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史上最高値更新で注目のインド株ファンド、中国上回る成長期待だが運用成績には格差

1/6 18:51 配信

モーニングスター

 インド株式の代表的な株価指数であるSENSEX指数(30種)は、2020年末を史上最高値で越年し、2021年に入ってからも6日まで連日、最高値を更新し続けている。株高の背景にあるのは、コロナ禍からの復調による経済回復期待。昨年11月に史上最高値を更新して以来、外国人投資家の旺盛な買いによって株価が押し上げられている。国内公募投信(ETF、DC・SMA専用を除く)でインド株式を主たる投資対象にしているファンドは31本で、残高の合計は8583億円になる。最も新しい「東京海上・インド・オーナーズ株式オープン」は、2020年4月8日の設定で、基準価額は1万5000円を超え、昨年来の株高の恩恵をストレートに享受している。中国と並ぶアジアの大国であるインドに改めて注目したい。
 

 国内のインド株式投信で、最も設定日が古いのは「イーストS・インド株式オープン」で設定日は2004年9月30日、同年11月30日に「HSBCインドオープン」、同12月20日に「ドイチェ・インド株式ファンド」が設定された。ちょうど、この当時は、ゴールドマン・サックスが使い始めた「BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)」という言葉が市民権を得て、米国や日本、イギリスなど先進国を凌駕するほどの経済大国になる新興国として「BRICs」が輝いていた。インド株ファンドが積極的に設定されたのも2000年代だ。現在の31本のうち、20本までが2009年末までに設定されている。
 

 BRICsに共通するのは、広い国土と多くの人口、そして、豊かな天然資源を背景に長期的に発展が期待されるということだが、その中で、一歩先んじて成長を遂げたのが中国だ。特に、リーマンショック後に4兆元(約60兆円)の大型経済対策を打ち出して、世界経済を回復させるエンジンとなり、今では、アメリカも強烈に意識するほどの経済大国になった。そして、中国の株価は、その成長を評価して大きく上昇した。2015年にはチャイナショックと呼ばれる株価の大暴落もあったが、それも克服し、2004年末から2020年末を比較すると、MSCI中国(配当込、円ベース)は6倍超になった。この中国と比べると、残るBRICs3カ国は、2000年代に期待されたほどには、経済が成長したとは言い難い。
 

 インド株式の株価(MSCIインド、配当込、円ベース)を2005年から振り返ってみると、リーマンショック後に中国と歩調を合わせて順調に値上がりをしたものの、チャイナショック後は、中国株価がチャイナショック前の水準を大きく上回って上昇したにもかかわらず、インド株価はチャイナショック前の高値をなかなか抜くことができない状態が続いていた。昨年末の株価上昇で、ようやく過去の高値を抜け出した。ただ、過去の高値を抜けたとはいえ、2004年末比では4倍超の水準だ。6倍超になった中国と比較すると、まだまだ大きな差が残っている。
 

 インドと中国を比較すると、2027年には国連の推計でインドの人口が中国の人口を上回ると予測されている。中国の人口は、現在は14.34億人を数えて世界トップだ。現在13.66億人で世界2位のインドが2027年には中国を抜いて世界トップになると予測されている。しかも、中国の人口は徐々に減少していくとみられる中、インドは人口が増え続け、2100年には中国の人口が11億人に対し、インドは15億人と大きく水をあけることになると予想されている。しかも、インドでは、全人口に占める15歳~64歳の生産年齢人口の比率が2050年にかけて上昇し続けることが予想されている。「人口ボーナス」といわれる経済成長が促進される状態が長く続くことになる。
 

 当面のインド株式市場の見通しについて、インド株ファンドを出している運用会社各社の見方は強気だ。HSBC投信は今年1月5日に出したレポートで、「当社は中長期的にインド株式市場に対する強気の見方を維持している。インド経済の成長ポテンシャルは高く、構造改革の進展から、長期的に成長率は高まると見られている。与党インド人民党が安定した政治基盤のもとで高成長・構造改革路線を継続すると見込まれることも、株式市場にとり強力なサポート要因となる」との見方を示している。
 

 また、野村アセットマネジメントも、インド株ファンドで最大の純資産残高を有する「野村インド株投資」の最新の月次レポートで「2020年のインド企業の1株当たり利益成長率は10月末時点の前年比マイナス0.2%から足元でプラス3.5%(市場予想ベース、11月末時点)に上方修正され、2021年のそれはプラス27.3%と大幅な改善が予想されていることから、中長期の投資機会にあると見ています」との見方を示している。
 

 ただ、インド株ファンドは、ほとんどがアクティブ運用のファンドであり、そのパフォーマンスに大きな差異があることには注意を要する。2020年11月末基準で、過去1年間のトータルリターンは、マイナス12.32%からプラス11.70%までの差がある。過去3年間(年率)でもマイナス16.38%からプラス5.02%の差がある。市場環境が好転し、今後の中長期的な成長期待も大きいことから、これからのパフォーマンスに期待が高まるインド株ファンドだが、運用力の劣るファンドを選んでしまうと、期待ほどには収益が上がらなかったという結果にもなりかねない。投資にあたっては、各社が出している各種資料を参照のうえ、慎重にファンドを選びたい。(グラフは、2004年末を10000として2020年末までのMSCI中国とMSCIインドの比較)
 

モーニングスター

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最終更新:1/6(水) 18:51

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