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ふぉーかす いって来いの天然ガス

9/25 9:31 配信

トレーダーズ・ウェブ

 普段は注目されることのあまりない天然ガスであるが、天然ガス先物価格は今週、7月31日以来の1英熱量(btu)=1.8ドル台まで下落した。9月は月初来では30%もの下落である。これはコモディティ市場の中では際立っている。コモディティ市場全体の目安となるブルームバーグ・コモディティ指数は3.5%の低下にとどまっている。

 同じエネルギーでも原油先物はサウジアラビアの輸出向け価格引き下げや中国需要の減退などで9月は軟調な地合いが続いているが、それでも月初来では6.6%下落しているに過ぎない。いかに天然ガスが大きく下落しているかが分かろう。

 天然ガスはそもそも8月には月間で46.2%も上昇しており、2009年9月以来、月間ベースではほぼ11年ぶりの上昇率を記録していた。ただ8月上旬に昨年11月以来の2.7ドル台を記録した後は下落の一途をたどっている。7月から見れば、いわゆる「いって来い」の状態である。

 8月に天然ガス価格が急上昇した背景には、発電向けの天然ガス需要の高まりがある。米エネルギー情報局(EIA)によると、7月の発電向け天然ガス消費量はひと月としては過去最高を記録した。天然ガスの在庫は3月には昨年5月以来の2兆立方フィート割れとなっていた。需給改善観測が価格上昇の下地だったのである。

 しかし、その効果も剥げてきた。在庫が4月以降、積み上がってきたことが大きい。直近の週まで24週連続で在庫は前週比で増加しており、その結果、3月の倍近い3.6兆立方フィートまで拡大している。これは昨年11月以来の高水準である。この在庫の拡大が需給悪化懸念をもたらしており、今月に入ってからの天然ガス価格の急落につながっている。

 気になるのは今後であるが、EIAは今月発表した短期見通しの中で、生産と在庫が両方とも減少することを予想している。天然ガス価格は今年に入ってから2ドルを下回ることが多くなっており、これが天然ガス生産のインセンティブを削いでいる。一方、逆に価格が下落していることが天然ガス需要の拡大につながっており、今年8月の発電向け天然ガス消費量は8月としては過去2番目の大きさとなった。この結果として、在庫減が見込まれるという。

 足元の天然ガスは下落しているが、EIAは2021年一杯、3ドル台で推移すると予想している。

 (国際金融情報部・後藤田明広)

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最終更新:9/25(金) 9:31

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