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酒飲みにありがたい「チーズのすごすぎる効能」

9/19 16:01 配信

東洋経済オンライン

ワインは飲むし、チーズも嫌いではない。でもパーティやお祝い事でもない限り、すすんで外国のチーズを買おうとは思わない。見た目が個性的すぎるし、味が想像できなくて怖い。わりとワインが好きで長年飲んでいる人でも、“チーズ”とはそんな関係を続けている人が多いのではないでしょうか。
そこで『図解 ワイン一年生』が10万部の大ヒットを博したのち、今度は「チーズの魅力」にとりつかれ、チーズプロフェッショナルの資格まで取得したワインソムリエの小久保尊さんが『図解 ワイン一年生 2時間目 チーズの授業』を出版。チーズの選び方について解説します。

 チーズは決して値段的に安いものではありません。下町の一庶民として堅実に生きている筆者が、それでもせっせとチーズを食べ続ける理由はなんなのでしょうか。

■チーズほど「完璧な食品」はない

 まずは単純に、手を加えずそのままでもう十分美味しい食べ物だからです。サラダ、パン、パスタ、チーズを足せば、あっという間に贅沢メニューになります。

 そういう「即効性のある美味しい食べ物」というのは、栄養が偏っていたり、身体に悪いものがほとんどですが、チーズは栄養食品としても“ほぼ完璧”です。「たんぱく質」も「カルシウム」も「ビタミン」もたくさん入っています。

 これまでの研究では、血圧を下げる、がん予防になる、虫歯予防になる、整腸作用、ピロリ菌をおさえる、安眠、2日酔いの回復促進などの効果がありそうだとまで言われています。

 最近ではスーパーやデパートのチーズ売り場でもチーズの品揃えが豊富なところが増えてきました。でも、みなさんが手にとるチーズはいつも同じような種類ではないでしょうか? 

 それはきっと、「美味しいチーズの選び方」かわからないという方が多いからだと思います。そこで、まずは「6タイプの王道」を食べてみるところから始めることをおすすめします。

 チーズは大きく分けて7タイプあります。日本人に一番馴染みのある「プロセスチーズ」はそれはそれで美味しいのですが、コーヒーで例えると「インスタントコーヒー」のようなもの。今回は一旦選択肢から除外します。

■「チーズの王道」6タイプ

 残る6タイプは、すべてナチュラルチーズです。すべてのチーズは、ミルクを温めるところから作られます。それに“レンネット”と言われる酵素、あるいは熱や乳酸菌を加えて固めます。そのあとどう仕上げるかによって、チーズは以下の6つのタイプに分かれます。

 [①フレッシュ]は、固めたミルクからある程度水を抜いて、「おしまい!」にしたものです。見た目は豆腐っぽく、あっさりしていて食べやすいです。

 [②ハード/セミハード]は、固めたミルクから水分を飛ばし、プレスして、数カ月から数年間「熟成」させたものです。見た目は昔のアニメでねずみがかじっているあのチーズです。旨味が強くて、中華用調味料のようです。

 [③白カビ]はチーズの表面にさらに白カビを吹きつけて「熟成」させたものです。見た目は「カマンベール」です。味は作り方によって大きく変わり、バターみたいな“お子様向け”もあれば、お漬物みたいな匂いがする“ツウ仕様”なものもあります。

 [④青カビ]はチーズに串を刺して青カビをつけて、そのカビを「繁殖」させたものです。見た目は、いわゆる「ゴルゴンゾーラ」。乳くさくて、塩気が強くて、舌がピリピリします。

 [⑤ウオッシュ]は塩水などで洗いながら「熟成」させたものです。見た目は、一瞬だけ焼き立てチーズケーキです。青カビとはベクトルの違う、納豆的なくささを放ちます。

 [⑥シェーブル]は山羊乳を使って、塩や木炭などをまぶして熟成させたものです。木炭をまぶしたものは、見た目がまるで石のようです。においは人によっては「動物園」を感じます。

 このように、匂いやクセが強いものも多いですが、一度食べていただいて、そのクセがいけると思ったら、どんどんハマっていけるはずです。

 自分好みのチーズを探したいと思ったら、どの順番で試していくのがよいでしょうか? 

 まず、なにはさておき最初におすすめするのはフレッシュです。これは老若男女、国籍を問わず美味しいチーズ。普通のチーズよりも、あっさりした味です。代表選手は「万人を優しく包んでくれる理想のお姉様・モッツァレラ」です。

 そしてフレッシュよりも“旨味”が欲しいと思ったら、ハード/セミハードを候補にしてもいいかもしれません。セミハードは、いい意味で一番プロセスの味に近く、そこに旨味が加わった感じです。

 ハードはより一層旨味を凝縮した感じなのですが、ナイフが通らないほど食感が固くなります。この固さが苦手な人は、スライサーで薄く削るなどして食べます。いずれも「クセはない」と言い切っていいほどです。

 ですから、家族みんなでチーズを食べるときなどは、フレッシュかハード/セミハードを選んでおけば安心です。代表選手は「イタリアチーズの女王&風紀委員長・パルミジャーノ・レッジャーノ」です。

■長い余韻を楽しめる「白カビ」チーズ

 さらにフレッシュよりも“生クリーム感”、あるいは反対に“クセ”が欲しいと思ったら、白カビはいかがでしょう。

 「白カビ=北海道カマンベール」だと思っている人は多いのですが、まったく違います。まず生クリーム添加された白カビは、とてもクリーミー。クセもほとんどなく、まるでバターのようです。乳脂肪分の表示が60%を超えてくると、生クリーム添加タイプになります。

 その一方で、熟成された本気の白カビは、ほどよくクセがあります。派手さはないものの、ちゃんとチーズの世界を楽しませてくれて、長い余韻を残してくれる。線香花火のように、実は一番、末永く愛されるポジションかもしれません。代表選手はフランスではカマンベール超えの人気を誇る「チーズの王様・ブリ・ド・モー」です。

 問題はここから先です。残る3タイプの青カビ、シェーブル、ウオッシュはいずれもインパクトが強いものが多く、ベクトルは違いますが、ひと言で言えばどれも完全に「くさい」です。

 ただそれに一度慣れた人は、そのくさみを感じることなく、ただ魅力だけを感じ取ることができます。少なくとも筆者のようなチーズヲタにとって、「くさい」は褒め言葉です。

■美味しくて「くさいチーズ」の選び方

 それぞれの「クセ」を完壁に言語化することは難しいので、食べたことがない人はぜひ実際に試して欲しいのですが、白カビよりも“刺激”が欲しいと思ったら青カビを、“酸味”が欲しいと思ったらシェーブルを、“まろやかさ”が欲しいと思ったらウオッシュを候補にします。

 それぞれの代表選手は、

 青カビなら「洞窟育ちの田舎娘・ロックフォール」

 羊乳独特のドロリとした口どけ。ちょっぴり辛い。世界三大ブルーチーズの1つでもある。

 シェーブルなら「曲がったことが大嫌いなラストサムライ・サントモール・ド・トゥーレーヌ」

 山羊乳独特の香りのハードルを越えたら、そこはグリーン・グリーンな見たこともない魅惑の世界。

 ウオッシュなら「フェロモンで悩殺してくる妖艶な女性・エポワス」

 チーズの中でもトップクラスの強烈な匂い。しかしいつの間にか「もっと欲しい」に変わってしまう魅惑的な美味しさ。

 いずれもまったく異なるディープインパクトがあるので、それを楽しんで受け止められる心と時間の余裕があるときに選びましょう。

東洋経済オンライン

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最終更新:9/19(土) 22:22

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