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菅首相はさっさと「解散」に打って出るべきだ

1/23 11:01 配信

東洋経済オンライン

 1月20日にアメリカではジョー・バイデン氏が「なんとか無事に」大統領に就任した。マーケットに注目する当欄としては株価が気になるが、相変わらず株価は高い。バイデン大統領ではなくドナルド・トランプ大統領であっても、どのみち株価は高かったのだろう。コロナ対策で、金融緩和が継続しつつ、これを財政出動で後押しする構造が続く限り、株価は上昇しやすい。

■読売新聞「不支持49%」のインパクトは大きい

 たとえば、バイデン氏が推進しようとしている1人1400ドルの給付金を受け取ったアメリカ国民がどうするかを考えてみよう。

 4人家族なら5600ドル、日本円にして約60万円の現金(実際には小切手や預金)を手に入れるわけだが、当面生活に困っていなければ預金金利は低いのだし、この資金を「とりあえず」株式やミューチュアルファンド(個人投資家が好きなときに購入・売却できる投資信託)に投資しようと思う人が多数いてもおかしくない。かくして、「コロナのおかげで」株価は上昇し、資産家とそれ以外の人々の経済的な格差は拡大する。

 上記は、今までに何度も述べたストーリーで、筆者は、自分で書いていながら、いささか退屈だ。「何かないか」と思っていたら、「材料」は常にあるものだ。1月18日に発表された『読売新聞』の世論調査結果に驚いた。菅内閣の支持率が39%、不支持率が49%である。

 多くの方がご存じのように、読売新聞の調査は、朝日新聞や毎日新聞の調査よりも自民党政権に対して高めの支持率が出る傾向がある。その読売で39%は低支持率だし、何よりも不支持の回答が49%もあったことのインパクトが大きい。読売の調査で支持・不支持が逆転してこれだけ大きく開く状況の背景には、無視できない大きさの、国民の怒りなり不満なりがあるはずだ。

 いまだ「大きな確率」ではないと思うが、「菅政権終了」の可能性と、その場合に何が起こるのかを、今の段階で考えておきたい。

 菅政権に対する支持率低下の原因には、「桜を見る会」の問題のように前政権時代の問題もあるが、学術会議の問題や、一連のコロナ対策の不評など、菅氏自身の対処の拙さに起因する問題もあるようだ。

 就任当初に発生した日本学術会議の会員について会議からの推薦があったにもかかわらず6名を任命しなかった問題は、「人事の問題なので説明を差し控える」で押し通したが、就任当初の高支持率を10%見当浪費したように思える。

 6人が会議に加わることで政権として具体的に不都合があったようには思えない。学術会議にもう一度会員推薦を行わせて、同じ6人を任命して、問題をさっさと片付けてしまえば良かった。学術会議のあり方や予算が議論の対象になったことで、善し悪しは別として、学術会議に対する影響力は十分行使出来たので、政権側の目的は十分達成できたはずだ。かたくなに説明を拒む態度は支持率を下げた。

 一方、コロナ対策にも、「説明不足」が影を落としているように思う。国民が求めているのは、「緊急事態宣言は考えていない」(昨年12月まで)、「緊急事態宣言を検討する」(1月以降)といった判断の結果発表ではなく、「今後、感染者と重症者が○○人、△△人程度に増えるかも知れないが、××人の重症患者用の医療体制が確保されているので、国民は安心して欲しい」といった具体的で率直な情報発信だ。

■首相として「スタイルチェンジ」が必要

 菅首相は、「ご指摘は当たらない」、「回答を差し控えさせて頂く」といった、コミュニケーションを遮ることで「防御が成り立つ仕事をしているつもりになれた」官房長官時代と異なり、首相としての積極的な情報発信が求められていることを理解した方がいい。

 周囲のサポートにも問題がありそうだが、本人も批判に身構えてボロを出さないことに全集中する頑ななスタイルを捨てて、「いい知恵があったら、どなたの話でもお聞きしたい」と言いつつ胸襟を開いて素朴なコミュニケーションを心掛けるくらいの、スタイルチェンジが必要だ。コミュニケーションをコーチする人材が必要なのではないか。

 コロナ対策についても、やって来たことが的確ではなかったことを率直に認めたらいいのではないか。コロナに関しては、「コロナ抑制が全てに優先」派と「コロナ対策はほどほどに経済を回せ」派との分断が深刻で、どちらについても批判を受けるが、両者共通の利害として、特に重症患者向けの医療体制の増強と整備にもっと注力すべきだった。

