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「カモフラージュ闇金」に手を出すな!これから借金デビューする人の鉄則

7/5 12:00 配信

マネー現代

(文 福田 亮) 新型コロナウイルス感染症の影響により、企業の売上減や事業の停止、倒産などが全国規模で起こり、多くの労働者が影響を受けている。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、経済活動が回復するのはまだまだ先のことになるだろう。

 勤務先の急な倒産、休業による収入ダウン、経営状態の悪化による解雇などによって経済的に立ちゆかなくなり、借金を考えはじめる人も多い。

 「お金を借りてその場をしのげればいいという考え方は大変危険です。借金をする前に、おさえておくべきポイントというものがあるのです」

 そう語るのは、これまでに1万件もの借金問題を解決し、総額12億円以上の過払い金を回収してきた司法書士で、著書『借金は9割返せる! 』が話題の福田亮氏だ。福田氏から、初めて借金をする際に気をつけるべきポイントについて話を伺った。

良い借金と良くない借金

 借金には、「良い借金」と「良くない借金」があります。

 良い借金というのは、その借金によって新たな利益を得ることができるもの。たとえば、設備投資のための借金とか、広告費や材料費に充てるための借金です。手元の現金が足らないので借り入れはするものの、借りたお金を原資に事業を回し、それ以上の利益を得るための借金は、良い借金と言えます。

 それに対して、良くない借金というのは、「良い借金以外の全ての借金」のことを指します。浪費やギャンブルなどはもちろんのこと、食費や家賃のためのいわゆる生活費のための借金も、良くない借金です。

 ギャンブルと生活費を同列として扱うことに違和感を持たれるかもしれませんが、今後の生活を苦しくする借金という意味では、同じ仲間なのです。

 生活費が足りないなら、まずは家計簿をつけて生活を見直しましょう。

 私が司法書士として借金問題解決の依頼をこなしてきた経験上、「どんなに節約してもお金が足りないんです」という方でも、私のほうから「では今月から、1円単位で毎月正確な家計簿をつけてみてください」とお願いすると、「家計簿をつけはじめてみたら、意外なほど多く無駄な支出がありました。最初から家計像をつけていれば、借金なんてしなくて済んだのに…」とおっしゃる場合が多いです。

 家計線を正確につけることで、家計の無駄が「見える化」しますので、家計簿は是非つけるようにしてください。

 それでも足りなければ、親や親戚など、身近な人に相談すべきです。とはいえ、このご時世ですから、親戚から援助を断られることもあると思います。そうなったら、行政による新型コロナウイルス感染症に伴う各種支援や生活保護などに頼る。この順番で検討すべきです。

 また、浪費やギャンブルについては、お金が無いなら絶対にやってはいけません。コロナの影響で経済的な苦境に立たされているというのに、浪費やギャンブルに興じている場合ではありません。

まず考えるべきは借金以外の解決法

 生活が回らない場合、借金をせずに解決できる方法をまず考えましょう。

 生活費での借金というのは非常にやっかいです。足りないのは今だけではないことがほとんどでしょう。今月足りなければ、来月もやはり足りないというのが生活費。生活の立て直しをせずに安易に借金をしてしまうと、毎月雪だるま式に借金が増え続けることになってしまいます。

 生活費が足りないことを家族に内緒にしている場合には、まず家族に打ち明け、しっかりと話し合うことが重要です。家計簿をつけ、家族で協力しても、やはり今後もお金が足りないことが予想される場合には、借金をするのではなく、生活保護などの支援を申請するべきです。

 もし、今だけ借りれば、今後は何とかなるという見通しの立っている場合には、借金というのも選択肢の一つに入るでしょう。

 たとえば、安い物件に引っ越しする際の費用を借りるという場合、引っ越し後は家賃の負担が減って金銭的な余裕がでてくるのであれば、一時的な借金をすることも有効です。その際は、最初に借りる金額を決め、その金額だけを借りるようにしましょう。

 私はこれまで、1万件を超える借金問題と向き合ってきました。債務整理をする人のほとんどは、生活自体が回らなくなっているケースです。お金が足りない状況がこの先も続くと分かっているのに、今月をしのぐためにお金を借りる。その結果、元金はおろか利息すら払えなくなり、あっという間に限度額いっぱいの借金を抱え、最後は破産してしまいます。

