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「10分でポテサラ完成」料理研究家が明かす“世界一簡単な調理法”

10/31 16:01 配信

東洋経済オンライン

夫婦共働きが当たり前になったいま、「料理は女性がするもの」という考えは見直されつつある。だが、依然として料理をしない派の男性は多い。本稿では、ツイッターフォロワー25万人、最新刊『ジョーさん。の神速うまレシピ』を発売したばかりの料理研究家のジョーさん。が、日本人が料理に抱く偏見とアップデートの必要性について解説。併せて、最終ページでは「10分でポテサラを作る秘技」をお届けする。

 今年7月、スーパーの惣菜コーナーでポテトサラダを手にしていた女性に対し、高齢男性が「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と言い放ったとされる目撃ツイートが物議を醸しました。あまりの盛り上がりに、テレビのワイドショーでも取り上げられたほどです。

■「ポテサラ論争」に抱いた違和感

 この「ポテサラ論争」に関して、私は無言を貫きました。炎上を恐れたからではありません。「主婦の気持ちを考えろ!」と怒るのは簡単です。「料理は手抜きしていいんだよ」と主婦をフォローするのも、料理研究家の役割として間違ってはいません。けれど、それだと何の解決にもならないと思ったからです。

 この件で私が言えることは、「料理、やってみれば?」という一言に尽きます。奥さんが手抜きしてると思うなら、文句を言う前に一度台所に立ってみればいい。実際に料理をしてみて「意外に楽しい!」と思うなら続ければいいし、「やっぱり無理!」と感じたら、二度と奥さんに文句を口にしなくなるはずです。やったこともないのに、「料理はこうあるべきだ」と御託を並べるのはフェアではありません。

 こうした騒動が起きた背景には、日本人の料理に関する考え方が古いことに原因があるように思います。事の発端となった「ポテサラ」は料理工程が面倒だと思われがちですが、じつは10分もあれば完成します。ジャガイモを電子レンジで加熱して、マヨネーズを混ぜ合わせるだけ(詳しいレシピは、記事の最後でご紹介します)。キュウリやハムを入れるとハードルが上がってしまいますが、代わりに唐辛子やカレー粉をかけるだけでも十分おいしく食べられます。

 料理をまったくしない人は、「じゃがいもは茹でなくてはいけない」「にんじんは扇形に切る」といった固定観念に縛られている可能性があります。でもレンジを使ったり、材料の一部を惣菜で代用するのだって、立派な料理です。まずは、その凝り固まった“料理の常識”から一度開放されることをおすすめします。

 そもそも、日本人は料理に力を入れすぎです。

 海外を見渡せば、毎食、一汁一菜を用意する国のほうが珍しく、日本ほど料理に手間ひまかける国はほかにはありません。ドイツには、火を使わずに準備できる軽い食事で済ませる「カルテスエッセン(冷たい食事)」という食文化がありますし、東南アジアだと1日1回は屋台を利用します。毎夕に買い物、下ごしらえして、1日3食、副菜まで用意する日本の食文化は世界に誇れる素晴らしいものですが、なにせ負担が大きすぎます。

 また、男性がもっと料理をしてもいいと思っています。現代は共働きが当たり前で、男性も家事をする時代です。かつて武士の家では、男性の料理番を抱えていました(あの伊達政宗も厨房に入って料理していたほど)。

 室町時代の武士で江戸城をつくった太田道灌が「鍋づくり」の名人だったとも言われており、兵糧を調理する習慣があった当時の戦国武将の料理の腕前はなかなかだったようです。歴史を振り返れば、「男性は料理をしない」という考え方自体、珍しいことなのかもしれません。

 「料理は手間をかけなくてはいけない」「男は料理なんてしなくていい」という考え方は、そろそろアップデートする時期に来ているのではないでしょうか。

■「ちょうどいい」料理をつくればいい

 では、どうやって「料理」をアップデートすればいいのでしょうか。

 一つは、価値観の相違に目を向けるのではなくて、多様な選択肢を用意する。先ほどのポテサラ論争でいうと、世代間で価値観の相違が生じてしまうのは、仕方がないことです。70代のおじいちゃんに、いまの若い人の価値観を理解しろと言っても難しい。

 そこで、料理の幅を広げてみてはいかがでしょうか。たとえば、すべてお惣菜で済ませる日があってもいいし、時には外食してもいい。逆に、3食手作りという日があってもいい。ごはんと椀物のほかに主菜1皿、副菜2皿すべて手作りしている家もあれば、1品だけ買うケースもあるでしょう。これなら、どんな家族形態でも満足します。

 大事なのは、グラデーションです。「絶対に全部手作りじゃなきゃダメ」と思っている人、逆にまったく台所に立たず、毎日カップラーメンにお湯を注ぐだけというような人は、極端な選択肢しか選べません。色で言えば、黒と白しかない状態。

