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新幹線と在来線特急「乗継割引」、驚きの活用法

9/24 5:11 配信

東洋経済オンライン

 特急料金の節約術で、忘れてはならないのがJRの特急と新幹線の「乗継割引」である。これは簡単にいえば、新幹線特急券と在来線特急券をセットで購入すると在来線の特急料金が半額になる制度だ。片道、つまり一方向への乗り継ぎにしか適用できないというのが一般的なイメージだと思うが、実は特急と新幹線が並走する区間で、往路が特急、復路が新幹線といった「折り返しの組み合わせ」でも適用されるのだ。

 乗継割引は当日中に乗り継ぐことを前提とした制度であるものの、在来線特急から新幹線への乗り継ぎについては翌日でもOKだ。これは昔、前日発の寝台特急から翌朝に新幹線に乗り継ぐケースを想定して定められた制度のためだが、寝台特急がほぼ消滅した現在も残っている。翌日乗り継ぎがOKなら、1泊の旅行・出張でも使えるということだ。

■どんな区間で使えるか

 制度上問題ないかどうか、JR東日本広報部に「折り返しの組み合わせ」での乗継割引の適用可否について確認したところ、適用できるとの回答を得た。適用可能としている理由については、旅客営業規則第57条の2の「乗継急行券の発売」の条文で、乗継方向を「とくに指定も制限もしていない」ためだという。

 実際に、例えば東京―熱海間で行きは在来線特急、帰りは新幹線を利用して乗継割引で買えるか駅窓口で聞いてみても、問題なく発券してもらうことができた。ちなみに指定席券売機では発券できなかったので、窓口で発売してもらうほかないようだ。

 ではこの方法が使える10区間を見ていこう。まず乗継割引が使える駅は以下のとおりである。

●北海道新幹線:新函館北斗、新青森
●東北新幹線:新青森
●上越新幹線:新潟、長岡
●北陸新幹線:長野、上越妙高(直江津以東のJR線区間が割引対象)、金沢
●北陸新幹線:金沢で特急「能登かがり火」「花嫁のれん」に乗り継ぐと、JR線内の特急料金が半額
●東海道新幹線:新横浜―新大阪間の在来線に併設されている駅(新大阪から大阪まで出て乗り継ぐのも有効)

●山陽新幹線:新大阪―新下関間の在来線に併設されている駅(新大阪から大阪まで出て乗り継ぐのも有効)
●山陽新幹線:岡山で快速マリンライナーに乗り継ぎ、坂出または高松で四国の特急に乗り継ぐ場合も適用
●九州新幹線:なし
 今回は、これらの駅を通り、かつ特急と新幹線が並走する区間で10区間を選定した。

 なお、在来線特急料金は特記がない限り自由席の場合で示している。指定席特急料金は通常期のもので算出している。新幹線区間は在来線特急が指定席の場合でも自由席利用を前提とした。

 ■東京―熱海間

 東京発で唯一乗継割引が利用可能な、新幹線と並走している在来線特急が「踊り子」だ。この列車で東京―熱海間を往復すると特急料金は2720円。新幹線で往復すると特急料金3520円だ。これを往路は「踊り子」、復路は新幹線にすると乗継割引が適用され、特急料金は計2440円で済む。なんと「踊り子」での往復より280円、新幹線往復より1080円も安い。安くなるうえに速くなるなんて、詐欺なんじゃないか?  いやいやそんなことはないのだ。

 ■東京―三島間

 新幹線で熱海の1つ先の駅、三島へ往復する場合を見てみよう。特急「踊り子」で往復すると特急料金2860円、新幹線で往復すると特急料金3520円だ。これを往路は特急、復路は新幹線にすると乗継割引が適用されて特急料金は2470円。やはり特急での往復より390円、新幹線往復より1050円も安い。熱海も三島も1泊旅行にはちょうどいいだろうから、実用性の高い方法・区間ではないだろうか。

 ■横浜線沿線から小田原へ往復

 横浜線沿線から小田原へ行く場合、横浜まで出て特急「踊り子」で往復すると特急料金は1900円。新横浜から新幹線を使って往復すると特急料金は1980円だ。これを往路は特急、復路は新幹線にすると、乗継割引適用で特急料金は計1460円。やはり特急往復より440円、新幹線往復より520円も安い。

■関西方面でも使える区間が

 ■大阪―京都間

 近年の「追加料金を払ってでも座りたい」という需要に着目して、ついに2019年3月から新快速にも「Aシート」なる有料座席サービス車両が付いた。だが運行は1日上下4本のため、より運転頻度の高い特急や新幹線を使う人は多いだろう。大阪―京都間の短区間でも新幹線や特急の需要はありそうだ。

 大阪―京都間を在来線特急で往復した場合、特急料金は1320円。新幹線で往復すると特急料金は1740円だ。これを往路は在来線特急、復路は新幹線にすると、乗継割引適用で特急料金は1200円。特急往復より120円、新幹線往復より540円安くなる。そして片道当たり600円なので、500円のAシートよりも100円高いだけで済む。

 ■米原―名古屋間

 この区間は、在来線特急「しらさぎ」で往復すると特急料金2400円、新幹線で往復すると特急料金3520円だ。これを往路は特急、復路は新幹線にすると乗継割引適用で特急料金2360円。特急往復との比較では40円安いだけにとどまるが、それでも速く帰れるのだからこれはいい。ちなみに新幹線往復よりは1160円も安い。

