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白人至上主義「カレンとケビン」の恐るべき実態

10/29 16:41 配信

東洋経済オンライン

 大統領選挙まで残り1週間余り、トランプ大統領とバイデン候補による新型コロナウイルスをめぐってのマスク代理戦争もより過激さを増し、クライマックスを迎えようとしている。

 10月8日にはアメリカ・中西部のミシガン州で、反トランプの民主党ホイットマー知事を拉致し、州政府を転覆させる計画に関与していたとして、13人の男性が起訴された。知事の別荘を長期間監視し、拉致用のスタンガンを購入、爆発物も購入予定だったという。13人のうち7人は「ウルバリン・ウォッチメン」という武装グループのメンバーだった。

■白人至上主義者の「カレン」と「ケヴィン」の存在

 第1回のテレビ討論会で、バイデン氏が白人至上主義団体である「プラウド・ボーイズ」の名前を出したところ、トランプ氏は「プラウド・ボーイズは引き下がって待機するように」と発言。この発言の意味する内容が問題とされ、後日、トランプ大統領は発言を修正して白人至上主義を非難したが、「プラウド・ボーイズ」は大統領からお墨付きを得て勇気づけられたと発表している。

 「もちろん、ほとんどの白人は人種差別は悪いことだと理解しています。しかし、トランプ大統領がパンドラの箱を開けてしまったんです。トランプ支持者でも大声でそれを言う人は少なかったのですが、この3年半で白人至上主義で何が悪いといった思想が広まり、トランプ大統領はその感情をうまく利用したのです」(現地ジャーナリスト)

 こうしたトランプ支持者の白人至上主義者に対して、女性の場合は「Karen(カレン)」、男性の場合は「Kevin(ケヴィン)」と俗称で呼んでおり、SNS上で投稿が相次いでいるのをご存じだろうか。

きっかけは、今年の5月、黒人男性がニューヨークのセントラルパークで飼い犬にリードをつけていない白人女性に対して静かに注意をしたところ「黒人男性に脅されている!」と、警察に虚偽の通報をしている動画がYouTubeで拡散、瞬く間にその白人女性に対して非難の声が上がり、その後会社を解雇され、虚偽通報を行ったとして起訴されたという事件に発展した。

 アメリカでは以前からこういった女性のことを俗称で「Karen(カレン)」と呼んでいたのだが、上記のような差別的で利己的な白人女性の様子が拡散され、その俗称は大衆に知れ渡ることになっていった。

現在、「karensgoingwilds(カレンさんたちは荒れています)」というインスタグラムには70万人を超えるフォロワーがいて、そこでは多数の「カレン」たちの動画を見ることができる。

CNNの記事によるとカレンとは、(1)問題を起こす、 (2)マネジャーを出せと要求する、(3)犠牲者を演じる、 (4)警察に通報する、などの行動をとるとその特徴が分析されている。

 「搭乗口でマスクをしないと言い張って、警察を呼ぶ寸前の搭乗者がいたのです。最終的にはバンダナを着けてもらうことで納得してくれて、機内で要注意との連絡があったので、どんな強面の男性が来るのかと思ったら、2人の子供を連れた白人女性だったのです。

 スタッフ内では『Karen(カレン)』と俗称で呼んで対応しました。問題は起こさなかったので、一安心でしたが、バンダナをずらしているのを見て、鼻と口に当てるようにはお願いしました」(アメリカ国籍のキャビンアテンダント)

 アメリカのほとんどの航空会社では、飛行機の搭乗者にはマスクを着けることを義務づけているが、トランプ支持者はマスクを拒否する人が多いため、搭乗口の係員は連日苦労しているという。

■迷惑行為を平然と行う「カレン」たち

 サンフランシスコでは「Black Lives Matter」のスローガンを自宅の壁に書いていた男性に対して白人カップルが通報。通報した女性はその後動画にさらされて「サンフランシスコのカレン」と呼ばれた。

 また、ニューヨークのベーグル店ではマスクの着用を拒否し、客に向かって咳を吹きかけている白人女性がいて、彼女は「咳かけカレン」と呼ばれ、動画がさらされている。

 「カレン」の名前の由来に関しては諸説あるが、特定の個人ではなく、他人の迷惑を顧みない、わがままな白人女性に対しての蔑称のようだ。2005年にアメリカの人気コメディアンのデーン・クック氏が、性格が悪く、嫌われている女性の代名詞として「カレン」という言葉を使ったのが由来ではないかと言われているが、実際のところは定かではない。

 1950年代から1960年代にかけては女の子が生まれると「カレン」という名前をつけるのが流行しており、トップ10に入るほどの人気だったが、2018年の時点では635位にまでランクダウンしている。

 「カレン」が女性の俗称なら、その男性版も存在していて「Kevin(ケヴィン)」と呼ばれている。

 レストランでアジア人を見かけるとわざわざ近づいてきて「武漢に帰れ!」と罵り、店を追い出された「ケヴィン」や、アジア人女性に「chink(チンパンジー)」と言いながら唾を吐きかけて、のちに逮捕されたカナダのカルガリーの「ケヴィン」。

 また、レストランで友人と誕生日を祝っているアジア人に対し、国へ帰れと卑劣な言葉を吐いた「ケヴィン」は、動画がアップされると人物特定されてしまい、名前と社名が晒された。有名IT企業のCEOだったのだが、その座を降ろされてしまうという事件となってしまった。

 「karensgoingwilds」の中では多数の「ケヴィン」も見ることができたが、現在では、削除されているようだ。

■大統領選挙後も予断を許さない

 「トランプ大統領はもし選挙に負けたとしても、負けと認めないような環境を作り出すため、外堀を埋める作業を行っています。僅差で勝負がついた場合のみならず、圧倒的多数でバイデンが勝利を収めたとしても、郵便投票の不正を理由に連邦最高裁判所に訴える可能性をすでに公言しています。

 先月、リベラル派のギンズバーグ判事の死去によって空席になったポストを保守派の判事にしようとしたことがいちばんの理由です。トランプ氏のそんな行動によって武装集団、支持者同士の争いにまで発展する危険は十分予想されます。どちらが勝っても円滑に進むことはないというのが大方の意見です」(現地ジャーナリスト)

 今回の選挙戦では人種間の分断がより一層進み、もう後戻りできないところまで来てしまった。FBI長官も9月の時点で白人至上主義者らに対して警戒を強めていると明らかにした。投票結果が出て勝者が明らかになったとき、「カレン」と「ケヴィン」、白人至上主義の過激なグループがどういった過激な行動に出るのか、しばらくは予断を許さない状況が続くのは間違いないだろう。

東洋経済オンライン

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最終更新:11/2(月) 16:51

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