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投資ファンドが572億円支援、レオパレスは今後どうなる《楽待新聞》

10/1 19:00 配信

不動産投資の楽待

レオパレス21が、2021年3月期第1四半期の決算を発表しました。

そして、同時に投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ(以下フォートレス)から出費・融資などで572億円の資金を受け、再建を目指すことになりました。

今回は、そのフォートレスから支援を受けることになったレオパレス21の決算について、内容を確認していきましょう。

■フォートレスから572億円の資金支援

まず、従前の報道およびレオパレス21が発表していたように、2020年6月末時点でレオパレス21は118億円の債務超過に陥っていました。

決算数値の概要は以下の通りです。

<2021年3月期第1四半期決算概要>

売上高1039億円(前年同期比▲93億円、▲8.2%)
営業利益▲68億円(同▲26億円)
経常利益▲68億円(同▲33億円)
当期利益▲141億円(同▲84億円)
純資産▲118億円(=債務超過)

売上高は入居率の低下により減収となり、原価及び販管費の削減によっても貸料収入低下を補うことができなかったことから営業利益、経常利益も赤字幅が拡大しています。

そして、特別損失として固定資産及びのれんの減損損失37億円、希望退職に伴う退職特別加算金25億円、施工不良にかかる工事関連損失19億円などを計上し、当期利益は前年同期比で赤字が大幅に拡大しています。

結果として、純資産は118億円の債務超過となりました。

この債務超過を受け、フォートレスによって資金支援がなされることが同時に発表されています。レオパレス21は、第三者割当による新株発行120億円、新株予約権発行2億円、新株予約権付ローン300億円、子会社の優先株発行150億円によって合計572億円(手取り540億円)の連結ベースでの資金支援をフォートレスから受けることになりました。

■子会社には「ビレッジハウス」、フォートレスとは

フォートレスは、不動産、不良債権、企業の経営権取得を目的としたプライベート・エクイティ・ファンドなどを中心に投資する米国の投資会社です。2017年にソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)に買収されています。ユニゾHDのTOBの最中、ホワイトナイトとして参戦したことでも大きな話題を集めました。

不動産への知見もあり、過去には東京ディズニーリゾート近くのシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルを取得したり、インヴィンシブル投資法人(REIT)のスポンサーになっています。ビレッジハウスという低価格帯賃貸住宅の運営管理子会社も保有しており、管理戸数は10万戸を超えています。

そんな不動産に知見を持つフォートレスがレオパレス21の支援を行うことになります。

■短期の破綻可能性は無くなったものの…

フォートレスからの資金支援によりレオパレス21は会社存続の可能性が高まったことは間違いありません。

しかし、今回の決算では2020年4~6月の3カ月間で185億円(=1カ月当たり62億円)のキャッシュが流出しています。このままのペースでキャッシュ流出が続けば、フォートレスからの資金は、540億円÷62億円=8.7カ月で枯渇することになります(2020年6月末時点で479億円の現預金および短期有価証券は別途あります)。

短期で資金繰り破綻の可能性は無くなりましたが、レオパレス21の資金繰りが楽ではないことは明白です。

レオパレス21は、まずは施工不良物件の改修を急ぎ、入居率を改善するとともに自社の固定費を引き下げ、キャッシュの流出を止めることが求められます。

既に希望退職を募集し、1067名の従業員の退職が8月末でなされていますが、更にオフィスを縮小する、保有物件を売却するなどのこともなされるものと思われます。

■レオパレスオーナーの負担増か

ただし、入居率の改善が進まない場合には、同社の最大の問題である「アパートオーナーへの賃料支払いが重い」という問題を解決しなければならなくなります。

日経新聞の9月30日付記事では、支援会社であるフォートレスについて解説されており、フォートレスはソフトバンクGの下にあること、米国の規制によりソフトバンクGはフォートレスの投資方針などに介入できないと説明されています。

これは、フォートレスが求めるであろうレオパレス21の再建策、すなわち「アパートオーナーへ支払うサブリース賃料のカット」について、日本企業であるソフトバンクGは関係ないということをフォートレス側が伝えたかったのだろうと筆者は考えています。

すなわち、ソフトバンクGが批判を受けるのを避けようとしているということであり、レオパレス21の再生のためアパートオーナーに負担を背負わせるということをフォートレスが考えているのであろうとの推測が成り立ちます。

今後、レオパレス21のアパートオーナーにとっては、非常に厳しい交渉が予想されるでしょう。

■レオパレス以外のオーナーも他人事ではない

もちろん、アパートオーナーが賃料減額に応じずサブリース契約を解除し、入居者を直接募集することは当然に可能です。

しかし、レオパレス21の強みは契約の約半分を占める法人契約にあります。企業と契約を行い、企業の社宅・寮の代わりにレオパレス21のアパートを使ってもらうことで、レオパレス21は収益を上げてきました。

アパートオーナーは、レオパレス21が施工した物件で、直接に入居者を集めることが可能でしょうか。もちろん、立地が良ければ可能かもしれませんが、そのような物件ばかりではないでしょう。

そのため、アパートオーナーはレオパレス21からの賃料減額要請を受けざるを得ないと考えるかもしれません。レオパレス21という賃借人が抜けることは、アパートオーナーにとって死活問題です。借入を活用してアパート経営を行ってきたアパートオーナーにとっては非常に厳しい状況となる可能性があります。

また、レオパレス21がサブリースをしていない賃貸物件を保有するアパートオーナーにとっても本件は他人事ではありません。レオパレス21がアパートオーナーへの賃料支払を減額したことによってコストを引き下げ、その引き下げたコストを原資に入居者の募集貸料を減額し、入居率を改善しようとする可能性もあります。いわゆる安売りです。それによって、周辺の賃貸物件から入居者を奪う可能性もあるのです。レオパレス21の今後の動向からは目が離せなさそうです。

不動産投資の楽待

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最終更新:10/1(木) 19:00

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