 ■米原―新大阪間

 この区間は少しひねりが必要だ。在来線特急「はるか」「びわこエクスプレス」「ワイドビューひだ」で往復すると特急料金は3720円、新幹線で往復すると特急料金は5060円だ。だが、このままでは往路を特急、復路を新幹線にして乗継割引が適用されても3460円。在来線特急での往復より260円しか安くならず、効果は限定的だ。

 そこで、新幹線の特急券は京都で区間を分割(新大阪―京都と京都―米原に分割)して購入しよう(区間分割した特急券は、改札機に2枚重ねて投入して通過する)。そうすると、新幹線の特急料金は片道1860円で済む。この方法で往路は特急、復路は新幹線だと、乗継割引適用で特急料金は計2790円になる。特急往復より930円、通常の新幹線往復より2270円も安い。900円も浮いたら、さあ、あなたならどうするだろうか? 

■ちょっと高度? な乗り継ぎ技

 ■福井―名古屋間

 ここからはさらにテクニックが必要な節約術となる。福井―名古屋間を特急「しらさぎ」で往復すると特急料金は4400円だ。だが「しらさぎ」の半数以上は米原折り返しで、米原―名古屋間は新幹線に乗り継ぐことを前提にしている。米原で新幹線に乗り継いだ場合の往復特急料金は4720円だ。

 そこで、往路は名古屋までの全区間を「しらさぎ」にして、復路は米原まで新幹線、米原から「しらさぎ」にするとどうだろうか。これだと復路の「しらさぎ」にしか乗継割引が適用されないとお思いの方がいらっしゃるだろう。

 そこでもうひとひねりだ。新幹線特急券を岐阜羽島で分割して購入する。そして、往路の「しらさぎ」(福井―名古屋)と復路の名古屋―岐阜羽島の新幹線特急券を組み合わせて、まず乗継割引を適用。そして、復路の残りの区間は、岐阜羽島―米原の新幹線特急券と米原―福井の「しらさぎ」を組み合わせて乗継割引を適用すればいい。

 この方法で往路は「しらさぎ」で名古屋へ、復路は米原まで新幹線(特急券を岐阜羽島で区間分割して購入)とすると、特急料金は3440円!  なんと特急往復より960円、新幹線乗継で往復より1280円も安くなる。

(福井―米原間のみの特急料金は片道1200円、乗継割引なら600円)

 ちなみに指定席なら座席指定料金530円も乗継割引で半額(端数切り捨て)の対象となるので、特急のみで往復5460円、往復とも米原乗継で5240円のところ、3960円で済み、実に1280~1500円もの節約になる。

 ■金沢―名古屋間

 これも福井から名古屋へ往復する場合と同じ手が使える。特急「しらさぎ」で往復すると特急料金は4840円。米原―名古屋間を新幹線に乗り継いだ場合、往復特急料金は5720円だ。

 これを、福井―名古屋間と同じ要領で往路は特急、復路は米原まで新幹線(特急券を岐阜羽島で区間を分割して購入)だと特急料金は4050円。なんと特急往復より790円、新幹線乗継で往復より1670円安い。(金沢~米原間のみの特急料金は片道2200円、乗継割引適用で1100円)

■北陸から新大阪へ

 ■金沢―新大阪間

 北陸から名古屋へ出るケースで使った方法は、往路と復路で経路が違ってもできる。その実践にもってこいなのが北陸から大阪へ出るケースだ。

 まずは金沢―新大阪間。通常は特急「サンダーバード」で往復特急料金は4840円。指定席なら5900円だ。これを、往路は金沢から特急サンダーバードで新大阪へ、復路は新大阪から新幹線で米原へ、そして特急しらさぎで金沢へ、という乗り継ぎにするとどうだろうか。ちなみに、運賃はどちらの経路も同じだ。

 合計4170円と、実に670円も安くなる。さらに、指定席なら4690円で1210円も安い。実際には往復とも新大阪―京都間を新幹線に、京都―金沢間を特急にしたほうがさらに10円安くなるが、今回の案だと途中の乗り換えが復路のみで済む。

 ■福井―新大阪間

 通常は特急「サンダーバード」で往復特急料金は4400円。指定席なら5460円だ。この区間は金沢―新大阪間と同様の方法を使うことができる。

【特急料金】
往路:特急「サンダーバード」福井→新大阪:2200円
復路:新幹線自由席・新大阪→京都:870円
=乗継割引適用で「サンダーバード」特急料金が1100円に
復路(続き)
3) 新幹線自由席・京都→米原:990円
4) 特急「しらさぎ」米原→福井:特急料金1200円

=乗継割引適用で「しらさぎ」特急料金が600円に
 合計3560円と実に840円も安い。さらに、指定席なら4080円で1380円も安くなる。1300円ちょっと浮いたら、ラウンドワンでボウリングが2ゲームできるではないか。

 いかがだったであろうか。「ケチの極み」などといった声が聞こえてきそうだが、まさにそのとおり、これはケチの極みである!  大企業だって会社によっては億単位で法人税の支払いを合法的に免れている今、庶民が合法的な節約術で利益を享受して悪いことは何もない。共感いただけた方はぜひご一緒に、ケチの極みへ突き進んでいこうではありませんか! 

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最終更新:9/24(木) 5:11

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