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コロナでロックダウン継続中、米国不動産の状況は

7/15 11:00 配信

不動産投資の楽待

2014年から米国に移住し、同カリフォルニア州で戸建て物件投資を行う不動産投資家・石原博光さん。

今回はロックダウンが続く米国・カリフォルニアの様子や、不動産投資市況への影響など、最新の状況を語っていただきました。

■ロックダウンは継続中、感染者も再度急増

こんにちは、石原博光です。ご無沙汰しております。新型コロナウイルスが全世界で猛威を振るっています。日本における緊急事態宣言は解除されたということですが、都内をはじめ感染者数は増加しているとも聞いています。警戒を怠らないようにしたいものです。

今回は、僕の生活や不動産賃貸業について、近況をお話したいと思います。

僕の住むカリフォルニア州では、現在でもロックダウンが継続中です。ただし、ロックダウンを開始した3月当初よりは、出来ることは増えたと思います。ショッピングモールをはじめ、食料品以外の小売店も営業を再開しています。6月には店内での飲食も一部で可能になったのですが、住民の警戒心は強く、ドライブスルーによるテイクアウトが人気のようです。僕もまだ店内で飲食をしようとは思いませんし、食料品もまとめ買いすることで、なるべく非接触に努めています。

また、現在は感染者が再び急増しているため、7月からは、58郡中ロサンゼルスを含む19の郡では店内での飲食が再び禁止となってしまいました。

■お刺身との再会と、緊急閉鎖したスーパー

今も公園くらいしか出かけられるところはありませんが、最近は日中の温度が40度を超える日もありますので、公園で運動するのは危険すぎます。さらに通っていたスポーツクラブがつぶれてしまったことも後押しとなって、室内用のトレッドミル(ランニングマシーン)を購入しました。

ただ、考えることはみんな同じだったようで、通販サイトは軒並み在庫切れ。買えるのは以前より1.5倍くらいの値段のものだけになっていました。

特にロサンゼルスなどの大都市圏での感染者急増が目立っていますが、ロスに住む知人に聞いたところによると、やはりみんな感染が怖いので、住民同士、会うこともほとんどしていないようです。

ロスにはよく行く日本食品店があったのですが、コロナや後述の暴動騒ぎがあり、僕も3月からずっと買い物を控えていました。しかし、これまで大切に食べてきた納豆の在庫(冷凍保存しています)が尽きかけて、意を決して先日ロスまで買い物に行ってきました。約4カ月ぶりのお店は、以前と変わらない品ぞろえで感激しました。特にお刺身との再会は、涙が出るほどうれしかったです。今は、確保した日本食品を大切に、大切に食べています。

ちなみに、日本でも大きくニュースになっていたようですが、黒人男性が白人警官に殺害された事件以降、米国全土で連日デモが行われていました。治安にも影響があり、今は解除されていますが、カリフォルニアでもエリアによって夜間の外出禁止令が出されていたほどです。

お店の打ちこわしを警戒し、地元のウォルマートなどのスーパーも緊急閉鎖。略奪や破壊といった行為はだいぶ収まりましたが、Amazonの配送トラックが襲撃されたり、デモ側とそれをつぶそうという団体がケンカしたりということもありましたし、僕の住む町でも、デモ行進中の黒人男性が襲われて、ひき殺される事件がありました。普通の大多数の人の生活に大きな影響はありませんが、やはりちょっと怖い思いをしています。

■1カ月分、家賃猶予もしたものの

僕はカリフォルニア州ベーカーズフィールドに貸家を5軒所有していますが、コロナ禍にあって、そのうちの1軒から1カ月の家賃支払い猶予のお願いがありました。入居者さんに話を聞くと、「コロナの影響で仕事が途絶える。でも、失業保険が最大6カ月間もらえるから、1カ月後には支払える」ということでしたので、事実関係の証明書を確認させてもらうことを条件として、1カ月の支払い猶予をOKしました。今は通常通りお支払いいただいています。

また、米国では1年ごとの賃貸借契約の更新が一般的なのですが、コロナの時期に所有物件でも2軒で更新時期を迎えました。そのうち1軒は家賃据え置き、もう1軒は家賃を50ドル(約5000円)上げることができました。

据え置きにした物件の入居者さんは、ちょっとしたことは自分ですべて済ませてくれる人。大家の僕に対するリクエストもほとんどなくて、とてもありがたいテナントです。なので、更新の際にも「リクエストが少なくて、大変ありがたい」ときちんとお伝えした上で、家賃を据え置きにすると話しました。こうすることで、今後も面倒をかけずにいてくれる可能性が高まりますよね。

一方、値上げした物件の入居者さんは、結構な頻度でさまざまな要求をしてきます。1~2カ月連絡がないな~と思っていると、突然大きなトラブルの連絡(物件の瑕疵かテナントの過失かあいまいなクレームなど)をもらったり…。周辺相場と合わせるという意味もあって家賃値上げを行ったのですが、こういう時、やはり面倒が少ない入居者さんを優遇したいと思ってしまいます。

■不動産賃貸業への影響は少ないか

ちなみに、管理会社や周囲の大家仲間にも聞いてみたのですが、コロナの影響で家賃を減額した人、据え置きした人、更新のタイミングで値上げした人、さまざまでした。こうしてみると、不動産賃貸業における影響は少ないのかな、と考えてしまいます。

米国では国民と永住権を持つ人全員に、大人は1人1200ドル(約13万円)、こどもは500ドル(約5万円)が給付されましたし、カリフォルニア州では失業保険も最大6カ月間となっているなど、手厚いものがありました。公共料金も支払いに困るようであれば猶予するというアナウンスもされていましたし、状況次第では、減額プログラムも用意されています。

