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今はバブル?暴落のリスク要因は?山崎元が株価を巡る「6つの質問」に回答

2/24 6:01 配信

ダイヤモンド・オンライン

 日経平均株価が3万円を超えた。現在の株価をバブルではないかと疑って、バブルをテーマにした取材や座談会のような企画も増えている。そこで本稿では、Q&A形式で現在の株価がバブルであるか否かについて整理してみたい。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

● 今はバブルか否か? 株価を巡る6つの質問に回答

 日経平均株価が3万円を超えて、株価が話題になる場面が増えてきた。テレビの街頭インタビューなどでは「この株高は、生活の実感に合わない」という声が紹介されることが多いが、あれはテレビ番組を作る側の人々(必ずしもテレビ局の社員とは限らない)がそう思っているからなのだろう。

 現在の株価をバブルではないかと疑って、バブルをテーマにした取材や座談会のような企画も増えている。

 そこで本稿では、座談会の「質問項目」と「答え」を想定するQ&A形式で現在の株価がバブルであるか否かについて整理してみたい。

 質問の項目と、筆者ならこう答えるという内容を列挙する。筆者の答えが正解だと言いたいわけではない。読者ならどう答えるか、順を追って考えてみてほしい。

 【Q1】現在の株価(日経平均3万円台、ダウ工業株30種平均3万1000ドル台)を「バブル」と判断するか否か。結論と理由をお答えください。

 【A】株価のバブルとは、「高過ぎて長期的に維持できない株価が形成された状態」のことでしょうが、日経平均3万円突破はその形成の域に入ったと考えています。

 バブルは、信用(借金)の拡大が投資に回って、資産価格(株価)が上がることによって起こります。そして、現在は信用の供給主体が新型コロナウイルス対策に注力する政府と中央銀行であり、金融緩和を財政が後押しすることによって出回った資金が株式市場に集中して株価が上がっている。加えて、「コロナ対策で金融政策の転換が遅れるだろう」「市場や経済が不調に陥ったら政府・中銀が手を打つだろう」という期待がリスクを過小評価させています。

 金融緩和と信用の拡大、そしてリスクの過小評価といった具合に、バブル形成の条件が定性的に満たされています。

 加えて、益利回り(株価収益率〈PER〉の逆数)から判断して、絶対水準としての株価も「高過ぎ」のゾーンに入ってきたように思われます。

 【Q2】株価の「バブル」を判断する基準があれば、ご開示ください。

 【A】将来、金融環境が正常化して、名目成長率と長期金利がほぼ均衡する状態を想定すると、益利回りが投資家のリスクプレミアムであると考えることができます。以下のような基準を目処として考えています。

 ・益利回り6%(PER16.7倍)=株価は高くも低くもない
・益利回り5%(PER20倍)=株価は高値圏に入った
・益利回り4%(PER25倍)=株価はバブルの域に入った。黄信号
・益利回り3%(PER33.3倍)=株価はバブルでそれ自体が危険な高値にある。赤信号

 現在の東京証券取引所第1部の益利回りは概ね4%なので、「株価はバブルの域に入り始めた」と考えています。

 【Q3】今後(今年、来年)に想定される、株価と経済の展開について、「最もありそうだ」と思われる推移をお答えください。

 【A】コロナ対策のポリシーミックスは内外共に当面変化しないと考えられ、加えて、世界の景気は回復傾向にあります。加えて「バブル」は、原理的にも経験的にも、発生したからといって直ちに崩壊するものではありません。

 年内いっぱいくらい株価は上昇しやすく、来年になって経済の回復がはっきりして、政策的な潮目が変わる局面が見えてきた段階で株価が大幅に下落する局面を迎える、というくらいの展開が「ありそう」なものの一つとして思い浮かびます。

 【Q4】今後、株価が大幅に下落する局面が発生するとしたら、どのような理由によるものでしょうか。株価にとっての「リスクファクター」があればご指摘ください。

 【A】現在、政府による信用拡大に加えて、米国で低格付けの社債発行による信用拡大が目立っていることが少々心配です。当面好景気ですが、社債市場でデフォルトが起こって起債環境が冷え込むことになると、株式市場にもショックが及びそうです。これが、短期的なリスクファクターでしょう。

 そして中期的なリスクファクターとして、米国の雇用が回復して金融政策が正常化に向かう段階で起こる金融政策の転換が株価に及ぼすショックが挙げられます。最後に、物価が上昇して金融引き締め政策を取らざるを得なくなる状況が将来やって来る可能性が長期的なリスクファクターでしょうか。

 【Q5】現在の状況を踏まえて、日米それぞれの経済政策はどのようなものであるべきだとお考えでしょうか。

 【A】当面の政策は、大まかには現在の金融緩和プラス財政支出でいいでしょう。財政赤字は当面拡大が適切であり、緊縮に向かわない方がいい。ただし、支出は公平かつ迅速であるべきでしょう。業界や利用者のメリットが偏る「Go Toキャンペーン」のようなものは筋が悪く、一律の給付金(将来の負担は高額納税者・富裕層が大きい)に賛成します。

 株式市場については今後、「赤信号」に近付く局面があれば、信用取引の条件を厳しくするなど、市場内部要因での過熱防止策を行うべきでしょう。金融を引き締めて、デフレに逆戻りするような事態があってはいけません。

 【Q6】一般投資家に対するアドバイスを頂けたら有りがたく存じます(「株は全て売って現金化せよ」「米国株を買え」「内外のインデックスファンドを買え」、「出遅れ株がいい」…等々)。

 大まかに言うと、株価が上がっても下がっても気にしない。そして、自分にとって適切なリスク資産の金額を、内外の株式のインデックスファンドのような広く分散投資が行われていて手数料コストが低い運用商品で、じっと持っているといい。

 ただ、株価が赤信号水準に近付いてくることがあれば、「持ち株の1~2割」くらいまで売却することを考えてもいいでしょう。投資家にできる調節は、その程度が限界です。

ダイヤモンド・オンライン

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最終更新:2/24(水) 13:50

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