マザーズ指数が狭いレンジでの推移を続けている。75日移動平均線に下支えされているものの、上値は重く、物色の勢いもない。日経平均株価は歴史的な高水準で推移するものの、新興市場は相対的に弱い展開が続いている。IPO(新規上場)が年末ラッシュのブックビルディング期間に入ることもあり、需給状況は一層悪化傾向にある。
米国株が最高値を追い、日経平均株価も29年ぶりの高値水準に到達する中、国内の新興市場だけが停滞を続けている。値動きを好む資金が新興市場に見切りをつけているようで、短期的な売り需要が一巡した後も値動きは鈍い。IPOでは目下、12月の上場ラッシュに向けたブックビルディングが始まっている。資金拘束を伴うだけに、マザーズ銘柄を売ってIPO参戦の資金を手当てする動きも出てきているようだ。
来週もこの需給構造は変わりないため、主力級銘柄は方向感なく、高安まちまちとなる日が続くとみる。継続的な買い対象となる銘柄が少ない中で、JTOWER <4485> やミンカブ・ジ・インフォノイド <4436> 、小型では松屋アールアンドディ(松屋R&D) <7317> など、上昇指向を続けている銘柄は貴重。直近IPOではカラダノート <4014> やトヨクモ <4058> あたりの値動きをマークしておきたい。
IPOは以前ほどの熱狂ぶりはないものの、短期資金の受け皿としては優秀。来週は東証2部へのバリオセキュア <4494> (情報通信)のみの上場であるため、今週上場銘柄のセカンダリー(流通市場)のほうに参戦妙味がありそうだ。(小泉健太)
提供:モーニングスター社
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最終更新:11/28(土) 8:08
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