自動車保険も、「コロナで車に乗る時間が減り、リスクが減った」ということで、その分が自動的に返金されました。政府がタイミングよくスピード感を持って対応していることもあり、生活に困って食べられないという人は想像以上に少ない印象があります。さらに、給付金については8月に2回目を配るという噂もあります。まだ確定ではありませんが、いろいろと制限されている状況下では、本当にありがたく思います。

■賃貸市況は「忙しい」

コロナを受けて、アメリカでも不動産業界のオンライン化が急速に進みました。特に賃貸物件探しにおける物件案内(内見)は、エージェントが事前に撮影した物件の動画によるバーチャルツアーが主流になっています。利用者も、「こういう状況だし仕方ないよね」という感じで、あまり抵抗感はないようです。不動産会社とのやり取りも電話かメール、テキスト(SMS)がメインです。

方法は変わったものの、市況への影響はないようです。僕がお世話になっている管理会社では、契約前には現地で業者立ち会いのもと、入居予定者が実際の物件確認を行うことにしています。そこから話が進み、契約書を取り交わすとなったときだけ、コロナなどの免責事項に署名をしてからオフィスに入室できる仕組み。消毒やソーシャルディスタンスを保つなどを徹底しているそうで、このように手間のかかる状況下でも、例年通り夏場はお客さんが増えてものすごく忙しいのだとか。

また、テキサスで管理会社を経営する友人の話では、彼は顧客とほとんど会うことなく案内から契約までをこなしていて、見学は現地に備えた鍵で問題ないそうです。賃料についてもコロナの影響はなく、とても忙しいと教えてくれました。日本のような印鑑文化でもなく、デジタル署名も進んでいますので、投資家も一般の方も、こうした状況をすんなり受け入れているように感じます。

■物件内見のハードルが上がった

僕はリアルターとして実需物件や収益物件の仲介も行っていますが、売買の場合、大変なのはやはり物件の案内です。

大きなお金が動きますから、内見はほぼ必須になります。その際には、マスク着用、手袋着用、シューカバー着用。しかも使いまわしは厳禁。コロナのリスクに関する承諾書に署名をもらわないと内見不可で、かつ、物件の名義人(予定)しか内見できません。

中に入っても、見学者は戸棚などに触れることが許されないので、こちらが逐一動かしたり開けたりしなくてはならず、結構な手間です。「95%買います」くらいの方でなければ、内見も気が進まない状況です。

ロックダウン直後は現場もかなり混乱しましたが、安全担保のためのガイドラインが作られ、州からの許可を得て、今のスタイルに至っています。ほかの州でもおおよそ同じかと思います。

リアルターも、これまでは感染リスク軽減のため、オフィスではなく自宅で仕事をせざるを得ない状況でしたが、6月からはオフィスで仕事をしても良いことになりました。ただ、内見の時の対応自体はそのままで、まだまだ大変な状況ではあります。

■売り控えの中、良い物件はあっという間に売れていく

ベーカーズフィールドの話ではありますが、物件の売却をしようという人が減りました。売り控えです。様子を見ようという意識が働いたのでしょう。前年同期比で、売り物件の数は3割減となっています。ただ、この状況でも家を買いたい人達はいますので、良い物件が売りに出ると、あっという間に、しかも高値で売れてしまいます。こういう影響もあって、平均の成約価格は6~8%上がっています。建物における1スクエアフット(約30センチ四方)の取引単価も、昨年は146ドルだったのが、今年は153ドルと上昇しています。

物件の総数は減ったものの、良い物件であればより高く、より早く売れるので、結果として、優良在庫が減少している状況だと言えるでしょう。

コロナによって、物件価格が急激に下がっている、という状況は現在のところ訪れていません。ただ、不動産価格は景気指標として遅効性がありますので、今の段階でどうなるかは注視するしかありません。

他方で、銀行の中には、借り手の信用力が低下すると予想して、住宅ローンを申し込む時のクレジットスコアを700以上(従来は620以上が平均的な水準でした)へと上げたところもありますし、コロナ禍を物件を安く仕入れるチャンスとみて、現金買いに動く人も多いです。「物件を売りませんか?」というテレアポやはがき(今日1日で3通受け取りました)も最近増えた気がします。

■商業物件の難しさ

コロナを経て、僕は不動産賃貸業における住居系の優位性を改めて感じるようになりました。こうした世界的な危機の中でも、大打撃を受けることなく、びくともせずに家賃収入を得ることができ、大変ありがたいと感じます。もっと言えば、家を買う人がいなければ物件を借りてくれますし、家を買う人が増えれば不動産市況は活況になり、物件の資産価値が高まります。

ただ、商業物件はやはり難しいものがある、というのも感じるところではあります。「サブプライムローンの商業物件バージョンが危険水準である」という話も、今夜のビジネスミーティングで話題に挙がりました。つい先日も、由緒あるデパートですら倒産しています。

インターネットで物を買って生活をする。テイクアウトをして、家で食事をする。実際の店舗に足を運ぶ機会がなくなるのは寂しい面もありますが、余力がなく、店をたたむ流れはしばらく増えていくのかもしれません。そうなると、やはり安定的な収入にはつながりづらく、商業物件が市場に安く出てきたとしても、手が出しにくいですね。



今回はコロナとアメリカ不動産、そして近況などをお伝えさせていただきましたが、現地の様子を感じていただき、日米不動産の比較を通して、今後の投資方針などのご参考にしていただければうれしいです。

世界的な景気変動の中、タイミングがつかみにくい局面ではありますが、自分の中では住居系にとどまり、短期的な景気の波に惑わされることなく、中長期の所有を目指しながら資産を育みたいとの思いがますます強くなりました。この度もありがとうございました。

不動産投資の楽待

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最終更新:7/15(水) 11:00

不動産投資の楽待

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