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2021年の日本株、プロがひっそり仕込む&めちゃ儲かる「凄い銘柄」の全実名

1/18 7:01 配信

マネー現代

日本株市場、意外な銘柄が「上昇」してきた!

(文 大川 智宏) 株式市場は相変わらずバブル的な上昇を見せているが、コロナ禍の継続と経済の低迷にもかかわらず、意外な銘柄群が上昇を続けている。「高マーケット・リスク銘柄」だ。

 実は、コロナ禍以前から地味に強さを見せていたが、昨年から急激に効力を強めている。

 ところで、具体的な数字を見ていく前に、「マーケット・リスク」とは具体的に何のことを指し、どのように計測・判断するものなのかを確認しておきたい。

 一般的に、これを見る指標は、「ベータ」と「ボラティリティ」の2つである。イメージとしては、両指標ともに数字が高ければ価格が乱高下しやすく、数字が低ければ価格は安定的に推移しやすい、といったところだろう。大枠のイメージとしてはそれで問題ないが、実際のところ両者の違いを明確に理解している人は少ないのではないだろうか。

 もちろん、両指標には性質上の明確な違いが存在している。数学的な正確さを完全に無視して誤解を恐れずにいえば、ベータとは、FX(外国為替証拠金取引)や株の信用取引でいうところのレバレッジと同じようなものと思っていい。

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図:高ベータ株、低ベータ株のイメージ
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 上記が、高ベータ株、低ベータ株のイメージ図だ。

 黒い太線とTOPIX(ベンチマーク、完全に連動する場合はベータが1)としたとき、それに対する連動性と反応が大きいか、小さいかということである。

 たとえば、TOPIXが+1%上昇した際に常に+2%の上昇を見せ、TOPIXが1%下落した際に2%下落する銘柄、つまりTOPIXの動き連動しつつ、2倍の感応度で動き続ける銘柄は、ベータが「2」となる。

 一方で、同様の前提で、上昇時に+0.5%、下落時に-0.5%しか動かない銘柄は、TOPIXの動きに対して半分の感応度しか持たないのでベータが「0.5」となる。

 つまり、高ベータ株に投資をすることは、株式市場の変動に対して一定の倍率をかけて投資することに近いイメージとなる。無論、市場全体に完全に連動する銘柄など存在しないし、個別の大きな材料が出ればベータは上下に触れやすい指標だが、決算期を除いて市場で注目を浴びる銘柄は一部かつ短期であり、その他の多くの銘柄は長期にわたって無風の中を市場全体の需給で株価が左右される。

 そのため、ある程度の期間(過去250日など)の価格変動データを用いてベータを計算すると、銘柄の性格によって値に大きな差が生じる。

 銘柄例としては、現在の東証一部の大型株~中型株で構成されるTOPIX500の指数構成銘柄のうち、ベータの高い順に銘柄を挙げると、IHI(7013)で2.1、マツダ(7261)で1.8、東急不動産(3289)で1.8と続く。

 機械、自動車、不動産と、景気敏感の代表選手のような銘柄が並び、数字にも納得感がある。

 一方の低ベータ銘柄で代表的なものを挙げると、クスリのアオキ(3549)、ライオン(4912)、山崎パン(2212)などがともに0.3程度で最も低い部類に名を連ねる。ドラッグストア、日用品、食品など、こちらもディフェンシブの中核が顔を出し、ベータが低いことへの違和感はない。

その分析は、「ハズレ」です

 続いて、もう一方のボラティリティだ。

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図:高ボラティリティ株、低ボラティリティ株のイメージ
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 こちらも厳密さを無視してざっくりと感覚でとらえれば、過去の平均リターンがほぼ同一の2つの銘柄を仮定した場合、それぞれの振れ幅が大きいか小さいかを判断しているだけだ。いわゆる「標準偏差」という指標だ。

 ある銘柄がその他の銘柄よりボラティリティの値が大きければ、株価の変化の振れ幅が大きくなりやすいことになる。ベータとの違いは、ベンチマークに対する連動性と感応度を主体に置かず、個々の銘柄の変動しやすさに注目していることだ。

