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コロナでバイト代が激減したら、忘れずに学生納付特例の手続きを

4/2 6:01 配信

ダイヤモンド・オンライン

● コロナで生活が困窮した学生は 忘れずに「学生納付特例」の手続きを

 今年も新年度がスタート。学校も入学シーズンを迎えた。

 昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、多くの大学が入学式を中止した。今年は、感染対策を行いながら開催するところも増えているが、昨年同様に中止するところもあり、いまだ収束しないコロナ禍が学校生活にも影響を与えている。

 コロナ禍であぶりだされたものの一つが、アルバイトで生計を立てている学生のたちの窮状だ。国からの外出自粛要請で、飲食店などが休業や時短営業となり、学生のアルバイトも勤務日が激減。学費が払えなくなり、休学や退学に追い込まれるケースも報告された。

 減収で学費や生活費もままならなくなれば、当然、国民年金保険料の支払いも厳しくなっているはずだ。

 日本では、この国で暮らす20~59歳のすべての人に、公的な年金保険への加入を義務づけている。たとえ学生でも20歳になれば国民年金に加入し、保険料を納めなければならない。滞納すると、年金の給付を受けられなくなる可能性も出てくるので心配だ。

 学生の間は、保険料の納付が猶予される「学生納付特例」があるが、利用できるかどうかは前年の所得によって線引きされる。アルバイトなどの収入が一定以上あると、制度を利用できないこともあるのだ。

 だが、コロナ禍で、学生納付特例も臨時の特例措置が設けられ、令和3年分も引き続き特例が継続されることになっているので、忘れずに手続きをしたい。

● 障害年金受給者の10人に1人が 20代の若い世代という事実

 年金というと、「老後にもらうもの」というイメージが強い。だが、公的な年金保険には、老後の生活を支える「老齢年金」、加入者が死亡した場合に残された家族に給付される「遺族年金」、病気やケガをして一定の障害が残った場合に給付される「障害年金」の三つの保障がある。

 障害年金とは、病気やケガが原因で一定の障害が残り、生活や仕事が制限される状態になった場合に支給されるものだ。原則的に、初診日(その障害の原因となった病気やケガではじめて医師の診察を受けた日)から1年6カ月たった日の障害の状態で、もらえる年金の等級などが判断される。

 障害年金は、事故や病気で手足を切断したり、失明したりするなど、体に重い障害が残った人しか対象にならないと思われがちだが、内臓疾患や精神疾患、がんによる障害も対象で、給付範囲は意外と幅広い。

 老齢年金は、原則的に65歳以上にならないともらえないし、遺族年金は扶養家族がいなければもらえない。だが、病気やケガは年齢や性別に関係なく誰にでも起こるうるリスクで、若い世代でも障害年金を受給する可能性はある。

 「年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)令和元年」(厚生労働省)によると、障害年金の受給者数は厚生年金、国民年金合わせて209.6万人。このうち、24歳までの人は9.2万人、25~29歳までの人は11.9万人で、障害年金を受給している人の10人に1人は29歳以下の若い世代の人だ。

 年齢に関係なく、障害を負う可能性はあるが、障害年金をもらうためには、次の保険料納付要件のいずれかを満たす必要がある。

 ・初診日がある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上、保険料を納付(または免除)していること

 ・初診日が65歳未満で、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

 一定期間、保険料を納めた実績がないと、万一の時の給付を受けられないので、20歳になったらきちんと手続きをしておきたい。

 とはいえ、国民年金の保険料は月額1万6610円(2021年度)。学生にとっては高額だ。そこで、「学生納付特例」という制度を設けて、保険料の支払いを猶予している。

● 国民年金の学生納付特例も コロナによる臨時特例免除ができる

 対象になるのは、大学、大学院、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校(学校教育法で規定されている就業年限が1年以上の課程のある学校)に通う学生。

 ただし、所得制限がある。前年の所得が原則的に118万円以下であることが条件の目安だ。

 アルバイトなどの所得が、この金額以下なら特例を利用できるが、これを超えると、たとえ学生でも対象から外れてしまう。つまり、学費や生活費のために、たくさんアルバイトをしている人ほど、学生納付特例を利用できない可能性があるのだ。

 だが、コロナ禍によるアルバイト収入の激減は、勤労学生を直撃している。そのため、次の二つの要件を満たした学生は、臨時特例措置の対象者として、前年の所得額に関係なく、学生納付特例を利用できるようになっている。

 ・令和2年2月以降に、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少したこと
・令和2年2月以降の所得等の状態から見て、当年中の所得の見込みが、現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になることが見込まれること

 この要件を満たしていれば、令和元年分(令和2年2月、3月)、令和2年分に引き続き、令和3年分も特例申請の対象となる。本人が申告する所得見込み額での簡単な手続きで、学生納付特例申請ができるようになっている。

 申請は、住所地のある市区町村の国民年金窓口で受け付けているので、アルバイト収入が激減した人は、忘れずに申請しよう。

 もし、手続きをしないで、ただ滞納してしまうと、万一の時の障害年金が受け取れなくなってしまう。猶予を受けておけば、老齢基礎年金をもらうための受給資格期間としてカウントされ、遺族年金や障害年金も受け取ることができる。

● 学生納付特例の猶予を受けた人は 就職後に早めに追納しよう

 国民年金の保険料負担を下げる方法には、このほかにも経済的に苦しい人などが申請することで保険料の支払いを免除される「申請免除」というものもある。こちらは認められると、将来の老齢年金の年金額に反映される。

 一方、学生納付特例は、あくまでも支払いの「猶予」で、学生の間は保険料の支払いを待ってあげる制度だ。

 受給資格期間にはカウントしてくれるが、申請免除のように老齢年金の年金額には反映されない。追納しないと、老後に満額の年金を受け取ることはできず、一生涯にわたって年金額が、おおむね年間約4万円の減額になる(2年分の年金保険料を納めなかった場合)。

 ただし、猶予から10年以内なら、保険料を後から納めることもできる。今は、コロナ禍で生活するのに精いっぱいのはずだが、就職したら、学生納付特例で猶予を受けた分も追納するようにしたい。

 このほか、病気やケガの保障ではないが、コロナ禍による特例給付として創設された「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」は、学生のアルバイトでも対象になっている。

 この支援金・給付金は、新型コロナウイルスの影響で勤務先から自宅待機などを命じられて、休業を強いられたものの、会社から休業手当を払ってもらえなかった場合に、労働者が自ら申請することで、休業前の賃金の8割(日額最高1万1000円)を給付してもらえるというもの。

 当初、対象期間は2020年9月までとなっていたが、こちらも延長が繰り返されており、現在は2021年4月分の休業まで給付を受けられることになっている(申請期限は2021年7月末)。

 学生でも要件に当てはまれば、給付を受けられるので、まだ申請していない人は忘れずに手続きをしよう。

 緊急事態宣言は解除されたが、感染そのものが下火になったわけではい。経済を回していくために破れかぶれで解除された感がある。だが、自分自身の暮らしを守るためには、個人が破れかぶれになってしまうのは禁物だ。

 生活に困窮しそうになった時、社会保険制度の給付、税金の猶予や免除、国の特例給付などを丁寧に見ていくと、使える制度はけっこうあり、コロナ禍でそれは大きく拡大されている。学生納付特例の臨時特例免除申請もその一つ。使える制度はとことん使って、少しずつ前に進みたい。

 (フリーライター 早川幸子)

ダイヤモンド・オンライン

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最終更新:4/2(金) 12:10

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