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コロナで激変の「住宅問題」、政府がやっと本気を出そうとしている…!

11/28 8:01 配信

マネー現代

(文 山下 和之) 在宅勤務が定着し、ポストコロナになってもその流れが継続されることになりそうだ。それを受けて、国も在宅勤務を支援する補助金制度の充実を図る。

 2021年の政府予算や税制改正には、在宅勤務対応のリフォームや地方移住を促進する新たな補助金などが盛り込まれる公算が高くなっている。2021年は在宅勤務対応進めるチャンスの年かもしれない。

在宅勤務対応リフォームに最大100万円

 日本の住宅のほとんどは、住まいのなかで仕事をすることが前提にはなっていない。そのため、在宅勤務が増えた人たちにとっては、ワークスペースの確保が難しい問題になっている。

 同時に、主婦や子どもたちも外出しにくい環境なので、家族全員の在宅時間が長くなって、それぞれの居場所の確保がままならず、それが家族関係をギクシャクさせたり、トラブルに発展したりしかねない。

 それをどうして解決するのか、政府の本格的な取り組みが始まろうとしている。

 まず、2021年度予算で、在宅勤務対応のためのリフォームに関して、新たな補助金制度を実施する検討を始めている。順調に進めば、12月半ばか後半にまとめられる2021年度予算案、税制改正大綱などに盛り込まれて、2021年度から実施されることになる。

 詳細はまだ公表されていないが、リフォームにかかる費用の3分の1、1戸当たり100万円まで補助することになりそうだ。

耐震化・省エネ化などの工事が必要に

 現在明らかになっている情報としては、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の一環として実施することなりそうで、その場合には、在宅勤務対応のリフォームだけではなく、耐震化、省エネ化、劣化対策の工事などを、あわせて行う必要がある。

 また、工事前にインスペクション(建物の現況調査)、工事履歴と維持保全計画などの作成が求められることになる。

 少し手続きが面倒になりそうな可能性もあるが、願わくば、できるだけ簡単に申請、取得できるような制度にしていただきたいものだ。

 とはいえ、最大100万円のリフォームは十分に魅力がある。対象となる工事としては、増築、防音対策、間仕切りの設置などが想定されるが、100万円あればかなりの対策が実現可能になる。

簡単な間仕切りなら15万円で可能に

 たとえば、リビングや広めの居室に間仕切りを付けて、半ば独立した仕事スペースとする場合には、ホームセンターでアコーディオンカーテンを購入して設置できるだろうし、パーテーションタイプの間仕切り設置も考えられる。自分で工事すれば15万円~20万円で可能だろうし、工事業者に依頼しても、50万円以下でできるだろう。

 防音対策も最近は住宅メーカーやリフォーム会社がさまざまな提案を行うようになっているし、楽器メーカーが販売している防音室や事務用品メーカーのワークブースなどを設置する手もある。ソロワークスペースなら15万円から40万円程度で販売されている。

 ただ、本格的な防音のために壁材や遮音性能の高いサッシに入れ替えたりすると、100万円ではすまなくなるかもしれないが、リフォーム補助金を利用できるようになれば、負担の軽減を図れる。

木の箱で間仕切りやワークスペースをつくる

 在宅勤務のためのワークスペースの確保や、間仕切り機能を果たせるリフォーム商品も増えている。たとえば、三菱地所グループで、注文住宅やリフォームを手がける三菱地所ホームが、「箱の間」を提案している。

 写真にあるような木材でつくった箱を間仕切りにしたり、そこにテーブルを組み合わせて半ば独立したワークスペースをつくりだしたりできる。テーブルを組み合わせたタイプが67万円で、棚板などをつけたタイプが62万円(ともに税抜き)となっている。

 電源用の穴がついているので、照明やパソコンなども使用できる。また小窓の付いたタイプもあり、間仕切りの役割を果たしながら、家族がいま何をしているのかなど、子どもたちの動きを見守れる安心感もある。

地方での起業・移住に補助金が出る

 いまひとつ、在宅勤務の増加によって通勤時間をさほど気にしなくてもよくなったため、郊外が人気になり、なかには、思い切って地方に移住する人もいる。そうした人に対しても、2021年からは補助金制度が拡充される見込みだ。

 現在でも、図表1にあるように東京一極集中を是正するため、地方創生起業支援・地方創生移住支援事業が実施されている。

 東京などから地方に移住して地元で就職する人には100万円、起業をする人に対しては200万円の補助金があり、移住して起業すれば合わせて300万円の補助金になる制度だ。

 この対象が2021年から拡充される方向で検討が進められている。

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図表1 地方創生起業支援事業・地方創生移住支援事業の概要
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東京で勤めながらの移住もOK!

 この移住支援金、現在の制度では、地方に移住して、そこで就職、起業することが条件だが、2021年からは東京の会社に勤めながら地方に移住する人も対象になる見込みだ。

 在宅勤務が前提であれば、地方に移住しても東京にある会社の仕事を続けることが可能になるケースもある。現実に、著者の知り合いのなかにも、コロナ禍を機に実家のある仙台市の近くに移住して、東京での仕事を続けている人もいる。

 2021年からは、そうした人たちも「地方創生移住支援金」の対象になる。東京の会社に勤めながらの移住といっても、引越し費用や住宅の手当など、さまざまな費用がかかるため、ためらっている人もいるだろうが、この制度が実施されれば、そうしたお金の不安の一部が解消され、地方への移住の促進になるかもしれない。

 お金の問題と同時に地方への移住に当たってのいまひとつのネックが仕事の確保だから、東京の会社の仕事を続けられれば、移住促進効果は大きいかもしれない。

実は首都圏の市町村でも対象に?

 この制度で注目しておいていただきたいのが、先の図表1の3の(2)の「【移住先】東京圏以外の道府県または東京圏内の条件不利地域への移住者」という項目。この条件不利地域としては、図表2の市町村が含まれる。

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図表2 首都圏の条件不利地域
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 各自治体が移住者への支援事業を行っていることが条件なので、すべてが該当するわけではないが、たとえば埼玉県の飯能市はホームページで「東京圏から飯能市への移住・就業で『移住支援金』を給付します!」としている。

 現実的には東京都心の本社に所属して、毎日通勤している人がいるような市町村でも対象になるので、こうした市町村への引越しなら、「地方移住」と深刻になる必要はないかもしれない。それでいて100万円の補助金をもらえるのなら、これほどありがたいことはないだろう。

移住するなら十分な調査を

 そうではなく、まったく土地勘や地縁のない地方に移住する場合には、住まいの確保が重要な問題になる。

 具体的には、土地を買って家を建てる、新築の分譲住宅や中古住宅を買う、賃貸住宅を見つけて住む――などの方法が挙げられるが、見知らぬ土地であれば、まずは賃貸住宅に住んで地元の事情を見極めるのが安全だろう。

 以前、著者が取材した経験からいえば、「住まいを買ってから移住したけれど、どうしても馴染めずに、結局ただ同然で売って、東京に戻ることになってしまった」とか、「安いと思って買った土地が、住んでから以前はごみ捨て場だったことが分かった」などという事例もある。

 いきなり、買ってしまうのではなく、トライアルとして住んでみて、「ここなら住めそう」「続けて働けそう」といった自信を持てるようになってから、住まいの購入を考えても遅くはないだろう。

 特に、分譲住宅などは東京圏に比べて物件数が限られているので、ジックリと探すほうが満足できる住まいの発見につながるはずだ。

マネー現代

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最終更新:11/28(土) 8:01

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