 これを踏まえたうえで、昨年からの株式市場と高リスク銘柄の関係性を考えると、2020年の年始はコロナ禍の深刻化によって株式市場は強烈な暴落を見せ、経済が低迷しながらも年末にはコロナ前を上回る水準にまで強い上昇を達成した。

 まず考えられるのは、最終的には株式市場は戻り高値を付けて終えたので、リスクファクターのうちで、単に変動性を見るボラティリティよりも、市場全体への感応度を見るベータの高い銘柄の方が良く機能したのではないかということだ。

 一方で、景気の低迷は続いており、コロナ再拡大により収束の糸口も見えないため、株高とはいえリスク回避型の低ベータ、低ボラティリティ銘柄の方が優勢だったのではないか、という推測も可能だ。

 これに対しての結論を述べれば、その両者が「ハズレ」である。

「最も高パフォーマンス」の銘柄

 リスクファクターの高低で銘柄を分けて投資パフォーマンスを計測した場合、昨年1年間で最もリターンが高かったのは、「高ボラティリティ銘柄」である。

 以下の図は、母集団内(今回はTOPIX500構成銘柄を使用)でベータ、ボラティリティそれぞれで上位下位20%(5分位)以内に該当する銘柄群を抽出し、2020年の年間パフォーマンスを比較したものだ。

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図:2020年のベータ、ボラティリティの高低別 銘柄群のリターン(TOPIX相対)
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 ベータに関しては、値の高低によらずほとんど効果を発揮していない。

 言い換えれば、過去に指数との連動性や感応度が高かった・低かった銘柄がコロナ禍の急落、その後の急騰相場でそのままリスクの性質を維持したわけではなく、銘柄の性質が変化したか、そもそもベータは投資指標としてほとんど意識されなかった可能性が考えられる。

 一方、ボラティリティ単独の銘柄間の相対的な高低は市場の騰落に論理的な関係はないはずだが、不安的な景気状況でしっかりと高ボラティリティ銘柄が買われ、その反対側にいる低ボラティリティ銘柄は強く売られる関係性が明確に出ている。これは少々意外な結果といえる。

 さて、前置きが長くなったが、ここからが本題だ。

 なぜ、景気が低迷しながらも株価が強烈な戻りを見せるという特殊な環境において、ベータではなくボラティリティが高い投資効果を発揮したのだろうか。これについて、定量、定性面の双方から探っていくとともに、最終的に強固な投資アイデアにまで視点を広げてみたい。

「数字」が示す意外な現実

 分析の詳細に入る前に、まずはベータ、ボラティリティ双方の長期の時系列パフォーンマンスを比較してみたい。

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図:ベータとボラティリティのファクターリターン累積値とTOPIX
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 ぱっと見で、ボラティリティ単体のパフォーマンスの高さに驚く。

 足元は特に堅調だが、それ以前も多少波はあるものの、一定のペースでリターンを積み重ねてきていることが分かる。ただ、同じマーケット・リスクのファクターということもあって、動きの大枠はベータと類似している。

 両者ともに市場全体の反転上昇(つまりリスクオン)時に大きな効果を発揮し、市場の急落(リスクオフ)時には同様にパフォーマンスが低迷しやすい点は理解しやすいところだ。

 一部、2014年~2015年の市場の上昇時には、ベータ、ボラティリティともに効果を発揮していない(ベータは大きなマイナス)時期があるが、これは当時流行したスマートベータ、最小分散投資の影響が色濃いように思われる。ポートフォリオを最適化して変動性を低く抑える目的の計量戦略で、低リスク銘柄が特に好まれやすい特殊な期間であった。

 それ以外は概ね市場の騰落の波に沿うが、累積値で見ると両者の差は歴然としている。

 ただ、市場のリスクのオン・オフを繰り返しながら推移するならば、右肩上がりに高いリターンを生み出し続けるボラティリティよりも、騰落を交互に繰り返した結果として横ばいのベータの方が理にかなった動きに思える。

