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ふぉーかす リラ売り阻止利上げVS地政学リスクの売り

9/30 9:31 配信

トレーダーズ・ウェブ

 2020年9月24日、トルコ中央銀行の金融政策委員会は、主要政策金利「1週間物レポレート」を、8.25%から10.25%に引き上げた。利上げは2018年終盤の通貨危機以降2年ぶりで、最安値圏にある通貨リラの押し上げと加速するインフレ統制が狙いと表明した。中銀は声明で、「インフレ期待とインフレ見通しへのリスクを抑制するため、8月以降に実施してきた引き締め措置を補強する必要があると判断した」と説明した。

 トルコ中央銀行の政策金利は、2018年9月から2019年6月までは24%で高止まりしていたが、エルドアン・トルコ大統領がトルコ中銀総裁を更迭、変更した2019年7月以降、段階的に引き下げられ、2020年5月には8.25%まで低下していた。

 1. トルコリラ史上最安値

 トルコリラは、外貨準備の枯渇などへの懸念から、史上最安値まで下落していた。ドル/トルコリラは、1月の5.8391リラから9月24日には7.7186リラまで23%リラ安に推移し、トルコリラ円は、1月の18.87円から9月24日には13.60円まで下落していた。

 リラ下落要因は以下の通り。

 ・地中海資源を巡る周辺国との対立:ギリシャ、キプロス

 ・外貨準備の枯渇懸念(9/18時点:431.6億ドル・・年初来▲46.9%)

 ・インフレ率の高止まり(2018年10月+25.24%⇒2020年9月+11.77%)

 ・格付け会社ムーディーズによる格下げ:「B1」⇒「B2」

 ・新型コロナ感染拡大による景気低迷

 ・アルメニアとアゼルバイジャンの軍事衝突

 トルコリラは、トルコ中央銀行によるリラ安阻止のための緊急利上げを受けて反発、対ドルで7.5134リラ、対円で14.01円まで反発したものの、戻りは限定的だった。9月28日には、アルメニアとアゼルバイジャンの軍事衝突を受けて地政学リスク回避のリラ売りが殺到し、対ドルで7.8349リラ、対円で13.37円とそれぞれ史上最安値を更新した。

 2. トルコ中央銀行の金融政策

 ■2016年12月:政策金利=1週間物レポ金利+金利コリドー

 ・上限:翌日物貸出金利(翌日決済で、トルコ中央銀行から借入)

 ・政策金利:1週間物レポ金利(1週間後決済)

 ・下限:翌日物借入金利(翌日決済で、トルコ中央銀行に預入)

 ・緊急用:後期流動性貸出金利(緊急的な貸出に適用)

 ■2017年1月:政策金利=後期流動性貸出金利

 ・後期流動性貸出金利(※11.0%)を主要政策金利に変更して大幅利上げを実施した。

 ■2018年6月:政策金利=1週間物レポ金利

 ・1週間物レポ金利を後期流動性貸出金利水準(17.75%)に引き上げ、主要政策金利に復活。

 ・下限金利:翌日物借入金利(レポ金利-1.50%)

 ・上限金利:翌日物貸出金利(レポ金利+1.50%)

 ■2019年7月

 金利を悪と断じるエルドアン大統領が、利下げに消極的なチェティンカヤ・トルコ中央銀行総裁を更迭し、利下げに積極的なウイサル・トルコ中央銀行総裁を任命した。

 (為替情報部・山下政比呂)

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最終更新:9/30(水) 9:31

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