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ふぉーかす イエレン米財務長官の相場観

1/27 9:31 配信

トレーダーズ・ウェブ

 女性初の米連邦準備理事会(FRB)議長から女性初の米財務長官に就任するジャネット・イエレン氏は、1946年、ニューヨーク州のブルックリン地区の経済的に裕福とはいえない家庭に生まれて優等生として育った。同じ年に隣のクイーンズ地区の経済的に裕福な不動産開発業者の家庭で生まれたドナルド・トランプ氏は、素行不良のためニューヨーク・ミリタリー・アカデミーに転入させられた。

 1946年に隣地区で生まれ育った二人は、71年後の2017年にホワイトハウスで会い、トランプ米大統領はイエレンFRB議長を、「You are fired」と1期4年で解任した。しかし、2021年1月、トランプ米大統領は1期4年でワシントンを去り、米上院は1月25日、イエレン米財務長官を承認してワシントンに迎い入れた。

 イエレン氏は、サンフランシスコ連銀総裁だった頃、住宅バブルが崩壊する前、地元の金融機関にサブプライムローンの拡大を推奨していたが、住宅バブルが崩壊したことで、FRB副議長として後始末に苦戦を強いられた。イエレン氏は「高圧経済政策」を持論としていることを表明していた。2019年の夏、米国の長短金利逆転(逆イールド)がリセッション(景気後退)を警告していた頃、パウエルFRB議長とイエレン氏は、米国のリセッションの可能性は低い、と楽観視していた。米国経済は、2020年2月にリセッションに突入した。

 2021年1月19日、米上院財政委員会は、バイデン米大統領が財務長官に指名したイエレン氏の指名承認公聴会を開いた。イエレン氏は、追加の新型コロナウイルス対策で「大きく行動」するように呼び掛け、債務拡大につながっても恩恵は代償を上回るとの考えを示し、「追加措置を講じなければ、足元のリセッションの長期化と深刻化を招く恐れがあり、今後の経済により長期的な傷跡を残しかねない」と警鐘を鳴らした。バイデン米大統領による追加経済対策案第1弾(1.9兆ドル)で米国の債務が拡大することは承知しているが、金利が歴史的な低水準にある現在、大きな行動に出ることが最も賢明、と述べた。すなわち、米国の債務残高は約26.9兆ドルまで拡大しているものの、年間の利払い費用は約6000億ドルに過ぎず、財政出動により新型コロナウイルスによるリセッション(景気後退)を脱却して、高成長路線に復帰できれば、連邦債務に絡む脅威を払拭できる、という論理である。

 高圧経済政策で米国の財政拡張、金融緩和が強まれば、ドル安・円高要因になる。

 財務長官としての責務は、米国民が新型コロナ感染拡大の影響に耐えられるよう支援し、米経済を再構築することで、より多くの人が恩恵を受けられる繁栄を実現し、競争が一段と激化している世界経済の中で米国の労働者がより良く競争できるようにする、と表明した。

 為替相場に関しては、他の国が貿易面で自国が有利になるよう人為的に相場を操作しようとした場合、米国は反対する必要があるとし、商業的な利益のために為替水準を目標にすることは容認できないと指摘した。「私は市場が決定する為替レートを信じている。ドルや他の通貨の価値は市場が決めるべきだ」と強調し、就任すれば、「貿易で不当な優位性を得るために通貨価値を操作しようとする外国のあらゆる試みに反対する」というバイデン大統領の公約実行に取り組むと述べた。

 中国に関しては、米国の最も重要な戦略上の競争相手との考えを示し、バイデン政権は中国の「不平等で不法な」慣習に対応していく、と表明した。

 2017年にトランプ米大統領の下で成立した税制改革法については、一部を廃止すべきと主張したものの、法人税率が減税以前の水準に戻る見通しはない、と述べた。イエレン氏は、増税より新型コロナ対応が優先されると述べる一方で、企業や富裕層は「応分の負担」が必要との見解も示した。また、時価評価を通じて未実現のキャピタルゲインに課税する可能性など、歳入拡大に向けたさまざまな手段を検討する考えを示した。

 (為替情報部・山下政比呂)

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最終更新:1/27(水) 9:31

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