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菅新首相が強く求める携帯電話料金の引き下げ 「4割値下げ」が実現するとどうなる?

9/23 11:50 配信

THE PAGE

 菅義偉新首相が携帯電話大手3社への値下げ要求を強めています。通信会社を所管する総務大臣に就任した武田良太氏は、記者会見で「(携帯電話料金の値下げについて)一刻も早く結論を出したい」と述べており、携帯電話会社に対する包囲網は狭まっている状況です。

 安倍政権は携帯電話料金についてたびたび言及しており、各社に対して料金の見直しを求めてきましたが、一連の動きを主導してきたのは当時、官房長官だった菅氏と言われています。菅氏は自民党の総裁選に出馬した時にも携帯電話料金の見直しを公約として掲げており、首相に就任するとすぐに総務大臣に指示を出すなど本気度は高いようです。

 携帯電話の料金は利用状況によって変わるので一概に比較することはできませんが、格安SIMを使わず大手キャリアを選択し、大容量の通信を行うケースでは諸外国よりも高めという調査結果が得られています。日本の携帯料金だけが突出して高いというわけではありませんが、先進諸外国と比較すると日本人の賃金は安いですから、現実的な負担感が重いのは事実でしょう。

 菅氏は以前、4割ほど値下げの余地があるという発言を行っていますが、もし日本の通信料金が現状から4割下がると仮定した場合、通信料金の平均額や日本の世帯数などから単純計算すると、消費者の負担は3兆円近くも軽減されることになります。

 しかしながら、料金を4割削減すれば、携帯電話会社の収益が激減するのは確実でしょう。

 日本の携帯電話会社は次世代通信網である5Gの整備に関して、コスト削減の必要性から中国ファーウェイ(華為技術)製の機器を利用する予定でしたが、安全保障上の理由から政府が同社製品の事実上の排除を求めたため、各社は主に欧州企業からの製品調達に切り換えました。日本の通信機器メーカーは5Gの製品開発で出遅れているため、このままでは日本における通信インフラがすべて外国製品になってしまう可能性があり、一部からはもっと積極的に日本メーカーから製品調達を行う必要があるとの声も上がっています。しかしながら、日本メーカーからの調達に切り換える場合、研究開発費の援助も含めて、これまで以上に多額の費用がかかりますが、携帯電話の料金が4割削減されてしまうと、その原資を捻出できません。

 そうなってくると、アジア地域に日本製の5G製品を売り込み、中国を排除するというシナリオも実現が難しくなるでしょう。携帯電話の通信料金を強制的に引き下げる場合には、研究開発費の手当てとセットにしなければ、どこかにシワ寄せが行くことになります。

(The Capital Tribune Japan)

THE PAGE

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最終更新:9/23(水) 11:50

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