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ソフトバンクグループがアーム株売却で一安心? 今後の投資戦略に注目集まる

9/24 12:01 配信

THE PAGE

 ソフトバンクグループが傘下の半導体設計会社英アームを4.2兆円もの金額で売却することになりました。同社は出資していたシェアオフィス企業の企業価値が下落するなど、一部で財務体質を不安視する声が出ていましたが、今回の売却によって状況は大きく改善しそうです。

 ソフトバンクグループは9月14日、アームの全株式を半導体大手のエヌビディアに売却すると発表しました。現金と株式の両方で売却代金が支払われることや、今後のアーム社の業績で一部の支払金額が変動することから、現時点で金額を100%確定することはできませんが、最大で400億ドル(約4兆2000億円)がソフトバンクグループに転がり込みます。同社がアームを買収したのは2016年ですが、当時の買収金額は約3.3兆円でした。約4年で1兆円を上乗せして売却できたわけですから、投資案件としてはほぼ完璧といってよいでしょう。

 ソフトバンクグループは、もともとはソフトの流通や出版を主業務とする企業でしたが、その後、英ボーダフォンの日本事業買収などを通じて通信会社に業態をシフトしました。さらに近年は中国の電子商取引サイト「アリババ」に出資したり、市場から巨額の資金を調達して、ライドシェア大手のウーバーに投資を行うなど、最先端企業に投資する投資会社としての色彩を濃くしています。

 当初は順調に投資事業を拡大していましたが、ここにやってきたのがコロナ危機です。同社の有力な投資先であるウーバーはコロナで配車の需要は減少したものの、むしろデリバリーの普及で追い風になっている面もありますが、一方でシェアオフィス事業を手掛けるウィーワーク(ウィーカンパニー)は大打撃となり業績が悪化しました。同社が投資先企業の価値を精査したところ大規模な減損が発生し、2020年3月期決算は1兆3646億円という過去最大の営業赤字に転落しました。

 もっともこの損失は投資先企業の評価損ですから、実際に同社からキャッシュが流出しているわけではありませんが、財務上のこの損失は何らかの形で穴埋めしなければなりません。同社は保有するアリババ株や通信子会社ソフトバンクの株式売却を進めてきましたが、今回のアーム売却はその総仕上げとなるものです。1兆円の利益を含む4兆円が入ってきますから、市場関係者の多くは、財務面での不安はかなり払拭されたと見ています。

 しかしながら、一連の株式売却はあくまで守りであり、攻めの戦略ではありません。今後、コロナの感染が終息しない中、同社がどのような投資戦略を描くのかが注目されます。

(The Capital Tribune Japan)

THE PAGE

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最終更新:9/24(木) 12:01

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