IDでもっと便利に新規取得

ログイン

ふぉーかす イエレン次期米財務長官はドル高抑制?

11/25 9:30 配信

トレーダーズ・ウェブ

 11月19日、バイデン次期大統領は、次期財務長官を決めており、26日の感謝祭の後に発表すると述べていた。バイデン次期大統領は、リベラル派のハリス上院議員を女性初の副大統領に指名し、第78代米財務長官候補として、初の女性財務長官となるブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、イエレン第15代FRB議長、ウォーレン上院議員の名前が挙がっていた。

 ウォーレン上院議員は、2020年の米大統領選の民主党候補指名争いから離脱したものの、バイデン氏は政策課題についてウォーレン氏の意見を仰いでおり、ウォーレン財務長官の可能性が高まりつつあった。ウォーレン上院議員は、2008年の世界金融危機を受けて、米消費者金融保護局を考案するなど、金融規制強化の急先鋒であり、ウォール街にとって最も好ましからざる財務長官候補だった。財務長官を承認する米上院で共和党が50議席を確保し、来年1月のジョージア州での決選投票(2議席)次第では、共和党が多数派を占める可能性があることで、急進左派のウォーレン上院議員は外されたと報じられている。

 ブレイナードFRB理事は、トランプ第45代米大統領が任命したFRB理事が多数派となったFRBの中で、唯一オバマ第44代米大統領が任命したリベラル派であり、「ゴルディロックス」(適温)候補と見なされていた。リベラル派のブレイナードFRB理事は、2019年、銀行の自己勘定取引を制限する「ボルカー・ルール」について、大手銀行の順守基準を緩めることに反対し、銀行による差別的な疎外から低所得層を守る「地域再投資法(CRA)」の改革も主導した。また、為替政策では、ドル高抑制論者であり、金融政策ではハト派だった。

 報道によると、バイデン次期大統領の関係者がブレイナードFRB理事に対して、FRBに留まるべきだと伝えたという。パウエル第16代FRB議長の任期は2022年までなので、第17代FRB議長への路線が敷かれつつあるのかもしれない。

 11月23日、バイデン次期大統領が、リベラル派のイエレン第15代FRB議長を次期財務長官に任命する意向と報じられた。FRB議長から財務長官に転身した人物は過去に1人、カーター政権下でのミラー第11代FRB議長(1978-79年)、ミラー第65代財務長官(1979-81年)しかいないが、劇的な政策変更が必要な局面で決断ができなかったことで、失格の烙印が押されている。

 イエレン第15代FRB議長は、サンフランシスコ連銀総裁時代に、カリフォルニアの金融機関に対してサブプライムローンの拡大を推奨した。FRB副議長となり、サブプライムローンを推奨していたグリーンスパン第13代FRB議長とともに、住宅バブル崩壊後の後始末に奔走している。

 FRB議長としては、インフレ高進のリスクを踏まえても失業率を引き下げる戦略を志向するハト派だったものの、インフレ率が低迷していたにも関わらず、5%前後の失業率は物価上昇を引き起こすとの観点から、計5回の利上げを実施しており、失策だったと批判されている。

 イエレン第15代FRB議長は、雇用関連指標を重視しており、「イエレン・ダッシュボード」を通して、失業率を注視していた。さらに、1970年代の高インフレの時代に棄却されていた「高圧経済(high pressure economy)」を容認するスタンスを示していた。すなわち、多少の期間、インフレ率が目標値2.0%を上回っても利上げしないで、財政刺激策などで経済の過熱状態を保つ、というスタンスである。

 パウエル第16代FRB議長は、FRBの2大使命「雇用の最大化と物価の安定」の内、雇用を重視し、2%以上のインフレ率をある程度容認するスタンスを表明しており、イエレン第78代米財務長官が誕生した場合、財務省とFRBの政策協調が期待できる。

 昨年の夏、イエレン第15代FRB議長とパウエル第16代FRB議長は、米国経済がリセッション(景気後退)に陥ることはないと楽観視していたが、2020年2月にリセッションに突入しており、両者の景気見通しには、疑問符がつくのだが。

 (為替情報部・山下政比呂)

トレーダーズ・ウェブ

関連ニュース

最終更新:11/25(水) 9:30

トレーダーズ・ウェブ

投資信託ランキング

Yahoo!ファイナンスから投資信託の取引が可能に

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング