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特別定額給付金10万円から約1年、全力で遊んだ人たちの「使い道と反省」

4/3 6:01 配信

ダイヤモンド・オンライン

 「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」として、特別定額給付金10万円の給付が決まったのはちょうど1年前の今頃、つまり2020年の4月だった。そして、またSNS界隈から再給付を求める声がチラホラ聞こえてくる。もしかしたら、またあるかもしれない「その日」に備えて前回の使い方を振り返っておきたい。(フリーライター 武藤弘樹)

● 動きが出てきた給付金界隈 連日ツイッターデモも

 1人当たり10万円の特別定額給付金の支給決定は、何かと気分が暗くなりがちなコロナ禍にあって少し晴れ間が差したようであった。

 生活に余裕のある世帯にとっての10万円は、お小遣いのごときものだったかもしれないが、筆者世帯では生活にたいしたゆとりがあるわけではないので、3人分30万円を受給したことで、われを失って強気になった。結果、調子に乗った買い物をしてしまい反省している。

 しかし、こうして書けるわが家などはまだ幸運だ。コロナ禍で深刻な収入減に見舞われた世帯は、給付金を税の支払いや生活費に充てざるを得なかった。こうした現実を一部受ける形で“ひとり親世帯臨時特別給付金”が追加で支給され、現在は政府が、困窮する子育て世帯に向けてさらに新たな給付金を支給するよう調整を進めているという。

 一方、一律給付金の再支給を求める動きもあって、署名運動やツイッター上でのデモが連日続けられているようだ。給付金の再支給は困窮した世帯に限定されていたが、支出を切り詰めて余裕をなくしている中間層の苦しみも真に迫るものがあるから、お国はなんとかしてください…ということらしい。

 今回は、前回の一律給付金の使い方と「次回給付金があるならどう使うか」について、数人の展望を紹介していきたい。

● “最高に面白い使い道”とは何か 10万円元手に財テク勝負

 Aさん(42歳男性)は独身を謳歌する勤め人である。Aさんには同じく独身で男性の遊び仲間が3人いて、よく4人で面白いことを探し回っては遊びまくっていた。

 10万円が給付されるとわかって、4人は真っ先に「どう使うのが面白いか」を話し合った。“高級キャンピングカーをレンタルして山中自給自足サバイバル”や“予算10万円、もっとも別人に変装できた人が勝ち選手権”などが最終候補まで残り、最終的に“財テク王決定戦”に決められた。

 10万円を元手に誰が一番増やせているかを競う勝負で、期間は半年、方法は各自好き勝手に決める。ただし、それぞれ違うアプローチの方が面白いだろうということで、何でもうけようとするかは事前に話し合って交通整理しておくことになった。

 その結果1人はパチンコ、1人はFX、1人は情報商材作成および販売、そしてAさんは投資となった。投資とFXがかぶったが、FXは投機性が高いからということで「投資とは別枠」の判断となり、かくしてレースはスタートした。

 パチンコが途中優勢だったがズルズルとマイナスに転じ、FXは最初の3日間で資金ゼロとなりリタイア、情報商材はまったく売れずサイト作成などに要した経費がそのままマイナスとなった。半年後、優勝したのは10万円を定期預金で数円増やしたAさんであった。攻めの姿勢を放棄したAさんの財テクに3人から大ブーイングが起こったが、勝者となったAさんは得意げである。

 「素人が付け焼き刃で金もうけしようとしても損するのは目に見えているので、元本維持こそが勝利への道と考えていた。もくろみ通りみんな自滅してくれてよかった。次回給付金があるなら、また面白い使い道を模索したい」(Aさん)

● アイテム頼りの取り組みの危険性 試される意欲の高さ

 次は、おそらく一定数の人が陥ったであろうパターンではないだろうか。

 Bさん(40歳男性)は運動不足を気にしていた。「ジムにでも通おうか」と検討し始めてからほぼ10年がたち、コロナ禍の在宅勤務で太ったのもあって、ついに一念発起した。後押ししたのは給付金の10万円だった。

