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ジム・ロジャーズ氏「バイデン政権暴落に注意」

1/6 9:01 配信

東洋経済オンライン

 ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。私はジム・ロジャーズ氏に約2年間取材を続けており、今回は3冊目の書籍に携わることになりました。同氏の最新刊『大転換の時代 世界的投資家が予言』(プレジデント社)から、2021年のマーケットの行方について考えていきたいと思います。

 株式相場はワクチンへの期待からバブル気味になりつつあります。まだ波に乗れるのか、もう手を出すべきではないのか、迷っている投資家も多いと思います。ズバリ、ロジャーズ氏は「(アメリカの)大統領選挙の翌年(つまり今年)は、気をつけるべきだ」と言います。

■今の株式相場はバブルなのか? 

 「バブルは、崩壊して初めてバブルとわかる」――これは、アメリカの元FRB(連邦準備制度理事会)議長のアラン・グリーンスパン氏の言葉です。

 ロジャーズ氏も「株式市場が長い間上昇して、資金が大量に流入すると、株価が急上昇して相場が過熱するケースが多い」と言います。

 「例えば、1989~1990年の日本株や、1999年のアメリカ株がそうだった。ナスダックは、1999年の時点ですでに数年にわたり上昇していたにもかかわらず、最後の6カ月でさらにほぼ2倍になった。これが過熱相場だ」

 ロジャーズ氏は「今がまさに株式のバブルかもしれない。世界の中央銀行が紙幣を大量に刷っており、市場に資金が大量に流入している」と指摘します。

 「日本株は過去最高値から大きく落ち込んでいたが、このままいけば、最高値を更新する可能性すらある。こういうと驚く人が多いだろうが、その可能性は十分にあると、私は考えている」

 すでにロジャーズ氏は2020年の5月の段階で日本株のETF(上場投資信託)に投資をしています。それは日本銀行がETFに投資をしている、という理由からです。

 また、ワクチンニュースで一時大幅に反発した航空会社の株式なども、やはり2020年前半の早い時期に取得をしています。一番被害が大きかったセクターが大幅な反発があるという予測からです。

 同じく大投資家のウォーレン・バフェット氏はコロナ禍が想定よりも深刻だとわかると、2020年の早い時期に航空会社株を手放し撤退しましたが、ロジャーズ氏は誰もが注目をしていない時期に、散々たる被害を受けている観光産業に、いち早く投資をしたのです。

 「この時期に取得をするなんてクレイジーだ」と感じたのですが、後から振り返るとロジャーズ氏が言っていた時期が底値圏だったのです。ワクチンニュースが出てからは急上昇しました。ハイテク株だけでなく、バリュー株と言われる伝統的な株に関しても、株価は上昇傾向です。

■過熱相場は続くが、バイデン大統領は市場にマイナス

 ただし、ロジャーズ氏は「過熱した『バブルの末期』には暴落が待っている」とも指摘します。

 「相場過熱時には勢いで買いが入り、上昇しているというだけで買ってしまう人も出てくる。歴史をさかのぼれば、この買い方が功を奏したことは稀だ」

 現在、ビットコインなどは「上昇しているから」という理由だけで購入をしている投資家も多いわけですが、ロジャーズ氏はハイテク株の取引と同様に、一部の敏腕のトレーダーを除いては、こうした投資方法は賢い手法ではないと断言します。

 なぜなら、投資で成功をするのはシンプルで、安く買って高く売るだけだからです。ビットコインのように、すでに高くなっている投資対象にわざわざ投資をする必要はありません。

 「現在、バブルが弾ける前の過熱相場の症状は見事にそろっている。2020年8月の相場などはまさに典型的なものだった。しかし過熱相場はまだ序の口で、これから続くと思っている」と指摘しています。

 いよいよ1月20日にはアメリカでジョー・バイデン氏が新しい大統領に就任、新政権がスタートします。ロジャーズ氏はどう見ているのでしょうか。

 「市場にとって、バイデン氏は好ましくない。しかも、アメリカは久しく、長期のベア(弱気)相場を経験していない。このような状態は過去に例がない。つまり、今は、来るべきベア相場が大幅に遅れている状態であり、もしそれが到来したときには、私の人生で経験したことのないような最大級のものになるだろう」

 ロジャーズ氏は続けます。

 「ドナルド・トランプ氏なら、それを遅らせる舵取りをするだろうが、バイデン新政権下では1~2年のうちにベア相場が訪れることもありうる。歴史的に見ても、大統領選で支出が多くなった翌年は、何もなくても景気が冷え込むことが多い。要注意だ」

 直近こそ株価が上昇して儲かっている人も少なくないかもしれませんが、資産運用が非常に難しい局面であることに変わりはありません。そんななかでロジャーズ氏は「『今のトレンドで最も割安な金融商品は何か』と聞かれたら、商品だと答える」「2021年以降は、買うなら断然商品のほうを買いたい」と言います。

 ロジャーズ氏は以前から繰り返し「金と銀は株式相場が大崩壊するときに保険としてポートフォリオを守ってくれるので、誰しもが持つべきだ」と指摘していますが、これからは農業やエネルギーなどに関連した商品に注目すべきだと言うのです。「長期的に見れば、商品ほど儲かっている資産は少ない」という理由からです。

 「拙著『商品の時代』の中でも述べたが、株式と商品の価格変動には、逆の相関がある。チャートを見れば、18年程度のサイクルで両者が変化していることがわかるだろう」

 つまり、たとえ株式相場が行き詰まってしまったとしても、商品相場で儲けることが可能だと言うのです。もし株式と商品と両方に投資をすることができれば、武器を2つ持っていることになると言います。

 「商品」というと、よく大失敗をした人の話がセンセーショナルに伝えられるので「とんでもない」と思われがちです。しかし現在はETF(上場投資信託)やインデックスファンドにもなっているので、先物取引ができない人でも、比較的簡単に投資ができると言います。

■強気相場ではなく、弱気相場を追いかけよ

 ロジャーズ氏は投資で成功する秘訣は次のことだと言います。

 「私が投資家として成功したのは、いつもブル(強気)相場ではなく、ベア相場を追いかけてきたからだ」

 「成功をするための秘訣としては、常に割安な対象を自分で調べて見つけ、よい変化があったら投資をし、機が熟して上昇するまで辛抱強く待つことだ」

 2021年は波に乗りながらも、ポートフォリオ(所有資産)に「保険」をかけるなど気をつける必要がありそうです。

 例えば下落時に利益を得ることができるプットオプションを利用したり、高くなりすぎている資産にを少し売却して、割安な資産になっている商品などを加えて分散投資をするなどといった手法が考えられます。

 ロジャーズ氏の教えは、大海を航海するうえでのコンパスのような存在です。資産運用や世界の流れを読むうえで、皆さんの手助けになれば幸いです。

東洋経済オンライン

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最終更新:1/6(水) 9:01

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