員が会社員で、9人がフルローン・オーバーローンを引いていた。

■融資が下りた金融機関ランキング

最後に、「融資が下りた」という回答のあった金融機関のランキングを見ていきたい。

今回のアンケートで融資が下りた件数が最も多かったのは、オリックス銀行だった。次点でソニー銀行、日本政策金融公庫、SBJ銀行、スルガ銀行が軒を連ねる。なお、ソニー銀行やSBJ銀行は、前述した通り融資対象の物件のほとんどが、区分マンションだ。

信託銀行であるオリックス銀行は全21事例のうち、ほとんどが年収1000万円以上の会社員に融資を出しており、支払った頭金は「1~2割」と回答した人が多い。融資期間は30年前後の人が目立ち、築10年以内の一棟アパートに対する融資が多いようだ。

政府系金融機関の日本政策金融公庫から融資を受けた人は、今回のアンケートでは10人いた。戸建てやアパートなど、1000万円以下の融資事例が目立った。融資期間は10年で金利は2%前後が多いようだ。

一方、これまでのアンケートで回答数が多かったノンバンクの三井住友トラストローン&ファイナンスの融資事例は5件に留まっており、4件が頭金を「3割」出したと回答している。

■不動産融資を攻略するために

フルローンやオーバーローンの融資を受けられた人は増加傾向にある。増加傾向にある。ただし、フルローンの場合であっても不動産会社への仲介手数料やリフォーム費用といった諸費用は自身で支払うことは覚えておきたい。また全体の6割以上が頭金を出していることも事実だ。

「フルローンやオーバーローンは夢のまた夢。余程の金融資産がある人でなければ無理だと思う」と回答した専業大家もいた。実績のある大家であっても、必ずフルローンで融資を受けられるという傾向は、今も変わっていないようだ。

依然として物件を購入するためには、あらかじめ資産を分厚くしておくことが重要と言えそうだ。

アンケートの最後に「今後、各金融機関の投資用不動産に対する融資姿勢はどうなると予想するか」と質問をしたところ、「銀行は融資に積極的になる」という回答もあれば、「より一層厳しくなっていくだろう」といった回答もあり、考えが分かれている。

金融機関によっても融資条件が全く異なるため、銀行へのヒアリングや今回のような記事を参考にしてもらい、これからの不動産融資を攻略してほしい。

不動産投資の楽待

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最終更新:5/9(日) 19:00

不動産投資の楽待

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