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2021年の日本株市場は「本物と偽物がふるいにかけられる年」になる…!

1/22 7:31 配信

マネー現代

(文 マネー現代編集部) ----------
マーケットが新型コロナウイルスに多大な影響を受けた2020年。果たして、2021年の株式市場はどのように推移するのか。アセットマネジメントOneにて、長期間にわたり好成績をあげている「DIAM新興市場日本株ファンド」の運用を担当する敏腕ファンドマネージャーの岩谷渉平さんに聞いた。
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リモートワーク関連は引き続き好調か

 2020年、日経平均株価は2月から3月にかけて暴落し、そこから回復。12月29日には2万7568円と30年ぶりの高値を更新した際には大きな話題になり、その後も好調に推移している。一方で、「実体経済と乖離がある」「バブル崩壊前夜だ」と不安視する声もある。

 「そもそも株価の推移は実体経済と乖離があり、株価の方が先行して動きます。たとえば、2020年の2月下旬、日経経平均株価は大幅に下落し、2月の終値は前月比マイナス8.9%。しかし、当時はまだ国内では自粛ムードは薄く、通勤も含め、これまで通りの日常を送っている人が多かった。

 株価は実体経済に先行して動いていることを考えると、経済が回復し、我々がその実感を得られるまではあと2~3年はかかるでしょう」

 では、2021年はどのような年になるのだろうか。岩谷氏は「本物と偽物がふるいにかけられる年」だと話す。

 「2020年は人々の生活が大きく変わったことで、リモートワークのツールや巣ごもり関連グッズなど新しい商品やサービスが次々と登場しました。2021年は、数あるそれらの商品がふるいにかけられ、本当に質のよいもの、必要とされるものだけが選別される年になるでしょう」

 2020年、新たな課題として浮上したのが、役所をはじめとする公的機関の事務手続きだ。特別定額給付金や持続化給付金をはじめとする給付金関連や、マスク配布などでは、その事務手続きの煩雑さやスピードの遅さが問題視された。

 「脱ハンコが叫ばれ、デジタル庁が設立されたのは、こういった課題を解決するための大きな一歩であり、電子署名サービスなどに取り組む『弁護士ドットコム』や『GMOグローバルサイン・ホールディングス』などに注目が集まりました。

 こういった企業の株価を見ると昨年10月に天井をつけた後、調整となっているのですが、これは『一旦、織り込んだから』というマーケットの先見性によるものでしょう。今後、必要不可欠になるこういったツールの関連市場は、2021年には再度伸びていくと思われます」

「教育・塾」ではオフラインの重要性が再認識

 反面、教育については自宅学習の限界が浮き彫りになり、クラスメイトとのかかわりや部活動の中で育まれる絆など、オフラインのメリットがあらためて認識された。

 「オフラインの良い面が凝縮されているのが教育。ですので、現在制限されている活動についても元の形に戻っていくでしょう。そのため、学校関連の備品を扱う企業などは伸びが予想され、塾やスポーツ教室などの習い事についても同じことがいえます。

 一方で、オンライン教育が進んだからこそ生まれたものもあります。たとえば、国境や時空を超えた教育ツール。海外の学校の講義やすでに亡くなっている教授の講義が受けられるといったユニークなツールはどんどん活用されるようになるかもしれません」

 岩谷氏は、2020年に引き続き、医療や行政、働き方、教育の分野に関心を寄せる他、2021年の注目分野として環境関連を挙げる。

 「人々が家にこもった結果、空気がきれいになり自然環境が改善された。今後、コロナが収束し、人々の活動が元に戻る際、“また環境を悪化させてよいのか”という議論にもつながることが予想され、環境関連銘柄には注目すべきではないかと思います」

 2021年最大のビッグイベントといえば、東京オリンピック・パラリンピック。無事に開催されるか否か、かたずを飲んで見守っている投資家も多いだろう。しかし、開催の有無によって株価が大きく変動する可能性は少ないのではないかと岩谷氏は語る。

 「開催されれば、五輪関連銘柄が多少上昇することはあるとは思いますが、その波は小さく期間も短いと考えています。それよりも、開催によって国全体が自信を取り戻すといった要素のほうが大きい。仮に開催できなかったとしても、2020年のような大幅な下落は考えにくく、国内大会の再開などによって、じわじわと元気になっていくという実感を取り戻せる年になるのではないでしょうか」

“プチ贅沢”ブームが起こる?

 2021年2月末には、日本でもコロナワクチンの接種が開始されると思われるが、これが直接的に市場に大きな影響をもたらすことも考えにくいそうだ。

 「ただ、五輪の開催同様に、自信を取り戻させる前向きな要素にはなるでしょう。特に団塊世代を中心とする高齢者が出歩けるようになることが重要。お金と時間に余裕があるこの世代の人たちが、“外国人観光客がおらず空いている間に旅行しよう”と考えれば、大きなお金が動くはずです。

 退職金を使って夫婦でワンランク上の旅を楽しむなど、特定の消費を喚起するようなサービスへのニーズが高まるのではないでしょうか。鉄道や航空業界などはもちろんですが、ゆとりのある高齢者が、日常的に“ちょっとした贅沢”をする可能性もあり、タクシー会社などにも注目したいですね」

 日経平均株価は今後も伸び続け、3万円台に到達する場面もあるのではないかと予想する岩谷氏。一方で、大幅な金融緩和が社会にひずみをもたらす可能性もあるという。

 「現状でも、金融緩和によってカネ余りの状態の人々と、コロナによる収入減に苦しむ家計との格差が増しています。2021年は格差がいっそう広がる年でもあるといえます。

 そのようなことも背景にあって、企業の不祥事などは大きくクローズアップされやすいとみています。本来ならば大変な状態にある人々を救うための金融緩和であるはずなのに、それを悪用して私腹を肥やしていたと報じられれば、企業にとっては致命的なダメージになる。

 人類史的に見ても、こういった状態の時は“象徴的な事件”があらわれる可能性が高い。経営者は特に気を引き締める局面といえるでしょう」

 2020年は、働き方改革の促進で、仕事ができる人と、できるフリをしているだけの人の違いが鮮明になったといわれるが、2021年は経営者もふるいにかけられる年になるのかもしれない。

 投資家にとっても、これまで以上に経営陣を見極める必要がある一年になりそうだ。

 取材・文/音部美穂

マネー現代

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最終更新:1/22(金) 7:31

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