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上司に逆ギレされない部下になる断り方の極意

7/14 8:10 配信

東洋経済オンライン

ホントのところはイヤなのに、頼まれごとを断れない。気が進まないのに、誘われると断りづらい……。そういう人はとても多いようです。断ると相手との関係性が悪くなるうえ、社内の空気も悪くなる。その後気まずくなるのは避けておきたい。そんな思考で「ええ……ぜひ」と答えてしまうわけです。
相手との関係性を壊さず、しかしきっちり断れる言い方はないものか?  言いにくいことをハッキリ伝える切れ味鋭いコメントで、メディアで活躍中の野々村友紀子氏が、氏の新刊『ハッキリものを言って嫌われる人、好かれる人の伝え方』をもとに解説します。

■しっかり断らないと損をする

 忙しくて、ただでさせパンクしそうなのに「上司の命令だから……」と言われるがまま、キツい仕事をねじこまれる。また、渋々行きたくもない飲み会に足を運ぶハメになる。こんな経験をしている人は多いでしょう。けれど冷静に考えると、断れず、いやいや「イエス」と言ったほうが、憂鬱になりませんか? 

 本当はイヤだという気持ちを抱いたまま行った飲み会が楽しいわけがありません。心身ともにツラいのに、無理やり仕事を押し込んだら、心身を病んでしまうことだってあるでしょう。

 残念ながら世の中には、悪意がある人もいます。「はっはーん。この人は何を言っても断れないタイプだな」と解釈されたら最後、どんどん行きたくもない会合や、ムリめの仕事を押しつけられてしまうかもしれません。ただ、おかしな断り方をして完全に関係を切らないほうがいい相手もいます。というか、そのほうが多い。ではそんな時、どうやって断ると角が立たないのか? まずお勧めしたいのが、断るのではなく、相談する方法です。

 「明日までにこの資料まとめといて!」とてもじゃないけれど、手が空いてない状態なのに、上司から仕事をねじ込まれた。断りたい、けれど、自分は押しが弱い。そんなときは「イヤです!」「ムリです!」ではなく、こう言ってみてください。

 「すみません、ちょっとご相談なんですが……」

 「イヤ」「ムリ」と拒絶されて喜ぶ人はいません。ところが、部下に相談をもちかけられて喜ぶ人はけっこう多いもの。「なになに、どうした?」と返してくるはずです。そこで相談するのです。「実はいま別件の資料づくりを進めているところで、とても手が離せません。課長の資料もぜひお手伝いしたいのですが、私の力量ではとても明日までにはムリで、お受けできないんです。どうしたらいいでしょうか?」 相談の形をとっていますよね。けれど、よく聞くとしっかり断っています。

 そして相談をもちかけられた上司は、自然と解決策を考えざるを得なくなる。「うーん……それなら、あさってまでならできそうかな?」「そうか。仕方ないな。じゃあ、別の人に頼むか」。気がつけば、あなたの敵ではなく、味方となって、妥協策を練ったり、あきらめたりしてくれる、というわけです。自分から「ムリです」と言うのではなく、いわば相手に「ムリかな」と言わせてしまう、合気道のような断り方。押しが弱いなら、相手の力を利用してしまえ、です。

 では、上司から飲み会に誘われたときはどう断るか。ここで、誘う側の心理をひもといてみましょう。「これからご飯でも行く?」とか「今週末、飲み会あるんだけどどう?」と声をかけるくらいだから、本当は「ぜひ!」「行きます」「行きたい!」という前向きな答えを、期待してしまっているわけです。

 なのに「別件が……」「ちょっと都合が……」とにべもなく、あっさりドライに返される。そもそも誰だって「断られる」のはイヤなものです。そのリスクを負って誘っているのに、さらっと断られたら、つらい。さみしい。はずかしい! だから、大切なのは誘ってくれた相手をさみしがらせないように、「ぜひ行きたい!」という気持ちはちゃんと示すことかな、と思います。

