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動き出した米ドル/円。104円割れを警戒!米大統領選を前に、状況は極めて流動的

10/24 14:01 配信

ザイFX!

■米大統領選、「本当のところは誰もわからない」
 米大統領選の最終討論会を聞きながら、この原稿を書いているが、最近、米マスコミや世論も微妙に変化してきたと思う。

 バイデン氏圧勝といった論調から、もしかしたらトランプ氏が再選するのでは?  といった微妙な雰囲気に変わり、日本の評論家先生たちも微妙な言い方をし始めたように聞こえる。

 そもそも、トランプ氏を嫌う有権者はバイデン氏のスキャンダルが浮上してもバイデン氏に票を入れるし、逆にバイデン氏を嫌う層は何かあってもトランプ氏支持に変わりがないだろう。

 今年(2020年)の米大統領選は、コロナ禍のせいもあって、「原理主義」の色合いが一層濃厚になったと言える。

 いずれにせよ、相場観に過度な政治的な要素を持ち込まなくて良いし、状況が極めて流動的だから、マスコミの論調や評論家先生たちの見方を気にすることはなかろう。前代未聞の米大統領選だからこそ、本当のところは誰もわからない、ということだけが確実に言えることかと思う。

 前回のコラムでも指摘したように、不謹慎な言い方をすれば、本当のところ、誰が大統領になるかは問題ではなく、財政出動(救済支援)が続くかどうかが重要であり、また、株式市場を支える要因である。

 よって、結局、株次第かもしれないが、総じてバイデン氏の優位性を見込んでいる模様。その結果として、株高が進むだろうという見方が、どうやら主流のようだ。

■ドルインデックスは88.15まで下落すると言われているが…
 相場のことは、相場に聞く。

 直近の市況は、やはりドルインデックスの再反落や目先の低迷が目立つ。ドルインデックスは、いったん2020年10月9日(金)安値を割り込み、米ドル/円も再度104円台前半をトライした。

 米国株の高値圏での保ち合いに対して、米ドルの切り返しは明らかに力不足であり、さらなる安値更新の観測も当然のように再燃し始めた。

 ウォール街のコンセンサスとして、ドルインデックスは2018年安値の88.15へ「全値戻し」を果たすだろうと言われている。

 しかし、相場は「もうはまだなり、まだはもうなり」なので、諸材料や思惑を織り込んでいる以上、米ドル全面安のピークは、すでに過ぎたのかもしれない。

■バイデン氏優勢がゆらいだことで株のモメンタムが欠如
 この意味では、米株高一服の可能性ともリンクしているところを見逃せないから、冷静かつ総合的な判断が求められる。

 前述のように、そもそも米世論調査の推移やウォール街のコンセンサスにおいて、市場は、バイデン氏の勝利を見込んで株高を推進してきた側面がある。

 よって、選挙情勢が微妙に変化してきている目下、米国株は基調を保ちながらも高値圏での足踏みが続き、モメンタムの欠如が目立ってきた。

 株高・米ドル安のセットで考えると、米大統領選の結果が確定されるまで、目下のような市況が続くだろう。米国株の高値更新は、バイデン氏の当選が前提条件とされているだけに、裏切られた場合、株はいったんの調整があり得る。

 前回、トランプ氏が当選した際に起こった「トランプショック」は、まず大きく反落、その後、V字反騰を果たしたが、仮にトランプ氏が再選する場合、今回は逆のパターンになる可能性を否定できない。

■米ドル/円は変動率が小さかった分、これから大きく動きそう
 一方、バイデン氏が当選した場合、市場のセンチメントに沿った結果であるだけに、いったん株高が進み、その後、利益確定売りで再反落してくる、といった市況も想定されるかと思う。

 要するに、米国株にしても、米ドル/円にしても、基調を維持しながら、変動率が大分抑えられた分、これから大きく動き、また変動率の拡大といった波乱が警戒されるだろう。

 実際、米ドル/円は、すでに大きく動いている。10月21日(水)の大陰線は久しぶりに1円以上の下落幅となり、波乱の兆しを示していた。

 しかし、米ドル/円は104円の節目を割り込んでおらず、大きく動いたとはいえ、レンジ変動に留まっている状態は、なお「コップの中」と言える。

 それにしても、10月21日(水)の大陰線がかなり目立ち、また注目されるのは、ほかならぬ、最近の米ドル/円が、あまりにも「動かなかった」からであり、その反動が来たと思われているからだ。

 点検してみるとわかるように、10月21日(水)の大陰線が出現するまで、今月(10月)になってから米ドル/円の値幅は1円程度に留まっていた。これは、動かないと言われてきた米ドル/円にしても、かなり「異常」なほど静かな市況であった。

 ちなみに、昨年年末(2019年12月)は1.3円程度の値幅だったので、10月21日(水)の大陰線がなければ、「動かない」という歴史的な記録が更新されてもおかしくなかった。

 したがって、10月21日(水)の大陰線が目立ったのは、米ドル/円のトレンドが加速されたというよりも、あまりにも動かなかったことへの反動と捉えたほうが適切であろう。

■動き出した米ドル/円。104円の節目割れを警戒すべき
 また、この意味では、米ドル/円はすでに動き出したから、通常の変動率に戻るという視点では、やはり、いったん104円の節目割れを警戒すべきではないかとみる。昨日(10月22日)のレポートをもって、同視点を説明したい。

 本文は、以下のとおり。

 昨日の大幅下落をもって2日安値104.93の下放れを果たし、基調を一段と悪化させた。中段保ち合いの一環、また本格的な「底割れ」を回避できるというメインシナリオは不変だが、目先レンジ下限の拡大を警戒。

 もっとも、7月高値から引かれたメインレジスタンスラインが示した抵抗が鮮明、一昨日の「スパイクハイ」のサインが示した頭打ちの状況、昨日の大幅反落で証左されたわけ。

 昨日の値幅拡大があったからこそ、ここでは単純なフォーメーションの視点を図れば有効ではないかと思う。10月7日~9日の罫線組み合わせ、「宵の明星」と見なされ、「ヘッド&ショルダーズ」の「ヘッド」と据え置き、一昨日の「スパイクハイ」のサインの蓋然性(つまり9月末と同様、ショルダーとなる)がより鮮明になり、昨日の大陰線で下放れを果たした以上、一旦104関門の打診があっても自然な成り行きとなろう。

 同じ視点では、抵抗は105関門~同前半に集中、早期上放れなしではしばらく下値リスクを警戒。但し、米大統領選やテレビ討論会など材料に左右されやすく、波乱含みの展開も覚悟しておきたい。

 最後に、下値トライの蓋然性が高まったからこそ、ここからの切り返しが早期見られなくても、安値打診せずに留まれば、逆に基調改善の前兆とも解釈される、ドル全体との連動性もあって、ドル売りで仕掛ける場合は、あくまで短期スパンに徹したほうが無難。

 米ドル/円ほどではないが、米国株における変動率も低下してきた。米ドル/円と同様、そろそろ動きだすタイミングに差し掛かるから、やはり要注意だと思う。

 株高・米ドル安のセットで考えると、ドルインデックスの9月安値更新は、トランプ氏の落選や米国株の高値を「前提条件」としているだけに、実に、流動的で不確実性が高いことを念頭に置いておきたい。

 市況はいかに。

ザイFX!

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最終更新:10/24(土) 14:01

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