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政策金利据え置きでトルコリラが大幅下落。対米ドルで年内に9.00リラ超えの可能性!

10/28 13:11 配信

ザイFX!

■トルコ中銀、予想に反して政策金利据え置き。リラ大幅下落
 トルコリラは、今週(10月26日~)に入ってから大きく下落し、米ドル/トルコリラは8.20リラ水準まで上昇、対円は13円を割ってしまいました。

 10月22日(木)に行われたトルコ中銀の政策会合で、政策金利が据え置かれたのが下落トレンドを加速させました。政策会合前、市場では利上げが、ほぼコンセンサスになっていて、一部の欧米金融機関は3%の利上げまで予想していたのです。

 しかし、トルコ中銀は政策金利である1週間物のレポ金利を10.25%に据え置きながら、金利コリドーの上限として使っている後期流動性貸出金利(※)を13.25%から14.75%に引き上げるだけに留まりました。

(※編集部注:「後期流動性貸出金利」とは、本来は金融機関の資金不足回避のための最終的な手段として例外的に導入されている金利のことだが、トルコ中銀は実質的な金融政策手段として活用している)

■求めるのは、プロパガンダに使われない独立した中央銀行
 トルコ中銀は、実質金利を金利コリドー内で決めているので、そのコリドー(通路)の天井を高くすることは、いわゆる裏口利上げです。つまり、実質的には1.50%利上げしたということです。

 では、実質的に利上げしたのであれば、トルコリラは、なぜ暴落したのでしょうか? 

 市場は、エルドアン政権の国内プロパガンダのために使われることのない独立した中央銀行を求めています。

 9月の政策会合で利上げが行われたことが市場関係者にポジティブな印象を与え、「トルコ中銀は独立性を取り戻したのではないか?」との期待が高まりました。

 しかし、ふたを開けてみると、やはりトルコ中銀は、エルドアン大統領の意向を無視できないということが再確認されました。これが、トルコリラ売りに拍車をかけていると考えます。

■米国、フランスとの関係悪化もリラ売りに拍車をかけたか
 もちろん、トルコリラ急落の要因は、政策金利の据え置きだけではありません。

 先週(10月19日~)から、S-400の発射実験を非難する米国に、エルドアン大統領が反発したことで、米国との関係が悪化しています。

 また、預言者ムハンマドの風刺画をめぐって、フランスとトルコの対立が、さらに深まったこともトルコリラの売り要因になっています。

 フランスは、在トルコ大使をフランスに呼び戻し、エルドアン大統領は、マクロン大統領に対して、「脳死しているのではないか?  病院で確認してもらった方がいい」と強い言葉で批判しました。

■トルコ政府がリラ安容認?  対米ドルは年内9.00リラ超えも
 今後のトルコリラの動きは、どうなるのでしょうか? 

 10月21日(水)に、エルドアン大統領の娘婿でもあるアルバイラク財務相は、「輸出競争力が高まるので、トルコリラ安は歓迎すべき」というニュアンスの発言をしていることから、トルコ政府はある程度、足元のトルコリラ安を容認していることがわかります。

 その容認範囲が、どこまでなのかはわかりませんが、年内に米ドル/トルコリラが9.00リラを超える可能性が高まりました。

 また、前回のコラムでも書いたとおり、個人的には、先週(10月19日~)の政策会合で2%の利上げが行われていたとしても、トルコリラの下落トレンドを止めることはできなかったと思います。

 トルコリラが本格的な上昇に転じるには、財政規律、独立した中央銀行と強い引き締め姿勢が必要です。

 市場は、この3つのことを現政権下で達成するのは、ほぼ不可能という判断を下しているのではないかと思います。

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最終更新:10/28(水) 13:11

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