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韓国の不動産バブル、日本への影響は?《楽待新聞》

4/8 19:00 配信

不動産投資の楽待

日本の経済は、世界の経済や金融市場に影響を受けている。不動産業界も同様だ。つまり、他国の状況を把握することは、日本の経済や不動産業界の今後を予測するのに役立つと言えよう。

そこで今回は、韓国の不動産市場の現状を取り上げる。昨今、韓国の不動産価格は高騰し続けており、「バブル」の様相を呈している。なぜ、不動産価格が高騰し続けているのだろうか。日本の不動産市場に影響が生じる可能性はあるのだろうか。

一級建築士、不動産鑑定士などの資格を持ち、信託銀行と不動産業界に20年以上携わる不動産投資家の中山聡氏に解説してもらった。

■韓国の市場が「世界経済に早く反応する」理由

中山氏は、日本の投資家も韓国の不動産市場を見ておいたほうが良いと話す。理由は「韓国の不動産市場は日本の不動産市場よりも、早く世界経済に反応するから」(中山氏)だ。日本の不動産市場の動きを予測するには、韓国の不動産市場を随時チェックしておくと良いというのが同氏の見方である。

では、なぜ韓国の不動産市場の方が日本よりも、早く世界経済に反応するのだろうか? 中山氏によれば、その理由は3つある。

<韓国の不動産市場が日本よりも早く世界経済に反応する理由>

(1)不動産市場が小さい
(2)為替の影響を受けやすい経済構造である
(3)不動産価格がリアルタイムに公開されている

それぞれの理由を1つずつ解説する。

■理由1:市場が小さく、世界景気の影響を受けやすい

韓国の人口はおよそ5000万人。そのうち約半数の人がソウルを中心とした首都圏に住んでいる。日本の人口は約1.2億人。総務省統計局によると、首都圏に在住する人の数は全体の30%程度だ。

日本と比べると、韓国は人口が少ない上に、1つのエリアに集中している。そのため、調査対象が少なく「おおまかな市場の変化が見やすい」と中山氏は言う。

次に、物件の種別を比べてみると、ソウルの物件の約半数がアパート。日本は居住する物件が多様化しており、戸建・マンション・アパートなど、さまざまな物件がある。

「日本は物件が多様化しており、物件によって値動きが異なる。そのため、価格が変化しにくい。一方韓国は、物件の大半がアパートのため価格が変化しやすい」と中山氏。

■理由2:為替の影響を受けやすい経済構造である

「韓国は為替の影響を受けやすい経済構造にある」と中山氏は話す。

為替市場において、米ドルやユーロ、日本円は「安全通貨」として信頼性が高いと認識されている。そのため、世界規模で金融や経済が混乱するリスクが高まった時に、買われやすいのが一般的だ。

反対に「韓国の通貨は、米ドルや日本円と比べると通貨の安定性が低いと認識されているため、世界の景気に左右されやすい」と中山氏。

実際、1997年にアジアで発生した一連の金融危機「アジア通貨危機」では、韓国は非常に大きな影響を受け、深刻な不景気となった。

韓国の景気は、為替による影響を受けやすく、それに連動して不動産価格にもすぐに影響される傾向にあるという。

■理由3:不動産価格がリアルタイムに公開されている

日本では土地の標準価格となる公示地価が、1年に1回公表される。毎年1月1日時点の価格を判定して、3月に公表する仕組みだ。

一方、韓国では週ごとに土地の標準価格が公表される。

そのため、「日本と比べると、世界経済への影響がすぐに不動産市場に反映される」と中山氏は述べる。

■韓国の不動産市場の今

次に、現在韓国の不動産市場はどのようになっているのだろうか。中山氏は「倍々ゲームの勢いで価格が高騰している」と話す。

不動産価格が高騰しているのは、「文政権の不動産政策の影響ではないか」と中山氏は分析する。

韓国では、2017年に文在寅(ムンジェイン)政権が発足。当時の韓国の株価はほぼ横ばいで冴えない時期だった。そのため、「投資金は株式市場から不動産市場に流れる傾向にあった」と中山氏。そういった背景もあり、不動産価格は徐々に高騰していた。

そこで文政権は、不動産価格の高騰問題に対処するため、さまざまな政策を行った。例えば、売却時の譲渡益に対して7割の課税をするほか、売却価格の上限価格をこれまでの取引価格の7割程度にするよう統制を行うなどの政策だ。

正常な不動産価格に戻したい韓国政府だったが、政策の意図とは裏腹に売却時の負担が重たくなってしまうことから、物件の供給数が極端に減少してしまった。供給が激減したことにより、ますます価格が高騰している状況だ。

中山氏は「文政権による不動産政策は失敗だったのではないか」と見ている。実際、文政権は支持率が減少している。

■韓国と日本の不動産市場の今後は

では、今後はどうなっていくのだろうか。

まず韓国の不動産市場だが、極端な供給不足による影響で、不動産価格の高騰は止まらないのではないか、と中山氏は考える。一方、日本の不動産市場については「価格が暴落することは遠い先の話だろう」と中山氏は話す。

「韓国の不動産バブルが崩壊すれば、日本の不動産市場にも多少の影響はある」と中山氏。しかし「韓国の政策による不動産価格の高騰のまずさを差し引いても、為替市場や株式市場を見てみると、世界の景気は上向きになっている」とも話す。世界の景気に連動して、韓国の経済も上向きが続くのではないかという。

「日本の不動産市場も韓国の不動産市場も右肩上がりの局面が続くだろう。日本の不動産も好調なため、不動産価格が暴落することは考えにくい」と中山氏は予測した。



「韓国の経済や通貨は、世界の景気に影響を受けやすい。さらに、近年の韓国は文政権の経済政策の影響もあり、より不確実性が増している」と話す中山氏。

「引き続き韓国の不動産市場には注目をしておく必要があるが、世界の景気は上向きになっているため、日本の不動産も引き続き上向きだろう」というのが、中山氏の見解だ。

日本の不動産市場に限らず、世界の不動産市場にも目を向けることで、不動産市場がどのように動いていくのか予測することもできる。あらゆる経済ニュースに関心を持ち、アンテナを張っておくことも必要になりそうだ。

不動産投資の楽待

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最終更新:4/8(木) 19:00

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