 しかし、料理の選択肢を増やし、幅を広げることで、「ちょうどいい」を知ることができます。カップラーメンに刻んだ長ネギを乗せて、卵を落とす。これも立派な料理です。あるいは、冷凍餃子をメインのおかずにして、冷蔵庫に余っているもやしをレンジで温めれば、もう一品できちゃいます。キュウリを軽く塩もみしてもいいでしょう。これで、ご飯をたけば、メイン料理と副菜2品がテーブルに並びます。完成度は置いといて、「ちょうどいい」献立ができるのです。

 オールインスタントでは、「ちょうどいい」が選べません。食卓に並ぶ食事のうち、一品を「アウトソース」したら、一品は自分で作るといった選択ができる。それがグラデーションです。

 自由に選べるというのは大きな価値です。いまはコンビニのお弁当もあるし、冷凍食品もあるし、テイクアウトもある。逆に、変わった野菜を買って難しい料理に挑戦することだってできます。選択肢に溢れていて自由な発想で料理できるのが、いまの時代の特長でもあります。少しがんばって選択肢を増やすだけで、毎日の食卓にも彩りが生まれるのでぜひチャレンジしてほしいです。

■もう1つのアップデートは「時短」

 もう1つアップデートするなら、調理時間の短縮でしょう。女性の社会進出が進み、共働きが当たり前になったいま、男性、女性関係なく、「料理は限られた時間でサッとやる」という意識変革が必要です。

 とんかつを作るときは、お肉に味付けをして、パン粉、卵をつけ、適温で揚げる……。プロの料理人でも難しい作業を、クタクタになるまで働いて帰宅した身体でこなすのは至難の業。労働環境が変化して、相対的に料理のハードルが上がりすぎてしまっている。まずは、そこに気付き、改善する必要があります。

 私が幼いころ、立ちっぱなしで家族のためにご飯を作り、みんなが食べ終わった後に冷えたごはんを口に入れる母の姿が、子どもながらにすごく寂しく映りました。「お母さんを楽にさせてあげたい」――私が「時短レシピ」を考案するようになったのは、お母さんが座って、家族と食事をする時間を増やすためでした。私自身ブラック企業で働いていた経験もあり、「疲れ切った状態でもササッと作れる」レシピのニーズはひしひしと感じます。

 最近は、仕事に費やしていた時間を趣味や副業、自己啓発に充てている人が増えています。家族がいる方なら、お子さんとの時間も大事でしょう。これからは料理の時間をなるべく短くして、その代わり家族との時間や自分のために時間を使うという暮らしが主流になる気がします。自分のため、家族のためにも、時短は決して「手抜き」ではなく、料理に不可欠な要素なのです。

 幸いなことに、いまは電子レンジを始め便利な調理器具のクオリティも上がっています。料理をやったことがない方、これからやろうと思っている方は、調理器具・調理道具を上手に活用すると、料理のハードルがグーンと下がるだけでなく、調理時間も短縮できます。そこで、『ジョーさん。の神速うまレシピ』にも掲載しているキッチン用品を一部ご紹介します。

 まずは、電子レンジ。これは絶対に買ってください。「電子レンジ=お弁当を温めるもの」という認識で止まっている人は意外に多いですが、電子レンジはメチャクチャ万能です。たとえば、家にガスコンロが2つあるとして、ラーメンを作ろうとしたら、スープを温めながら麺を茹でたら2つのコンロが埋まってしまいます。でも、ラーメンを作っているあいだに冷凍餃子をレンジでチンすれば、ラーメンと同時に熱々の料理を用意できます。

 ニンジンやほうれん草といった野菜を蒸すのにも電子レンジは力を発揮します。しかも、茹でるよりも栄養が落ちにくい。とくに、水に流れやすく熱に弱いビタミンA、C、Eを余さず摂取できます。栄養を逃さず、簡単に蒸し料理をできるのは、レンジの最大の強みかもしれません。

 ほかに常備したいのが、耐熱ボウルとジップロックコンテナ(1100ミリリットル)。どちらもレンジ料理には欠かせません。とくに、ジップロックコンテナは底が深く水分が蒸発することがないので、パスタ料理に最適です。

 余裕があれば、キッチンバサミもあると便利です。ネギやニラだけでなく、ナスのような太めの野菜やお肉まで切れちゃうキッチンバサミは、まな板を出さずに鍋に直接切り落とせるので洗い物も減らせます(調理のたびに、まな板を出して食材を切り、まな板を洗う、という作業は意外に手間です)。

■世界一簡単なポテサラの作り方

 お待たせしました。最後に、誰でも簡単につくれるポテサラレシピを紹介します。ぜひ試してみてください。

【約10分でできる「ポテサラ」の作り方】
1.じゃがいもを皮ごとラップに包んで電子レンジでチン※目安は600Wで4~5分。2個なら7~8分(やけどに注意)。
2.ボールに移して、フォークで潰す。
3.マヨネーズ、塩コショウを入れよく混ぜる。
※お好みで、刻んだハム、メンマ、魚肉ソーセージなどを混ぜてみて。サバ味噌煮缶を混ぜると、味噌味とサバの旨みが効いてめちゃうまです。
 時短になるだけでなく、料理のストレスを軽減する意味でも、調理道具をうまく使いこなしてください。

東洋経済オンライン

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最終更新:10/31(土) 16:01

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