 たとえばあなたが会社から帰るタイミングで「どう?  これからご飯行かない?」と先輩に誘われたとします。しかし、今日は気が進まないとか、別に用事がある場合はこう言うのです。「えーっ!?  なんで今日なんですか! 今日に限って別件が入ってるんです。次は、ぜったい行きますのでまた誘ってください!」まぁ、ちょっとやりすぎかもしれません。加減はお任せします。でも、多少おおげさでもイヤな感じはしないはずです。

■好感度が上がる「逆ギレおことわり」

 「めっちゃ行きたいのに」というマインドがあるから、「でも、行けない」という自分が置かれた立場に対して、イラ立ち、もがき、逆ギレしている。そんな複雑な、断る方の心理を全面に押し出した断り方が、この「逆ギレおことわり」なのです。言われたほうは「そんなキレるほど行きたかったなんて……」と断ったのに、あなたへの好感度は上がります。

 大切なのは、「断る理由ではない」ことです。誘いにのれない理由は言わなくてもいいのです。むしろ大切なのは「本当は行きたい!」という気持ちを、ウソでも、しっかりと、多少おおげさに伝えること。ウソではなく本心なら、ちゃんとそれを見せるのです。断られるリスクを背負い、多少なりとも勇気を出して自分を誘ってくれた相手への敬意として、大人のマナーとして、相手を思ったちょっとした工夫は必要じゃないかな、と思います。

 ただ、この「逆ギレおことわり」は弱点もあります。毎回やっていると「あれ、本当は行きたくないだけでは」と思われる危険が十分にあります。あるいは「次って、いつならいい?」と次回は逃げられない約束をさせられるリスクがあるのが問題です。

 最近はメールで来た誘いや依頼を、メールで断らなければならないケースも多いと思います。とくに仕事の依頼などをどう断るか。ビジネスメールなので文章は硬め。それに対する「おことわり」のメールも当然、硬めのビジネス調になるのがふつうでしょう。私の仕事の場合はこんな感じです。「このたびはお声がけいただき、誠にありがとうございました。ただ残念ながら、その間は別の撮影が入っておりまして、大変残念なのですが……」といった具合です。

 もちろん、これでも問題はありません。ですが、きちっとお断りしたうえに、「次回こういう企画があったら本当にぜひやりたいです」という前のめりの気持ちを思い切って素直にそのまま織り込めば、同じ断りのメールでも「次につながる断り」になるかもしれません。「このたびはお声がけいただき、誠にありがとうございました。ただ残念ながら、その間は別の撮影が入っておりまして……」と、最初は丁寧に断ったうえで硬いビジネスメールに、あえてフランクな口語を入れてみます。

 「このお仕事、ほんっとにやりたかったです!  もし次のチャンスがあれば、ぜったいに声かけてくださいね!」 こんな風に、お決まりの定型文を最後にポーンと脱出してしまうのです。「あーあ!  それにしても残念です!」でもいいでしょう。きっちり失礼なく断ったうえで、思わず本音が流れ出た感じで、うそ偽りのない素直な気持ちを文面に入れ込むのです。

 すると、受け取った相手は、定型のビジネスメールの中に入った、この喋り言葉のような文面に「ああ、本当にやりたかったんだな。じゃあ次も声をかけようかな」と思ってくれるのではないでしょうか。もちろん、フランクすぎず、立場をわきまえた言葉選びは必要ですが。

■感情的な言葉が距離を近づける

 ビジネスだからって本気の気持ちを、嫌みなく伝えるのは悪いことではありません。考えてみたら、そもそも敬語は相手との距離をとる言葉です。裏を返すと、親しくなれない言葉と言えます。本来、敬語をつかうべき相手だけど、「うわあ!」とか「くやしい!」といった、敬語でもなんでもない、感情的な言葉をあえてつかうことで、逆にぐっと相手との距離が縮まる。適度なフランクさは、場合にとっては、“かわいげ”にもなります。

 これは断るときに限らず、メールの文章全般に言えることです。 悪気はないけれど、どうも冷たく見られがちな人、慇懃無礼なタイプに思われる人こそ、試してみてください。失礼に当たらない範囲で感情を織り交ぜ、断る。断っているんだけれど、結果として相手との距離をぐっと近づけるチャンスになるかもしれません。

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最終更新:7/14(火) 8:10

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