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「世界で一番強いカニを決めるゲーム」の世にも奇妙で不思議な魅力

11/29 5:51 配信

東洋経済オンライン

物心ついたときからゲームと付き合い続けてきた筆者が、その長いゲーム歴から最新作から過去の名作までを掘り起こして語り尽くす本連載。今回取り上げるのは、カニやヤドカリ、エビが「最強の甲殻類」を目指して戦うゲーム『カニノケンカ -Fight Crab-』(対応機種はNintendo Switch、STEAMなど)。小品ながらネット上ではコアなファンが多い同作を筆者はどう評したのか? 
 今回取り上げるのは今年7月に発売した『カニノケンカ -Fight Crab-』だ。なお、本作は海外展開もしており、海外版のタイトルは『Fight Crab』である。Fight Crab……ファイトクラブ……ブラピ? 

 まぁそれはともかく、このゲームは某ハリウッド映画とはまったく関係のない対戦格闘ゲームだ。戦うのはタイトルのとおり「カニ」。ヤドカリやエビもいるので、実際には甲殻類だが。

 プレーヤーはカニとなって戦い、「最強のカニ」を目指すのである(なんだ最強のカニって? )。

■カニがリボルバーやショットガンをぶっ放す

 ルールはシンプル。相手のカニをひっくり返し、3カウント以内に起き上がらなければ勝ち。ひっくり返すためにはダメージを与えなければならない。格闘ゲームによくある体力ゲージが0になるとひっくり返るわけではなく、蓄積されたダメージが100%を越えるとひっくり返りやすくなる。「スマブラ」のシステムに近い。

 普通のゲームのようにコントローラーで操作できるが、できることならNintendo Switchのジョイコンを使っての操作をおすすめしたい。右のジョイコンを振れば右パンチ。左のジョイコンを振れば左パンチと、カニになりきって両腕を振り回すことができる。

 手先でちょこちょこ動かすのではなく、肩から大きく手ごとジョイコンを振り回せば、気分はもうカニそのもの。肩こり解消にもつながるので一石二鳥だ。

 さらにプレーヤーのカニはハサミを使って、武器を扱うこともできる。武器のバリエーションはさまざま。振り回しやすい剣や、相手をたたきのめすのに最適なバットにバール、鎖の先に鉄球がついたフレイルや、遠くの相手を突けるランス、投擲武器の手裏剣やブーメラン、やや反則的なリボルバーやショットガンなど、多くの武器を駆使しながら戦い合う。

 果てはアザラシまで武器になる。

 プレーヤーが操作できるカニの種類も豊富だ。23体のカニはそれぞれにスピードや、ひっくり返りづらさなどのパラメータが異なる。また、カニごとに関節の可動範囲や腕の大きさが違うため、武器の使い勝手もそれぞれ大きく変わってくる。

 例えば右腕のハサミが異様に大きく、左腕が小さいシオマネキの場合、武器をどちらの手で持つかで、戦い方が大きく変わる。カニと武器の相性が悪いとまるで使いものにならず、なすがままに攻撃を受けることもある。そのため操作するカニの特徴はきちんと把握しておきたい。

 カニはパラメータを強化することで、少しずつ成長する。とくにスタミナは武器を保持して有利に立ち回り続けるために必要なので、積極的に伸ばしたほうがいい。

 ただし、武器やカニを買うにも、パラメータを強化するにもファイトマネーが必要だ。ファイトマネーはキャンペーンモードの敵を倒すことで手に入る。最強のカニになりたければひたすら戦いを繰り返すしかないのである。

■意外にも奥深いカニの殴り合い

 さて、肝心のプレーした感想だ。リアルなカニ同士がさまざまなステージで暴れまくるという「どう見てもバカゲー」なので、プレーする前は友達と対戦すると盛り上がるけれども、1人プレーには向かない大味なパーティーゲーム的なものだと思っていた。

 実際、カニたちは思いどおりに動いてくれないし、最初の頃は落とした武器を拾うのだって一苦労。しかし、プレーしていくうちに細かなテクニックを覚えれば、1人でも楽しめることがわかってきた。

 筆者はヒット&アウェイで戦うことに決めた。まずは、しっかりと相手に刃先を当てることでちゃんとダメージを稼ぐ。一方でガードするべきときはしっかりとガードする。

 両腕それぞれに設定されているスタミナが切れると、武器を落としてステゴロ(素手)になってしまう。だから、攻撃をむやみには繰り返さず、スタミナ管理にも気を配る。

 もしステゴロになってしまったら、慌てずスタミナ回復を待ってから反撃ののろしを上げる。落ちている武器を拾って、相手が自分の間合いに入り込んだら、えぐりこむように打つべし、打つべし、打つべし。このくらいのことを一気にできるようになれば、キャンペーンの難易度ノーマルクリアは決して難しくない。

 バカゲーっぽい印象をまといながら、実は細かなテクニックが必要で、プレーするごとに少しずつ自分の成長を実感できる。『カニノケンカ』はそんな良ゲーである。

■今後に期待したい

 だが、いかんせんまだ世間にはあまり知られていない。対戦格闘ゲームはやはり対人戦を楽しめてこそである。

 かつて『ストリートファイター2』が一世を風靡していた頃、ゲーム業界には2匹目のドジョウを狙えとばかりに、大量の類似ゲームが生み出された。そしてその大半は知られることなく、ひっそりと消えた。そうした二番煎じのゲームの場合、いくら良作でもプレーヤー人口が少ないため、魅力が広まる前に廃れていく運命にあった。

 今のゲーム業界でも、やはりニッチなゲームはすぐに消えてしまう。だが、当時と今では違うことが1つある。それはインターネットを介して、通信対戦を行うことができるという点だ。

 もしコアなゲームファンが『カニノケンカ』をプレーし続ければ、その面白さや奥深さは少しずつ広まっていくかもしれない。これから続編が発売されたり、『カニノケンカ』ブームが来た際には「ああ、『カニノケンカ』はかなり前からプレイしているよ」なんて言えるようになってほしいと思わされる、妙に印象的なゲームであった。

東洋経済オンライン

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最終更新:11/29(日) 5:51

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