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キムタクと嵐でワンツーのCM好感度ランキング

9/30 13:01 配信

東洋経済オンライン

 9月前期のCM好感度ランキング上位には、新タレントの起用で注目を集めたCMが多数見受けられた。

 総合1位は日産の企業CMで、同社として約7年半ぶりの首位に輝いた。同社は新型クロスオーバーEV『アリア』の発表とブランドロゴの刷新に続き、ブランドアンバサダーに木村拓哉を起用。CMは「平坦な道なんてなかった」という木村のモノローグに始まり、疾走する『スカイライン』や『フェアレディZ』といった同社の歴史を彩る名車と、それを運転する木村の姿が描かれていく。

 「上等じゃねぇか、逆境なんて」「さあ行くぞ、もう一度」という語りに続いて夜明けの空を見つめていた木村がアリアに乗り込み、「やっちゃえNISSAN」とつぶやく内容だ。50代の男性を筆頭に、男女とも30歳以上を中心に得票した。

■木村拓哉が語るメッセージに共感

 アンケートモニターの声を確認すると「かっこよく車を乗りこなしている木村さんがすごくいいと思った」「やっぱり木村拓哉さんは絵になる」など、木村に関するコメントが圧倒的に多かった。また「今まで歩んできた人生を語っているようで、つい見入ってしまう」といった木村が語るメッセージに共感を寄せる声も相次いだ。

 いわゆる国民的なスターやアイドルをCMに起用する場合、ともするとタレントの存在感や話題性が独り歩きをして、企業やブランドの印象が薄れてしまうケースも少なくないが、本作では「自分ももっと車を運転したくなった」「旧車が映像に出ているところが印象的」「逆境に負けない姿勢を出している素晴らしいCM。車好きの自分としてもうれしい」など、新しく生まれ変わった日産のコミュニケーションそのものに関心を示すコメントも見受けられた。

 総合2位にはソフトバンク『SoftBank』が入った。「誰も見たことのない世界へ、一緒に。」をテーマに、同社と嵐が5G時代の新しいエンターテインメントの可能性に挑戦するプロジェクトの一環として制作されたCMだ。

 バーチャル空間に浮かぶステージで嵐がタクトを手に『Love so sweet』を歌いだすと、ステージの周囲に浮遊するいくつものモニターに映されたファン1人ひとりの歌声が重なって大合唱となる。

 1つの画面にフォーカスしていくと、自室にいる1人の女性がスマホでその映像を見ながら歌うシーンに変わり、ARで投影された等身大の松本潤が「さぁ、一緒に」と声を掛ける。再びバーチャル空間のステージへと戻り、嵐が「さぁ、5G LABへ」とカメラに向かって呼びかけるストーリーだ。

 5Gがもたらすエンターテインメントの未来の姿を壮大なスケールで表現し、5Gを活用したさまざまなコンテンツ配信サービス『5G LAB』を訴求。嵐の起用や音楽、映像表現がフックとなり、10~20代の女性を中心に多くの支持を集めた。

 モニターからは「嵐を見ると元気が出る」「歌っている人たちと嵐がひとつになっていて、とてもいい」「CMとは思えないクオリティの映像」などの声が寄せられた。

■ぺこぱの「否定しないツッコミ」で商品を訴求

 総合3位には日清食品『チキンラーメン』がランクイン。ぺこぱの松陰寺太勇演じる父親と子どもたちがベランダでアウトドア気分を味わう“ベランピング”を楽しむ様子を描くCMだ。舞台はテントなどキャンプの設営がされた夕暮れ時のベランダ。

 松陰寺が歌う「♪すぐフォいしい」というCMソングをBGMに、息子がラーメンの上に割り入れた卵の黄身が崩れてしまうも、松陰寺は「CM的に失敗だけど食べれば一緒だろう」とフォロー。続いて商品を食べた姉弟が「最高にうまい食べ方は」「外だ」と声を上げると、松陰寺は「宣伝したいことを言ってくれてありがとう。 ♪ピュ~ウ」と締めくくる内容だ。

 松陰寺の“否定しないツッコミ”を生かしたユーモラスな表現で商品を訴求し、若年層や主婦を中心にポイントを伸ばした。

 このほかキャスティングが注目された事例として、UQコミュニケーションズ『UQ』(10位)を紹介したい。UQは2016年から深田恭子、多部未華子、永野芽郁が三姉妹を演じるシリーズCMを30作以上展開している。

 本作には深田らの代わりに、思い思いのファッションに身を包んだ松坂慶子、大地真央、田中美佐子が“シニア三姉妹”として登場。これまでのシリーズと同様に、ピンク・レディーの『UFO』をBGMに展開した。

 CMはスーパーマーケットでスマホを手にした3人と“ピンクガチャ”、“ブルームク”が無言でポーズを決めているシーンに始まる。田中が「60歳以上ならUQモバイル、だぞっ」と言うと、大地が「国内通話し放題、だぞっ」と続け、そこに『UFO』のイントロがかかる。

 松坂が「大画面のお手軽スマホ、だぞっ」と言いつなぎ、「お姉ちゃん、いくつになったの?」と尋ねる田中に「教えなーい」と答えると、楽曲に合わせて三姉妹がカメラ目線で「♪UQ」と声をそろえる。するとピンク色の空間でダンスをする3人が映され「60歳以上国内通話し放題」「おてがるスマホのUQ」といったコピーやナレーションが重なる内容だ。

 モニターの反応を見ると女性の支持が圧倒的で、なかでも40~50代の主婦から多く得票した。「若い三姉妹もかわいくて好きだが、こっちもキレイで好き」「同じ三姉妹をテーマにしていて面白い」「同性から見ても美しすぎる三姉妹」などの感想が寄せられ、チャーミングな3人の起用が好意的に受け止められたようだ。

 シニア向けのCMには“安心感”や“温かみ”を感じさせるものが多いが、本作はこれまでのクリエイティブ路線を継続し、スタイリッシュな世界観で展開。松坂ら3人がいい意味で“シニアらしさ”にとらわれず、エッジの利いた表現でそれぞれの個性をアピールしたことが好評価の最大の理由ではないだろうか。

■ブランドの世界観と出演タレントのイメージの重なり

 このほか上位には、光石研と岸井ゆきのが父娘を演じた日本マクドナルド『月見ファミリー』(6位)、新たに阿部寛と山田孝之を起用したUber Japan『Uber Eats』(7位)など、キャストの個性やパーソナリティーを生かした新CMが相次いだ。

 当社が1989年から調査している「CM好感要因」15項目のうち、最も回答数の多い項目は「出演者・キャラクター」で、この結果は30年以上を通して変わることがない。ヒットCMの傾向を見ると、ブランドの世界観と出演タレントのイメージに重なる部分が大きいほど、多くの共感を集めることができるようだ。

 また近年はSNSの発達などにより、広告キャラクターを務めるタレントの人柄やライフスタイル、交友関係までも明らかになってしまう。CMの内容がフィクションであったとしても、出演タレントの個性や存在感が広告の訴求力に多大な影響を及ぼすことは間違いないといえよう。

東洋経済オンライン

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最終更新:9/30(水) 13:01

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