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品川リフラ Research Memo(7):日本の鉄鋼メーカーの足元の状況は厳しさが増す

8/5 15:07 配信

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品川リフラ2,529-117

■品川リフラクトリーズ<5351>の今後の見通し

日本の鉄鋼業界大手は、2020年3月期の業績が当初計画から大きく乖離したため、発表前に計画値を大幅に下方修正した。JFEホールディングスの鉄鋼セグメント利益は、第2四半期時点で、上期実績177億円に対し、下期予想を第1四半期時点の440億円の黒字から△177億円の赤字とし、通期で収支見合いとした。下期の実績は、264億円の損失となり、通期では87億円の赤字に転落した。ただし、棚卸資産評価損や固定資産廃却損など260億円を計上しており、“実力”ベースでは損益がほぼゼロの水準であった。

2020年3月期のJFEスチールの単独粗鋼生産計画は、第1四半期時点の2,800万トン(上期1,400万トン、下期1,400万トン)を、第2四半期時点で2,700万トンに引き下げ、実績が前期比1.6%増の2,673万トンとなった。実績は上期が前年同期比1.8%減の1,379万トン、下期が同5.5%増の1,294万トンであった。前下期に対する当下期の増加は、前下期の水準が低かったためである。2019年3月期は、自然災害や操業トラブルが多数発生した。2018年7月の西日本豪雨により西日本製鉄所倉敷地区(岡山県倉敷市)と福山地区(広島県福山市)が冠水し、主要設備に損傷がなかったものの、一時的に操業がストップした。倉敷地区の高炉1基が、2018年10月に設備トラブルで稼働停止となり、復旧が翌年まで持ち越された。2018年12月に、東日本製鉄所千葉地区(千葉市)の高炉1基に設備トラブルが発生し、生産を休止した。第3四半期(2018年10月-12月期)の単独粗鋼生産量は前年同期比11.6%減、第4四半期は同17.6%減と大幅に落ち込んだ。JFEスチールは、高炉トラブル対策チームを中心に、ベテラン社員の経験・ノウハウをすべて明文化し、全地区に水平展開と教育を実施することで、トラブル対処時間の短縮化と異常の早期検知の対策を講じた。

JFEスチールは、2021年3月期第1四半期(4月-6月期)の生産規模が、前期下期の水準に比べ25%程度低く、生産能力の7割程度と想定している。倉敷地区第4高炉を、4月末に休止し、高炉改修工事に着手した。福山地区第4高炉は、送風を止め、再稼働可能な状態で休止するバンキングを6月末から実施する。5月には、全社で一時休業を実施した。今後も鉄鋼需要の動向を注視し、需要に見合った柔軟かつ迅速な対応を実施する。中長期的には、競争力強化に向けた選択と集約を行い、国内生産体制を高炉8基から7基体制へ移行する。2023年度を目途に京浜地区(神奈川県川崎市)の上工程(製銑、製鋼)及び熱延設備を休止し、一部製品を除き、東日本製鉄所の機能を千葉地区に集約する。粗鋼生産能力は約400万トン、約13%削減される。

同社の事業は、粗鋼生産量との相関性が高いため、2021年3月期第1四半期に売上高で鉄鋼メーカーの減産体制の影響を受けるだろう。エンジニアリング事業は、端境期に当たるため、売上面では厳しい状況にある。JFEスチールの国内設備投資計画で今期予定されているのは、共同火力発電所2号機の新設と新連続鋳造設備の稼働である。2022年3月期は、工事規模500億円の倉敷地区第4高炉の改修と福山地区第3コークス炉B団の稼働が予定されており、同社にとってのビジネス機会がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《NB》

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最終更新:8/5(水) 16:03

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