■政治の混乱は回避か。バイデン新大統領誕生へ
米国の政治関係では、先週(11月16日~)からさらに進展がありました。トランプ大統領も、米大統領選の結果はまだ、正式には受け入れていないものの、大統領実務の引き継ぎには応じたため、バイデン氏の組閣などが進んでいます。
これで、米国ではさほどの混乱なく、来年(2021年)1月に、バイデン新大統領が誕生することになりそうです。
■NYダウ、3万ドルの大台に到達
政治の混乱が回避されそうだということが、米国経済にとってマイナスであるはずはありません。
NYダウは、初めて3万ドルの大台に達しました。
株価の上昇には、ファイザー社、モデルナ社などの、新型コロナワクチンの開発が順調で、12月にも接種が開始されるとの見通しも、一役買っているのは言うまでもありません。
■官製相場の株式市場は当面、崩れない!
ここで、もう一度、強調しておきたいことがあります。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界経済は大きく落ち込んでいます。企業業績も、一部の業種を除いては、大きく落ち込んでいます。それにも関わらず、株価が上昇していくのは「常識としておかしい」、「いずれ暴落する」――こういう意見が、市場関係者の一部では依然として根強く残っています。
しかし、私は、そうは思いません。
それは、これまで説明してきたとおり、これは政府、中央銀行が、異常な金のばらまきをしたことによる官製相場だからです。そして、政府、中央銀行が、この方針を変更する予定は、今のところまったくないということです。
1年後、2年後に、暴落が起きるかどうかは、正直、神のみぞ知ることです。しかし、数カ月単位で考えたとき、とてもそういった混乱が生じるとは、考えづらいと思っています。
■円安傾向が緩やかに続きそう
その前提で、今後のことを考えると、やはり、株価の堅調はまだまだ続き、そして、外国為替市場では円安傾向が緩やかに続く、ということではないでしょうか。
実際のところ、足元の1週間を見ると、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円などを中心に、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の上昇が顕著です。
ただ、ここ2カ月間ほどの中での高値を更新しているわけではありませんので、勢いはそれほどでもありません。
おそらく、これからも、一方的に上昇していくようなトレンドはできないと思います。ジグザグ運動を繰り返しながら、徐々に時間をかけて円安に向かっていく、というイメージではないでしょうか。
作戦としては、やはり、クロス円でのロング(=買い)ポジションを中心にしておきたいところです。
■米ドル/円、103円台があれば買っておくのが良さそう
米ドル/円は、動きが鈍くなってしまっており、なかなかやりにくい状態です。
しかし、全体が円安傾向のとき、米ドル/円が下落していくという展開は考えづらいので、これも、基本的には押し目買いを狙っていくのが良いと思います。103円台があれば、買っておけば良いのではないでしょうか。
ユーロ/米ドルは、1.19ドル台が非常に重要なポイントです。
ここを上に抜けて、1.20ドル台に乗ると、さらなる上昇の可能性が、チャート上では出てきます。1.19ドル台で失速すると、また、レンジの中に戻っていくと思います。よく見極めてからトレードに入った方が、良いのではないかと思います。
英ポンドは、英国とEU(欧州連合)の交渉の行方がよく見えませんので、様子見です。
ザイFX!
最終更新:11/26(木) 17:01
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