 在宅勤務時のストレスをなんとかしたかったBさんは、10万円でフィットネスバイクを買うことにした。部屋の中で自転車を漕ぐアレである。

 やがてBさんは、ショッピングサイトで見つけたフィットネスバイクに、雷に打たれたかのごとき衝撃を受けた。それにはハンドルの代わりにテーブルがついていて、製品紹介画像ではその上にイカした男性がノートパソコンを置いて作業している。在宅勤務を有意義にするであろうと思い、Bさんは約3万5千円で購入した。

 ウエアやプロテインを買い込み準備が完璧に整って、Bさんはついにフィットネスバイクにまたがった。勤務時間中はほとんどまたがって過ごし、気が向けば漕いだ。並々ならぬ意欲で、Bさんは順調に自宅エクササイズに取り組んでいた。

 そうして1週間ほど過ごすと、Bさんに異変が訪れた。過去に患った痔(じ)が再発しかけたのだ。

 「痔のことなどすっかり忘れていた。たしかにあの1週間は痔にとって過酷な生活をしていた。
そのまま続ければ確実に悪化するので、フィットネスバイクが出来なくなってしまった。他の運動をする気になれず、どうでもいいと思ってしまった」(Bさん)

 かくしてBさんのエクササイズ熱は露と消え、怠惰に過ごしては腹の肉をつまむ日々が舞い戻ってきた。しかも、痔の再発の兆候という負の遺産が残されていた。

 Bさんはやや値の張るお尻に優しいクッションを購入し、ひとまずの安寧を取り戻した。クッションについてBさんは「最高の買い物をした」と語っている。

 「あやしげなダイエット関連の器具やサプリにお金を使って成果を出せない人を侮っていたが、自分も同じだと悟った。何かを成し遂げようとするならお金でなんとかしようとせず、意欲を高く持って計画的に取り組むべきだということもわかった。

 次回もし給付金があるのなら、無謀なあがきはせず、地方の名産品でも取り寄せて食道楽に身を投じたい」(Bさん)

● 自粛が有意義な時間に 猫の楽園をつくるのに夢中

 Cさん(36歳女性)は在宅勤務が増え、自宅で猫と過ごせる時間が激増したことを喜んでいた。そこで給付金は猫さま用環境の充実にあて、自室を大改造する計画を立てた。

 「おもちゃやクッションを買うだけでは十分ではない。猫用家具や新しいキャットタワーの導入も考えたが、これはいい物を求めていくと10万円では足りなくなる。

 猫用家具はいくつか買うとして、残りの予算を使ってDIYでキャットウオークやトンネルを作ってみてはどうかとひらめいた。これならコスパモよく、猫に満足してもらえる施工が存分に行える」(Cさん)

 しかし取り立ててDIYの経験があるわけではない。工具を一式買いそろえるところから始まって、それと並行してどこに何を付けるかをデザインしていった。ああでもないこうでもないと、ネットを参考にしながら頭をひねり、キャットウオークづくりはいつしかコロナ禍におけるCさんの趣味になっていた。

 かくしてCさんデザインの1LDK猫遊園地は完成した。猫は無事気に入ってくれたようで、10万円のほぼ全てをつぎ込んだかいがあったと、Cさんは深く満足しているようである。給付金の使い道について反省点があるか尋ねると、こう返ってきた。

 「板とキャットウオーク全体がもっとつながる感じになれば、さらに楽しんでもらえたはずなので、そこが反省点。
 (再度給付金がもらえるなら)次はドラえもんに出てくる未来都市の道路のような透明のチューブを天井付近全体に張り巡らして、さらなる充実を目指したい」(Cさん)

 Cさんの猫への溺愛ぶりが伝わってきて、微笑ましいかぎりである。

 景気対策や生活支援として行われた一律給付金、使った結果は人それぞれだが、10万円を手にしたあのときはたしかに心が躍ったはずである。賢きわれわれ大人は反省と成長ができるので、次回の給付金があるなら、より賢くなった自分を誇れる機会と為したいところである。

ダイヤモンド・オンライン

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最終更新:4/5(月) 13:05

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