「注目銘柄」のトラップ

 逆に考えれば、ボラティリティの一方的な高いパフォーマンスの裏には、マーケット・リスクの計測指標という性格の他に、何か特別な要因が存在すると考えるべきだろう。

 そこで考察すべき点は、ボラティリティが持つ「変動性の高さ」の意味的な側面だ。乱高下しやすい高い銘柄はどのような特徴があるかといえば、良くも悪くも「注目されている銘柄」ということだろう。何かしらのポジティブ、ネガティブな材料が常に存在し、それに多数の投資家が群がっている銘柄と考えられる。一方で、低ボラティリティ銘柄は変動性が低いが、それだけ投資家から注目を浴びておらず、材料もなく放置されているようなイメージとなるだろう。

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図:ボラティリティの高低別 銘柄の推移のイメージ
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 その一方で、過去10年程度で最終的に株高が達成された点を考えれば、全期間を通して悪材料よりも好材料の方が発掘されやすかった可能性は高く、そこは控えめに、冷静に判断する必要があろう。

 しかし、ボラティリティの高騰をともないながら悪材料を垂れ流し続け、断続的に利益見通しが切り下がっていく銘柄がないとも言い切れない。

 ポジティブ・バイアスがかかりやすいとはいえ、ネガティブな注目銘柄というトラップは少なからず存在すると考えるべきだ。

新しい「指標」で見ると…

 そこで、単純なボラティリティにもうひとスパイス加えて、このトラップを極力排するように注目銘柄を選定していきたい。

 加えるファクターは、予想ROEだ。

 ROEは、純資産を活用して効率的に利益を生み出せているかを見る指標であり、財務や収益性の質(クオリティ)を判断するための代表的なファクターである。これが予想ベースで高い水準にあると判断されれば、高収益性が担保されると同時に、ボラティリティを加えることで銘柄の注目度の要素も併せて見ることが可能となる。

 以下の図は、ボラティリティとROEの組み合わせの銘柄選定のイメージである。

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図:ボラティリティとROEの組み合わせ 銘柄選定イメージ
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 母集団はTOPIX500構成銘柄、高低の分類は5分位(上位下位20%)で、モデルの前提に則れば、高ボラティリティ・高ROE銘柄をロング、低ボラティリティ・低ROE銘柄をショートすることになる。

 利益確定および銘柄の入れ替えは月次だ。また、参考までにボラティリティとROEの高低が異なる組み合わせのパフォーマンスも検証する。

明確な「リターン格差」

 この方法に基づき、過去10年間のパフォーマンスを検証したものが、以下の図である。リターンの値はTOPIXの相対値だ。

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図:ボラティリティとROEの組み合わせ パフォーマンス(TOPIX相対)
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 まず、同じ高ボラティリティ群内でのROEの高低を比較すると、明確にリターンの格差が分かれていることがわかる。

 言うまでもなく、高ボラティリティ・高ROE銘柄は「収益性が高いと想定される注目銘柄」という理解になり、パフォーマンスが突出して高いのは納得だ。おそらく、ネガティブ注目銘柄によるトラップを大方排除できている可能性が高い。

 一方、低ボラティリティ側はそもそもパフォーマンスが悪いが、特に低ROE銘柄は足元で大きくリターンがマイナス方向へと振れている。注目テーマがなく、さらに収益性も低い銘柄であれば、景気が不安定な環境下で売られても致し方ない。

 また、余談になるが、このモデルのもう一つの強みは株価の上昇・下落、割高・割安といった観点が一切組み込まれていないことにある。昨年末から、割高なグロース銘柄と割安なバリュー銘柄の選好の強烈な反転現象が起きており、バリュー・グロースの視点に基づいた銘柄選択は大きな博打要素を含む。

いま「仕込むべき&逃げたい銘柄」の全実名

 無論、高ROE銘柄は高PBRになりやすい傾向があり、低ROE銘柄はその逆の性質を持つが、必ずしもROEとバリュエーションがリンクするわけではなく、直接的に株価の高低を絡ませていないために、この需給の逆流の波にある程度は抵抗できる可能性がある。

 大きく市場や需給環境が変化する中でも、「質の高い注目銘柄」をしっかりと探すことが、地に足のついたパフォーマンスの獲得への一歩となるだろう。

マネー現代

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最終更新:1/18(月) 10:16

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