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リスクオフの兆しだが「危」は「機」なり。これからクロス円のショートに妙味あり!

10/31 14:06 配信

ザイFX!

■米国株は調整。ドルインデックスは持ち直し
 米大統領選を控え、市況は一段と混乱してきた。

  誰も予測できない選挙だからこそ、誰もが自由に予測できる現時点において、米国株の調整は、むしろ当然の成り行きと思われ、リンクしたようにドルインデックスの持ち直しも見られた。

 問題は、これからどうなるかだ。

 コロナ感染の再拡大は、独、仏が再度ロックダウンしたように、欧米を中心に一段と深刻化してきている。

■中国一強の構図が鮮明化しつつある
 一方、コロナ禍をもたらした「張本人」である中国は、見事に疫病を封じ込め、経済活動の活性化を全力で果たしている。世界のサプライチェーンの中国依存が、むしろ一段と深まった模様だ。

 防疫で生産能力が著しく低下した、インドなどの新興国から生産注文を奪い、欧米金融緩和の恩恵をたっぷり享受(投資資金の中国流入、給付金で旺盛な個人消費など)し、中国一強の構造が、一段と鮮明化しつつある。中国人民元高のトレンドには、納得できるところが多い。

 実際、2020年5月末から米ドル/中国人民元は、ほぼ一貫して下落しており、中国一強の構図を反映してきたと言える。

 中国人民元高は、基本的に中国の輸出コストが高まる要素ではあるが、ライバル不在の状況下で、むしろ、中国企業の利益増加につながっている。

■米ドルの買戻しはリスクオフへの備え
 ところで、「最強」の中国人民元でも、最近やっと米ドル/中国人民元で下げ止まりの気配を見せ始めている。

 それは他ならぬ、世界情勢が再び変化してきたからだ。

 前述のように、米国株の頭が重くなると米ドル全体が買われるから、「最強」の中国人民元でもそれを無視できない。言ってみれば、米ドルの買戻しはリスクオフへの備えである。

 欧米で、1日の新型コロナ感染者数の最高記録を更新し続けている現状において、いくら緩和が頼りとはいえ、果たして株高のトレンドが続くかどうか、その疑問に自信をもって答えられる者はいないだろう。

 コロナ禍の一段の拡大や延長で、さらなる金融緩和があっても、効果の逓減が想定される以上、また、米国株がすでに大きく買われた以上、株高を支えるかどうかは定かではない。

 ブルームバーグの報道によれば、ニューヨーク市で陽性率が上昇しており、来年(2021年)2月までの新型コロナによる死者数が、全米で40万人に達するという予測も出ているが、その予測数字に大した違和感を覚えないところは本当に怖い。

 米大統領選の不確実性、特に両党が僅差で集計が遅れ、または司法判断に任さざるを得ない結果になれば、米国株の大きな調整は避けられないと思われる。

 米国株のうち、一番買われてきたナスダックは、9月末の安値から大きく切り返してきたものの、10月前半に付けた高値が9月高値を超えられず、今週(10月26日~)の急落で、再度1万1000ドルをいったん割り込んだ。

 米国株は波乱含みで、また、頭の重い展開が観察される以上、一段とリスクオフの米株安(調整)・米ドル高(切り返し)に備えるべきだと思う。

■ユーロ高の局面は過ぎたか、これからトップアウトを迎える
 もっとも、欧州のコロナ禍の再拡大もユーロの頭を抑え込む要素として無視できない。

 3月安値から大きく切り返してきたユーロだが、独、仏の再度のロックダウンでわかるように、ECB(欧州中央銀行)の追加緩和策の実施が、十分想定される。

 リスクオフに備える米ドルの買戻しに加え、EU(欧州連合)圏の追加緩和によるユーロ安への圧力もあって、ユーロ高の局面はすでに過ぎたか、これからトップアウトを迎えるだろう。

 米ドルの対極という位置付けで言うと、ユーロの頭打ちは米ドル全体の買戻しを促進するもっとも重要な要素だが、前述のように、仮に米ドル全体がさらに大きく切り返してくれば、それはリスクオフの米ドル高となり、いわゆる「悪い米ドル高」となる可能性が大きい。

■本格的なリスクオフの兆し。「悪い円高」の可能性!? 
 リスクオン・オフを敢えて「良い」、「悪い」と白黒つけるなら、平行するもう1つの「悪い通貨高」の可能性も無視できない。

 そう、それは「円高」である。

 良い円高、悪い円高といった言い方は筆者自身あまり好きではないが、残念ながら今回は敢えて「悪い円高」という言い方をせざるを得ない。

 本格的なリスクオフの特徴として、株以外、金もビットコインも売られ、米ドルと円(米ドル/円を除く)のみが買われることが挙げられるが、今週(10月26日~)からの値動きからすると、その兆しがすでに出ていると思う。

 今一度、警戒のスタンスを点検しておきたいところだ。

■「危」は「機」なり。これからクロス円のショートに妙味あり! 
 とはいえ、「危」は「機」なり。

 米ドル全体の切り返しに伴い、円の上昇(米ドル/円を除く)の同時進行があれば、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の急落を意味するから、クロス円のショートを仕掛ければよい。

 前述の見方が正しければ、また、米大統領選の不確実性が強ければ強いほど、これからクロス円のショートポジションには妙味があると見ていいだろう。

 実際、ユーロ/円、英ポンド/円や豪ドル/円といった主要クロス円は、すでに下げてきたとはいえ、執筆中の現時点において、英ポンド/円を除き、なお200日移動平均線の上に位置している。

 これから200日移動平均線を割り込み、また、英ポンド/円のように、割り込んでから一段と下落余地を拡大するだろう。

 米ドル/円の104円の節目割れも確実視される以上、クロス円の下落モメンタムの再加速に注意しておきたい。

 市況はいかに。

ザイFX!

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最終更新:10/31(土) 14:06

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