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あなたの投資、ホントに儲かってる? 「CF」再入門《楽待新聞》

10/30 19:00 配信

不動産投資の楽待

不動産投資の目的の1つは、家賃収入での儲けだ。だが、本当に自分が儲けられているかどうか、どのように確認したら良いのだろうか?

その答えの1つが、「キャッシュフロー」(CF)を確認することである。

今回は、CFについて、基本的な知識のおさらいをしていこう。

せっかく「家賃収入」は得られているのに、支出を考慮すると「CF」は残っていない…ということは、よく起こってしまう。こうした事態にならないように、特に不動産投資をこれから始める、という初心者の方々は必ず「CFとは何か」学んでほしい。

■「月1万円台でオーナーに!」

こんな広告を見かけたことがあるかもしれない。

「約3200万円のマンションをローンで購入。入居者からの家賃を返済に充てれば月々1万円台でオーナーになれる」といういわゆる「不動産投資」の勧誘の広告だが、あなたはこれを見てどのように感じるだろうか?

購入価格:3280万円
頭金 10万円
ローン 3270万円(金利1.8%、期間35年)
月間家賃収入 105,000円
管理手数料 5,250円
管理費等 6,200円
手取り家賃 93,550円

ローン支払額 104,997円/月
実質負担額 11,447円/月

こうした勧誘のうたい文句は、多くの場合「月々数万円でマンションのオーナーになれる」「管理は任せられるので、何もする必要がない」「ローン完済後は、不労所得が得られる」といった内容だ。

当然、こうしたうたい文句がまったくの嘘というわけではない。

自分で融資を引いて購入したマンションを貸し出せば、入居者から受け取る家賃を返済の一部に充てることはできる。

返済期間が終われば、そのまま家賃を受け取れるのも真実だろう。ここでは詳細を割愛するが、節税や相続対策にもなるなど、メリットも多い。

■メリットと同時にリスクも理解しておこう

しかし、それが果たして自分自身にとってもメリットかどうかは別の話。

仮に新築時には家賃10万5000円で貸せていたとしても、その入居者が退去して、「新築」という価値が失われた後に、次の入居者はまったく同じ家賃で借りてくれるだろうか?

築年数が経過していたり、あるいはほかにもっと安い競合物件が登場していたりしたら、家賃を下げなくては入居が決まらないかもしれない。家賃を下げるということは、その分自分の支出が増えるということでもある。

入居者が現れず空室のままであれば、当然だが家賃収入自体が得られなくなってしまう。

退去があった部屋は、次の入居者に貸し出すために、清掃やクロスの張り替えといった工事(原状回復)が必要になり、そのために少なくとも数万円の費用を支払わなくてはならないことも忘れてはいけない。

さらに、「ローン完済後は不労所得が得られる」と言っても、数十年後、夢に描いたように物件が運営できるのか、思うように売れるのか、ということは誰にもわからないのだ。

■不動産投資の儲けは「CF」で見る!

そもそも、不動産投資をする以上は「儲けたい」と思うのが本音。では、あなたが買おうとしている物件は、果たして儲かる物件だろうか。

不動産投資の「儲け」を測る上で重要な要素の1つとして、「キャッシュフロー」(CF)がある。簡単に言えば「家賃収入から経費やローン返済分を引いた手残り」のことだ。

家賃収入
→ローン返済後
→経費支払い後
→税引き後
→最終的な手残り

※正確に算出するためには税金を引いた最終的な手残りである「税引き後CF」を使うが、本文では計算を簡略化するため、税金を引く前の数字をCFと呼ぶ(税金については後述する)

物件を購入する際には、利回りや物件価格そのもののほかに、このCFを気にしなくてはならない。

例えば年間家賃収入が100万円だったとしても、この100万円がオーナーの財布にそのまま入るわけではない。

ローン返済や経費、税金などに毎年70万円かかるとすれば、100万-70万で、CFは30万円ということになる。簡単に理解するために、「儲けが30万円」と言い換えても良いだろう。

では、ここで先ほどの新築マンションを例にとって見ていこう。

都内某所の区分マンション。家賃は月10万5000円。だが、金融機関への融資返済として月10万4997円の支出が必ずあるし、さらに管理会社への手数料や、マンションの管理費も支払わなくてはならない。

すべてを合算すると、結局手元に残るどころか、約1万円を毎月手出しすることになる。

不動産投資の目的を「CFで儲ける」ことに設定しているのなら、この物件で儲けていることになるのか、よく考えたい。

具体的な例をもう1つ見てみたい。仮に物件価格が3000万円、築20年のアパート(全6戸)を購入したとしよう。頭金600万円を入れ、残りの2400万円は金利2%、期間15年で金融機関から借りた。

築20年、3000万円のアパート(6戸)
金利2%/期間15年/頭金2割(600万円)

・家賃5万円で満室のとき
30万円(家賃)
-15万4442円(返済)
-1万5000円(管理費)
=13万558円(CF)

年間だと約156万円のCF
※ただし、ここから修繕費や税金を支払う必要がある

家賃5万円で3室空いたら
15万円(家賃)
-15万4442円(返済)
-1万5000円(管理費)
=△1万9442円(CF)

家賃月5万円。満室なら、毎月30万円が家賃収入となる計算だ。

そのうち、金融機関への返済は月15万4442円、管理会社への支払いは1万5000円だったとすると、手元に残るのは13万558円。すると、年間だと約156万円がCFということになる。

