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仕事で「スルーされる人」は3要素が足りてない

7/8 8:01 配信

東洋経済オンライン

「せっかくいいアイデアを思いついたのに、伝え方が下手でよさが伝わらない……」そんな悩みを抱えている人も少なくないのでは?  出版界のヒットメーカーとして知られる柿内尚文氏は、さまざまな思考法を駆使してアイデアを出すだけでなく、その「伝え方」にも策を凝らしているそう。そんな柿内氏に、「相手に伝わる3つのキーワード」を教えてもらいました。

■3つの視点で共通点を見つける

 いくらすばらしいアイデアを考えたとしても、すごい商品やサービスを開発したとしても、伝え方を間違えてしまうとその魅力は伝えたい相手になかなか届きません。

 世の中には伝え方に失敗しているケースが多々あります。「価値がわかりにくい」「伝えるポイントがずれている」など残念な伝え方になってしまっているのです。

 せっかくいいものなのに、伝わらないのはもったいない。

 価値や魅力を伝える方法はいろいろあると思いますが、そのひとつに「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」という3つのキーワードがあります。

 はじめて会った人なのに、話がすごく盛り上がったなんて経験ありませんか? その理由は「共通点の発見」にあるのではないでしょうか。出身が同じだった、趣味が同じだった、共通の知人がいた……などなど。人がなにかに関心を示したり、興味を持つのはどんなものか、考えるときのキーワードの1つが「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」です。

 「自分ゴト」は自分の関心があること。

 「あなたゴト」は家族、友人、会社の同僚など、自分と関係が深い人や自分に近しい人に関係があること。

 「社会ゴト」は社会的関心や流行などです。

 この3つの要素が重なると、人の興味はグッと高まります。商品やサービスならば、購入欲求の高まりにつながります。

 相手を説得したいとき、大切なことを伝えたいときに、この3つの要素を会話の中に入れてみてください。納得感が大きく増すはずです。

 例えば、僕はコーヒーが大好きなんですが、コーヒーショップの店員さんにこんなことを言われたら、そのコーヒー豆、即買いです。

 「柿内さん、コクがあって、苦いコーヒーがお好きでしたよね?  このコーヒー豆は、まさに柿内さん好みの味なんです。しかも香りがすごくいいので、休みの日の朝、柿内さんがこのコーヒーをご自宅で淹れたら、家じゅうにコーヒーのいい香りが充満して、奥さまやご家族の方も気分よく週末の朝が迎えられると思いますよ。ちなみに、この豆はフェアトレードの豆なので、原産国のコーヒー豆を作っているエリアの地域貢献にもなりますよ」

 これは、まさに「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」がすべて入っているトークです。

 実はこの3つの要素、恋愛にも活用できます。

 気になる人ともっと近づきたい。そんなときは会話の中に、気になる人にとっての「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」をうまく盛り込んでいってください。

 相手が関心のあることを話すのはもちろん(「自分ゴト」)、その関心ごとを「社会ゴト」と結びつけることで、興味を高めることができるはずです。さらに「あなたゴト」を盛り込むことで、「私(僕)のことをいろいろ考えてくれる人」という印象を残すこともできるかもしれません。

 「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」は、興味を生み出す要素です。この3つの要素があることで、人は納得感を高め、行動を後押しします。

 例えば商品やサービスであれば購入に向かいますし、人間関係であれば相手との距離が縮まるわけです。

■キャッチコピー化で価値を伝える

 また、価値や魅力をズバリ伝えたいときには「キャッチコピー化」も有効です。

 例えば、「初日の出」は、なぜ価値があるのでしょうか? 

 毎日、日の出はあるのに、「初日の出」は特別なものです。つまり価値化された日の出ですよね。その価値化を表現するのが「初日の出」というネーミングです。ネーミングそのものがキャッチコピーとなっていることで、もともとの由来を越えて、より多くの人に価値化されています。

 表現1つで、イメージは大きく変わります。

 例えば私が関わった書籍に『はじめての人のための3000円投資生活』『医者が考案した「長生きみそ汁」』というベストセラーがあります。例えば、この2冊の本のタイトルが違うものだったらどうでしょうか? 

『はじめての人のための3000円投資生活』
→『3000円からできる少額投資生活』
『医者が考案した「長生きみそ汁」』
→『医者が提言! 健康のためにみそ汁を飲もう』

 タイトルがこう変わるだけで、本の魅力がダウンしているように感じます。

 言葉にするということは、頭の中のモヤモヤや不確実なものに輪郭を与え、解像度を上げていく作業です。「キャッチコピー化」は、言語化したものをさらに魅力的なものに昇華させることをいいます。

■魅力的な言葉を日頃から「貯金」しておく

 では、キャッチコピー化はどうやってやればいいのでしょうか。

 プロの編集者やコピーライターも苦労する作業ですから、簡単にできるというわけではありません。ただ、プロじゃないとできないわけでもありません。

 僕がおすすめするのは「言葉貯金」です。

 日々の生活の中で出会った魅力的なキャッチコピー、心に響いた名言、気になった言葉、そういう言葉をすべてノートやスマホにメモしておきます。そしてキャッチコピーを考えるときに、それを見返すのです。

 例えば、僕はこんなことを「言葉貯金」しています。実用書を作ることが多いので、よりそこに結びつきそうな言葉を書き込んでいます。

 神の手、内臓過労、出汁女、夏ストレッチ・冬ストレッチ、○○パウダー、○○食堂、悩んだ分だけ君はもっと高く飛べる、ハイブリッド○○、○○なのに○○、限界を越えて行け、疲労カレンダー、疲労3兄弟、潜在疲労度、創造力の方程式、○育、○活、前へ、いきなりピーク、専門家ブランディング、○○プレイバック、勝って喜んでいるうちは勝ったことにならない、高解像度、カレー粉力、カレーから揚げ、クリエイティブソリューション、大人の○○、○○チャージ、敵は習慣と忘却、最速で○○、クリエイティブの教養、クリエイティブハンター、ケチャドバ○○、○○の嵐、○○ヒーリング、鬼速○○、超速○○、バリューデザイン、3大○○、○○プロフェッショナル、魅力化、7つの質問、ゆる人、ノート熟成、○○脳、脱○○、○○専用、自分が高齢になるということ、先延ばし力、○○チェンジ、○○ハラスメント、凡人の逆襲……。

 ここに挙げたのはほんの一例です。ここでは短いワードだけ紹介しましたが、短いワードに限らず長めの文章まで、とにかくストックしています。そして、なにかを考えるときに見返すと、言葉がさまざまなヒントを投げかけてくれます。

 さらに、それをノートやスマホに書いていくことで「魅力的な言葉とはどんなものか?」という感覚が自分の中に入ってくることも、「言葉貯金」のいいところです。

 企画書作りやプレゼン、セールストークなどにも役立ちますので、ぜひ実践してみてください。

東洋経済オンライン

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最終更新:7/8(水) 8:01

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