 生活が回らない場合、借りたところで返せるあてがありません。親戚からの援助や生活保護など、借金以外の方法で生活を立て直す必要があります。

どこから借りるかが、今後の生活を左右する

 借入先を検討する際の優先順位は

 1.親族
2.行政
3.銀行
4.消費者金融・信販会社

 です。これはそのまま、「利息・手数料が少なくて済む順番」です。

 今すぐお金が欲しいという方は、往々にしてその後払う利息の金額について失念してしまいがちですが、例えば50万円を年利18%(これは多くの消費者金融が設定している金利です)で借りれば、50万円×0.18÷12=7500円ですから、翌月の返済額のうち7500円は利息に当てられてしまいます。もし月1万円の返済であれば、元本は、2500円しか減らないのです。

 お金を借りるときには、必ず、「この金額を借りたら利息を月にいくら支払わなければならないか」を意識するようにして下さい。

 さて、これまで何度も書いてきましたが、まずは親族に援助を頼んでください。

 これは、もっとも安全な対策であるにもかかわらず、「叔父さんから何て言われるか」「長々と説教されるのが目に見えている」と、心理的なハードルが高いため、多くの人が避けたがります。そして、一番簡単に借りられる4の消費者金融・信販会社(クレジットカード)へと飛びついてしまうのです。

 借りるのが簡単だということは、その分、返すのがハードであると認識しましょう。

 もし、身寄りがなかったり、親族も自分たちの生活で手一杯であったりする場合には、ぜひ、行政に相談してください。今は、コロナ感染症に関する特別支援措置が数多く取られています。自治体によって支援に差がありますので、市民センターや社会福祉協議会に問い合わせてみましょう。

 その次に検討すべきは銀行です。優先順位3位の銀行以降は、お金を貸すプロの業者ということになります。支援という形でお金をもらえることはあり得ませんし、金利がつくため、借りた金額以上に返済する必要がでてきます。

 銀行からの融資が無理なら、消費者金融や信販会社から借りることになるでしょう。その場合には、必ず全国区の業者を利用してください。地元の地域のみで営業している金融業者(いわゆる街金)は避けましょう。

 これは、どの業者から借りたかによって、いざ債務整理をするとなった時、対応に大きな差が生じるからです(特に任意整理の場合)。

 これまでの経験上、全国区の業者であれば5年程度の長期分割弁済で、さらに、債務整理開始から完済までの利息をゼロで和解してもらえることがほとんどです。

 しかし、街金相手だとそうはいきません。長期分割に応じてもらえることはあまりなく、利息も0にできないことがあります。そのため、街金から借りたせいで予算内での任意整理ができず、泣く泣く自己破産というケースも多々見られます。

絶対に手を出してはいけない「カモフラージュ闇金」

 ここ最近、SNSやインターネット掲示板などを使った個人間融資が散見されるようになりました。これらは「個人間融資」という見た目を取っていますが、その実態は闇金です。

 たとえば、Twitterで見かける「#個人間融資」「#お金貸します」「#ブラックOK」「#即日融資」 といったハッシュタグ、これらは全て闇金融、もしくは詐欺です。

 また、「貸したい人と借りたい人のマッチングサイト」などと謳っている掲示板や、給与を買い取ると謳う「給与ファクタリング」というサービスも、その多くは闇金融です。

 違法な高金利で多額の請求をされ、返済が滞ると、自宅や職場への容赦ない取り立てや脅迫が待っています。また、他の闇金融や詐欺集団へ個人情報が流出することもあります。

 前金を要求し、前金を支払ったら途端に連絡がとれなくなるとか、個人情報だけ聞き出し、結局融資を拒否するといった詐欺も発生しています。

 最近の闇金は、一見すると闇金とはとても思えないものが多いので注意が必要です。きれいで見やすいWEBサイト、優しい担当者、人生相談に乗ってくれるような親身な対応と、一般的な闇金融とはかけ離れたイメージを演出しています。しかし、その実態が違法業者であることに変わりはありません。

 困っている時は、ついつい判断力が弱ってしまうもの。このようなカモフラージュ闇金に引っかからないよう、充分注意してください。

 経済的な打撃の中でも、私たちの生活は続きます。時には、誰かの援助を受けたり、お金を借りたりする必要がでてくるかれしれません。その際には、ぜひ、これらのことを思い出し、生活再建の助けとなるような「賢い借り方」をしてください。

 そして、返済に行き詰った際は、借金を重ねるのではなく、一刻も早く我々のような借金問題の専門家にご相談ください。

 取材・文/稲田和絵

マネー現代

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最終更新:7/5(日) 12:00

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