ただし、ここから修繕費や税金も支払わなくてはならない。(ここでは計算を簡略化するため、火災保険料、修繕費などその他の支出をいったん無視してCFを計算している)

さて、もしこの物件で3室の空室が出てしまったらどういう計算になるだろう。

月々の家賃収入は15万円にまで半減してしまうが、返済額は変わらない。管理料もあわせて、月に約2万円の赤字は確実だ。この赤字は、自身の貯蓄などから補填せざるを得ないだろう。

このように、家賃収入額だけでなく、CFを見ることが賃貸経営においては重要である。

■CFを考える時は「税金」も重要に

さて、ここまでで「CF」がどのようなものなのか見てきた。だが、正確に言うとこのCFも最終的な手残りではない。

不動産投資をする上ではさまざまなシーンで税金がかかる。購入時、売却時の一時的な税金はもちろん、管理運営時には継続的に税金を支払うことになる。これらは、特にCFに大きな影響を与える。

不動産投資でかかる主な税金
購入時
・不動産取得税
・印紙税
・登録免許税
・固定資産税(※1)
・都市計画税(※1)

管理運営時
・固定資産税
・都市計画税
・所得税
・住民税
・法人税(※2)
・事業税(※2)

売却時
・譲渡所得税
・住民税
・印紙税
・法人税(※2)
・事業税(※2)

(※1)引き渡し後、所有する期間分を日割りで支払い
(※2)支払いが必要な場合がある

税引き前CFが10万円あったとしても、仮に税金で15万円支払うことになれば、最終的な手残りは0、むしろ5万円の赤字ということになってしまう。CFを見る際には、必ず税金がどれほど引かれるのかまで頭に入れておきたい。

■最終手残りはいくらに? 具体例でみてみよう

では、税金や各種支出を考慮に入れると、CFはどの程度になるのだろうか。
例えば、次のような不動産投資家がいるとしよう。

サラリーマンのAさん(40歳)
年収:630万円
家族構成:妻(38歳/共働き)、娘(7歳)

Aさんが1棟目として購入したのは、先ほど具体例として挙げた築20年のアパート(全6戸)。物件価格は3000万円で、頭金600万円を入れ、残りの2400万円は金利2%、期間15年で金融機関から借りた。

家賃は5万円。全室満室だったとすると、年間で得られる家賃収入は360万円となる。

一方、Aさんはサラリーマンなので、不動産賃貸業から得られる収入のほかに、本業の給与収入630万円を得ている。

ちなみに、サラリーマンが不動産賃貸業を行う場合、不動産賃貸業で得られた収入と給与収入を合算することができる。詳しい説明は別の記事を見てほしいが、こういった場合、不動産賃貸業と給与収入を合わせた収入をもとに、所得税が決定される。

実際に収入の合計額をもとに計算してみると、不動産賃貸業と本業をあわせて、税金(所得税、復興特別所得税、住民税)は計63万7900円ということになる。

このうち、不動産所得にかかる税金を9万6600円と概算し、家賃収入から諸経費(管理費、固定資産税、火災・地震保険料、修繕費、消耗品費、共用部の水道光熱費など、計100万円と仮定)と借入金の返済とともに引くと、購入した1年目、家賃収入360万円に対して、手残りは64万9328円だ。

上記の例の場合、年間約60万円の儲けが出ている。だが、減価償却が終わった7年目以降は、手残りが約8万7000円にまで減ってしまう。

このように、税金やそのほか支出によって最終的なCFは大幅な変動があるため、注意しておきたい。

また、サラリーマンの場合、本業の給与と家賃収入を合わせて考えてしまうと、「実は不動産賃貸業だけでは赤字になっており、本業の手残りで補填している」という状況にも陥りかねない。

必ず、それぞれでどの程度のCFを得られているのか、確認しよう。

■CFを増やすには?

CFは不動産投資をする上で、重要な要素の1つだ。そして、投資をする上ではその儲けが多いに越したことはない。

では、どのようにしてCFを増やしたらよいのだろうか。ざっくり言えば「収入を増やす」か「支出を減らす」の2パターンが考えられる。

CFを増やすには?
最初の段階でcheck!
・そもそも物件価格は適性?
・金利は下げられない?
・期間に無理はない?

管理・運営時にcheck!
・金利交渉する
・支出を下げる
・家賃を上げる

物件を購入する際に、そもそも、相場に比べて高い値段で物件を買おうとしていないか? ということに気を配っておきたい。

また、金融機関からの融資条件として、金利や期間を適切に設定できているかということもチェックが必要だ。

さらに管理運営時にCFが厳しいようであれば、金融機関に対して金利交渉を行い、金利を下げてもらったり、管理費などの支出を下げる工夫をしたり、あるいは家賃を上げる改善努力を行うのも1つの手だろう。



不動産投資にはさまざまなやり方や考え方があり、投資家によって重視する項目もさまざまだ。

だが、もしあなたが不動産投資初心者で、かつ「不動産投資で家賃収入を得て、少しでも儲けを出したい」と考えているのなら、必ず「CF」がいくらなのか、把握しておかなくてはならない。

自分が投資した物件がどのくらい稼いでくれているのか、どのくらい儲けが出ているのか、正しく把握していくことが不動産投資の成功につながる道だ。

不動産投資の楽待

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最終更新:10/30(金) 19:00

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