21年シーズンの「一時避難場所」
(文 週刊現代) 全世界でとどまるところを知らないコロナの猛威。大きな打撃を被っているのが野球のメジャーリーグだ。
「昨季は試合数が60に減り、すべて無観客試合。プレーオフとワールドシリーズだけ観客を入れて開催しましたが、全30球団で約30億ドル(約3120億円)もの巨額損失となりました」(メジャー評論家の福島良一氏)
今季の試合も無事に開催されるかどうかがわからない状況のなか、球団は予算も決められない。
その余波を喰らい、今季からのメジャー挑戦を公言していた菅野智之(巨人)や西川遥輝(日ハム)も契約先が見つからず、断念を決めた。
FA市場は過去にない停滞状態となり、現時点で150人以上の契約が決まっていないという「異常事態」になった。
そんななか、職にあぶれたメジャーリーガー達から注目を集めているのが、日本のプロ野球だ。
「日本の野球はレベルが高く、1年でメジャーに復帰することもむずかしくない。アメリカに比べればコロナの感染者数も少ないし、身の回りの世話もすべて球団がやってくれる。
契約がままならない'21年シーズンの『一時避難場所』として、外国人選手の代理人が積極的に売り込みをかけています」(スポーツ紙デスク)
昨季のサイ・ヤング賞投手で、レッズからFAしているトレバー・バウアーも移籍先候補に日本球界を入れていると言われる。球界からは、大物が続々来日するのではないかと期待する声も上がるが、前出の福島氏は、「現実には、バウアークラスは難しい」と語る。
「バウアークラスの第一線の選手は一年で3000万ドル(約31億円)以上が契約の基本線になる。メジャーほどコロナ禍の影響がなかったとはいえ、その金額を支払える日本の球団はどこにもありません。もう少し『お手頃価格』の選手を多くとることになるのではないでしょうか」
結局、二流の助っ人の姿をたくさん見ることになりそうだ。
『週刊現代』2021年1月23日号より
マネー現代
最終更新:1/27(水) 7:55
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