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コロナの影響で最低賃金1000円に暗雲、賃金よりも雇用が優先?

7/10 8:01 配信

THE PAGE

 最低賃金1000円を目指すという安倍政権の基本方針に暗雲が漂っています。最低賃金引き上げの目安を決める厚生労働省の審議会では慎重論が目立っており、上げ幅縮小はほぼ確実な情勢です。賃金を上げなければ景気が良くならないという意見がある一方で、新型コロナウイルスの影響で雇用が脅かされており、賃金よりも雇用確保を優先すべきとの声も聞かれます。最低賃金はどうなってしまうのでしょうか。

引き上げ幅縮小はほぼ確実に

 最低賃金は都道府県ごとに決定されますが、現時点における全国の平均値は901円となっています。もっとも高いのは東京で1013円、最も安い県では790円です。安倍政権は賃上げがデフレ脱却のカギを握るとして、最低賃金1000円(全国平均)を早期に実現するとの目標を掲げています。しかし、最低賃金を1000円に引き上げるという目標については、日本商工会議所の三村明夫会頭が、地方の中小企業に重大な影響が及ぶとして否定的な見解を示すなど、経済界からは慎重な意見が相次ぎました。このため最低賃金の目安を決める厚労省の審議会での議論に注目が集まっていたのですが、このタイミングで発生したのが新型コロナウイルス問題です。

 安倍首相は新型コロナウイルスの影響で中小企業が厳しい状況に置かれていることから、賃上げについては「中小・小規模事業者が置かれた状況を考慮し、検討してほしい」と述べ、事実上、賃上げの凍結を示唆しました。厚労省の審議会でも慎重論が出ており、引き上げ幅の縮小はほぼ確実な情勢です。

賃金下がり、雇用も減る最悪のケースも

 日本の労働者の賃金は先進諸外国と比較すると著しく低く、これが経済成長の足かせになっていることは間違いありませんが、一方で、経営が苦しく、人件費負担に耐えられない企業が多いのも事実です。一部の専門家は無理に最低賃金を上げると地方経済が破綻すると指摘しています。

 今回のコロナ危機では一部の労働者が職を失ったほか、仕事がないため事実上、休業状態に置かれている人も少なくありません。厚生労働省の調査では約600万人が休業しているとのことですが、休業手当が支払われなければ失業と同じです。

 賃金よりも雇用を優先すべきというのはその通りですが、最低賃金の上げ幅を縮小すれば、その分だけ雇用が増えるとは限りません。最悪のケースとしては、賃金も下がり、雇用も減るという状況になることもあり得るでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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最終更新:7/10(金) 8:01

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