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米ドル/円は上下どちらに抜けても大きなトレンドに! 行方は「神のみぞ知る」か

11/21 14:01 配信

ザイFX!

■相場は分岐点。米ドルは下げ一服?  さらに大幅に下落? 
 相場は分岐点に差し掛かっている。米ドル全体も米ドル/円も、このまま下げ一服を果たすか、それとも続落し、さらに大幅に下落余地を拡大するか、そろそろ明白になってくるかと見る。

 もっとも、ゴールドマンサックスやシティーバンクを含め、ウォール街の有力筋の多くは米ドルの一段安を見込み、来年(2021年)、さらなる大幅安ありと見込んでいる模様だ。

 米ドル安の根拠は、やはりコロナ対策として、FRB(米連邦準備制度理事会)の前代未聞の超金融緩和や、米政府による戦後最大規模の財政出動、つまり米ドルのばら撒きがもたらした米ドル供給超過が挙げられている。

 しかし、その理屈がこれから通用するかどうかは、実は言われているほど単純ではない。

■「米ドルのばら撒き=米ドル安断定の根拠」とはならない
 なにしろ、今の相場の雰囲気は、為替に限定する前提で言うなら、2008年リーマンショック後と似ているかと思う。

 リーマンブラザーズ証券の破綻は2008年の出来事で、その後、FRBによる前代未聞の大規模QE(量的緩和策)が3回(4回との見方もあり)も実施されたものの、ドルインデックスに想定された「底割れ」は生じなかった。

 ちなみに、ドルインデックスの安値は2008年4月にすでに出現しており、2011年5月の安値がそれに接近していたものの、それ以上の米ドル安の進行はなかった。このあたりの話は、本コラムにて何度も取り上げているので、ここでは重複を省く。

 当時、ウォール街も巷も、猫も杓子も米ドルの一段安を見込んでいた。理屈として子どもでもわかるほど単純だっただけに、大半の市場参加者に確実視されたわけだ。

 しかし、市場の本質は「先を行くこと」、そして「不確実性を伴うこと」にあるから、万人に受け入れられるロジックが、そのまま通用しなくなるのも自然の成り行きであろう。今回も、あまり確信を持たない方がよいかと思う。

 要するに、猫も杓子も同じ方向を、そして、皆が自信満々で同じ方向を張る相場ほど落とし穴がある。これも相場の真実の1つなので、今さらあれこれの事例を持ち出さなくてもおわかりいただけるかと思う。

 米ドルのばら撒きがあった、また、これからもばら撒かれる可能性が大きいからと言って、必ずしも、米ドル安を断定できる根拠になるとは限らないことを強調しておきたい。

 相場は「理外の理」、そして、相場のことは相場に聞くしかない。ゆえに、現時点において、米ドル安の進行が続いていることは事実なので、あくまでトレンドフォローの視点なら、一段の米ドル安を見込むこと自体、まったくは問題ない。

 しかし、米ドルがばら撒かれているから米ドル安が続くといった理由で、ウォール街の大物がリスクの許容範囲を超えた大きなポジションを取るなら、やはり適切とは言えず、どこかで矛盾を抱えるかとも思う。

■米ドル/円の上昇サインは、まだ点灯している
 米ドル/円について、目先、また104円の節目を割り込み、深押しの様子を示しているが、先々週(11月2日~)の足型が、実はサインを点灯している。

 同サインを否定しない限り…すなわち、先々週(11月2日~)安値103.19円を割り込まない限り、なおサインは効いている可能性がある。

 この見方について、筆者が11月11日(水)に配信したレポートをもって説明したい。本文は、以下のとおりだ。

 3月安値をもってドル/円は2015年高値を起点とした大型保ち合いを終焉させ、また同安値からすでに長期スパンにおける上昇波を展開されたことは我々のメインシナリオだった。従って、3月高値を起点とした反落、継続されてきた、また拡大され延長されてきたものの、基本的には最初の押し(調整)と見なしたので、波動論における性質(最初の押しが深くなる傾向にある)にも合致した。

 しかし、先週の急落で見られたように、安値更新しただけではなく、米株高でも円が買われ、所謂「リスクオンの円高」の可能性が示唆され、シナリオの修正が迫られ、一時にせよ、3月安値のトライや更新も覚悟していた。最悪の場合はメインシナリオの修正にもつながるから、苦慮せざるを得なかった。

 しかし、ワクチン開発成功の報道で状況は一変され、一段株高に続いてドル/円の大きな切り返しも見られ、従来の「リスクオンの円安」の方向へ復帰、メインシナリオが復帰された根拠として無視できない。円安の確認、クロス円における円売りでも確認され、また同時進行でドル全体の下落一服の兆しも見られた。これはほかならぬ、「リスクオンのドル安」の一服、また修正される前兆なので、円の大幅続伸の余地がまた限定されたとみる。

 週足でみると、現在のレートをもってすでに先週の高値を上回り、仮にこれから波乱があっても今週陽線で大引けすることは否定されないでしょう。となると、先々週の下放れ自体が大きな「ダマシ」のサインと化し、却ってこれからメイン抵抗ラインのブレイクを促進する存在となる。同サインの詳しい検証はまた行いたいが、目先まずその意味合いに注目、従来のスタンスへの復帰を念頭におきたい。

 このような見方は、今週(11月16日~)、米ドル/円の再反落で、また揺さぶられている。しかし、前述のように、安値更新さえ回避できれば、実はサインとして、なお効いているから性急な判断を避けたい。

 この意味では、分岐点に差し掛かり、そろそろ、より鮮明なサインが点灯するのではないかとも思う。

■米ドル/円は、上下どちらへ抜けても大きなトレンドに
 もっとも、標準偏差の概念をもって米ドル/円の値動きを見ていると、上は105.50円前後、下は103.50円前後の変動レンジが維持されるなら、小康というか、保ち合いの相場の一環と見られる。

 ただし、米ドル/円は弱含みでありながら、ドルイデックスに比べ、総じて保ち合いの状況を長く続けてきたから、どちらかへの突破を果たすと、今度こそ大きなトレンドの推進が見られる可能性は大きい。

 この意味合いでは、安値更新があれば、一転して円高の余地が拡大し、3月安値へ再接近もあり得る。

 しかし、前述の理由から、安値を割らない限り、徐々に105.50円へ戻っていく確率も低くはない。五分五分の確率だと思う。

 今後のトレンドは、今、流行りの言い方をすれば、「神のみぞ知る」かもしれない。市況はいかに。

14:00執筆

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最終更新:11/21(土) 14:01

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