 医療体制に余裕があれば、国民は安心できるし、経済を動かす余地が拡がる。また、一応は先進国の一角である我が国にあって、医療従事者向けのワクチン接種が始まるのが2月下旬からであるという手回しの遅さは、国民の心配をかき立てる、もはや「謎」のレベルだ(どうなっているの? )。

 加えて、「Go Toトラベル」は、少なくとも始めた時期が的確ではなかったし、そもそも受益対象者が不公平な愚策だった。現在の緊急事態宣言下の飲食店に対する一律一日6万円の補償も、大きな経費が掛かる店には全く不足である一方、儲かっているから黙っているのだろうが小規模な飲食店にあっては「続いて欲しい丸儲け!」の状態だろう。せめて、従業員の雇用継続を前提として、家賃と人件費の一定割合を補填する程度の公平性が必要なのではないか。

■首相はさっさと勝負すべきだが「もしも」のときは? 

 筆者は、菅政権に対して応援・批判の何れかを行う立場にはないが、以下に述べるように、菅政権が急に終了して、経済政策が混乱する可能性に対しては少々懸念を抱いている。

 これまでの諸々について、率直に反省を述べて、速やかに修正するなら、国民の支持回復は十分可能だろう。付け加えると、東京オリンピックは「国民の健康と安全の観点から」再延期ないし将来の再立候補を前提とした中止を積極的に(後手でなく、先手で)表明する方が国民に歓迎されるだろうし、何よりもできるだけ早く解散総選挙を行う方がいい。

 菅首相の言う「仕事」は、今年1年の間に成果を確定できるものは少ないのだし、総選挙で勝ったなら政権に文句を言う党内勢力は押さえ込める。しかも、野党の支持率は低いままなのだ。愚図愚図と時間を過ごして国民のいらいらを募らせるよりも、テキパキと勝負に出る方がいいのではないだろうか。

 コロナ禍のもろもろの不自由の影響もあって、国民にはストレスがたまっている。内閣支持率が更に降下して、「菅下ろし」が実現する可能性が、未だ大きくはないが、ゼロではない、無視は出来ない確率だ。その場合の、経済とマーケットへの影響はどのようなものだろうか。

 経済・マーケットの観点から一番の心配は、金融緩和政策の後退と、財政の緊縮方向への変化だ。前者に関してまず見るべきは、日銀の金融政策決定会合メンバーである日銀の政策委員の顔ぶれとそれぞれの任期だ。最も早く退任するのは櫻井眞氏で今年の3月31日の予定だ。次が、政井貴子氏で今年の6月29日だ。

 櫻井氏の後任には、野口旭専修大学教授の名前が挙がっており、野口氏は金融緩和政策を支持するブレない論客なので、人事としてのメッセージ性も含めて申し分ない。黒田総裁、若田部副総裁、片岡剛士氏、安達誠司氏、に野口氏が加わると、いわゆる「リフレ派」が5人と過半数を占めるので、しばらくは安心である。仮に政権の交代があっても、金融緩和政策は継続が期待できる。

 ちなみに、5人の中では、片岡氏が最も早く、来年の7月に任期を迎える。今年6月に退任する政井氏の後任と共に、来年の片岡氏の後任にも注目しておきたい。問題は、コロナ対策とも関連する財政の動向だ。拡張的な財政政策が維持されるなら、株価には好影響だが、次の政権の主によっては、「財政再建」に重心が寄る心配があるので、気をつけておきたい(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承下さい)。

 この週末には、中山競馬場でアメリカ・ジョッキークラブ・カップ(通称「AJC杯」)が行われる(24日の第11R、距離2200メートル)。厳冬期でもあり、例年も今年も、超一流どころはほとんど出走しない。だが、開催の最終週で冬の芝なので、スピードよりは力が要求されるレースのイメージだ。

■AJC杯の本命は中山で勝ち鞍のあるサトノフラッグで

 1番人気は、おそらく菊花賞で3冠馬コントレイルに迫ったアリストテレスだろうが、同馬は中山コースの経験がない。

 そこで本命には、1月、3月に中山で勝ち鞍があるサトノフラッグを採る。報知杯弥生賞ディープインパクト記念(G2)の勝ち鞍は重馬場でのもので、力の要る馬場にも対応できそうだ。

 対抗には、堅実に駆けるヴェルトライゼンデ、単穴はかんべえ先生(吉崎達彦氏)なら必ず目を付けるであろう「中山巧者のステイゴールド産駒」ステイフーリッシュ、以下アリストテレスとウインマリリンまで押さえたい。

 別定重量ということもあり、堅く決まりがちなレースなので、オッズを見ながら、馬券は絞り込み気味に勝負したい。

東洋経済オンライン

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最終更新:1/23(土) 11:01

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