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ドル建て日経平均株価を見るのが超重要なワケ

1/20 11:01 配信

東洋経済オンライン

 株式投資に興味がある人なら、日本で最も有名なる株価指数である「日経平均株価」を定期的にチェックしているはずだ。もちろん筆者も日々詳細にチェックしている。この指数は、東証1部に上場している銘柄のうち225銘柄をピックアップ、単純平均したものだ。今回はこの重要指標を違う角度から見ていこう。

■「ドル建て日経平均株価」の計算方法はシンプル

 日経平均に限らないが、どうしてもわれわれは「日本国内の目線」(円建て=円表示)でさまざまな指標を見てしまう。しかし、グローバルな視点で考えると、世界は日本人以外の人が圧倒的に多い。特に金融市場において、基軸通貨はドルである。海外投資家にとっては、すべての金融商品において「円建てよりもドル建て」で比較するほうが自然だ。

 すでに海外投資家は東証1部の日々の売買代金の6~7割のシェアを占めているだけでなく、株主比率でも3割を超えている。つまり、こうした企業は所有者という視点から見ると「3割外資系企業」というわけだ。従って、日経平均株価も、、世界の基軸通貨である「ドル建て」で見る必要もあるのだ。

 「ドル建て日経平均株価」の計算方法はいたってシンプルだ。例えば日経平均株価が2万8000円、その日のドル円レートが1ドル=100円だとすると、2万8000÷100=280となり、ドル建て日経平均株価は280ドルになる。

 ここで重要なことはドル建て日経平均株価の騰落の要因(変数)は、「円建て日経平均株価」と「為替レート」の2つで決定するということだ。例えばもし「円建て日経平均株価」が10%下落しても、為替が円高ドル安方向に20%進めば「ドル建て日経平均株価」は約10%上昇するイメージだ(実際は0.9×1.2=1.08なので8%上昇)。逆もまた然りだ。

 ドル建ての日経平均株価は、今から31年前の1989年(平成元年)12月27日に273.06ドルという史上最高値をつけたいっぽう、2004年4月28日には63.16ドルで大底をつけた。

 その後は、2009年3月10日71.50ドルの2番底から上昇に転じた。その後、2020年のコロナショックで同3月19日に149.52ドルまで急落したものの、その後は急騰を続け、ついに2021年1月13日に273.91ドルと、31年ぶり史上最高値を更新している。

 ちなみに同日の円建て日経平均株価は2万8456円で、1989年12月29日の最高値3万8915円まで1万円以上の上昇が必要だ。率にすればまだ27%安いままだ。

 では為替レートはどうだっただろうか。1989年12月27日のドル円は1ドル=142.10円。最高値を更新した2021年1月13日は1ドル=103.89円で、約27%円高になっている。すなわち、ドル建て日経平均株価が史上最高値を奪還した原動力は、27%ほど円の価値が上昇したため(円建ての下落分を相殺した)、ということもできる。

■「日経500種平均株価」は日経平均株価の先行指数? 

 さて、ここでもう1つ、別の重要指標である「日経500種平均株価」を見てみよう。同指標は東証1部の500銘柄で構成されているものだ。特徴は毎年1回、過去3年間の売買高、売買代金、時価総額をランキング化、上位500社を選び直していることだ。つまり、毎年大幅な入れ替えを行うことになるため、指数の連続性はあまりないと言える。

 実は、この日経500種平均株価も1989年の12月29日に2406.47円という史上最高値をつけ、2009年3月10日に631.19円で大底を打ち、その後は上昇を続け、2020年9月28日に2430.70円と30年9カ月ぶりに史上最高値を更新している。

 ここで特筆すべきは、日経500種平均株価には日経平均株価にはない有力企業も多く含まれていることだ。具体的には、設備投資関連で超精密センサー世界一のキーエンス(6861)、世界的な人気ゲーム機がコロナ過でも好調な任天堂(7974)、精密小型モーターから電気自動車用モーターまで展開している日本電産(6594)、電子部品関連でセラミックコンデンサー世界首位の村田製作所(6981)などが真っ先に挙げられる。

 もちろんこれらだけにとどまらない。順不同で挙げると、家具・インテリアの大手小売りのニトリホールディングス(9843)に加え、HOYA(7741)、ユニ・チャーム(8113)、シマノ(7309)、MonotaRO(3064)、大塚商会(4768)、神戸物産(3038)、SBIホールディングス(8473)、良品計画(7453)、ファンケル(4921)、ネットワンシステムズ(7518)など、成長期待が高い銘柄をより多くカバーしていることで指数が押し上げられている。

 日経500種平均株価がドル建て日経平均株価より3カ月半も早く史上最高値を付けた秘密は、リアルタイムの指標だけを見て機械的に銘柄を組み替えることが奏功しているとみるべきだ。

 さて、円建ての日経平均株価の話もしておこう。日経平均株価は昨年11月のアメリカ大統領選直前に2018年10月2日の高値2万4270円を抜き、青天井のように上昇中だ。2021年1月19日現在の日経平均株価は2万8633円。過去最高値3万8915円から約26%安く、あと1万円以上の上昇が必要だ。

 円建ての日経平均株価は今回紹介した2つの指標「ドル建て日経平均株価」や「日経500種平均株価」と比較すると明らかに出遅れているようにみえる。史上最高値を更新するには時間がまだかかるだろうか? 

■「配当込み指数」なら、日経平均も最高値更新済み

 実は日経平均株価は配当を考慮していない指数であるため、「配当込み指数」である「日経平均トータルリターンインデックス(=日経平均株価配当込み指数)」をみると、1989年12月29日の4万3200円に対し、2020年11月25日には4万3404円と、すでに約31年ぶりに史上最高値を更新しているのだ。

 ただ、配当考慮なしでの日経平均株価の史上最高値トライには、前回でも述べたように、TOPIX(東証株価指数)の出遅れ解消がカギになるとみる。

 TOPIXは直近高値の2018年1月23日の高値1911ポイントですら上抜けしていない。日経平均のさらなる上昇には最低でもこの1911を明確に上抜けすることが必要だろう。

 それでも、冷静に判断するとドル建て日経平均株価こそが世界から見た日経平均株価の本当の評価対象ともいえるかもしれない。

 このように、円建ての資産価値ばかりを気にするのではなく、「ドル建て日経平均株価」の動向を加味して考えることによって、株式市場の動きがより正確に見えてくるはずだ。

東洋経済オンライン

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最終更新:1/20(水) 17:21

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