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ニューノーマルでバレる!部下を管理したがるだけの「マウンティング上司」

7/1 6:01 配信

ダイヤモンド・オンライン

 コロナ禍は社会に大きな影響を与えた。生活様式を一変させてしまい「ニューノーマル」と呼ばれるようになった。職場の人間関係や仕事の進め方も一変し、「世代間の認識ギャップ」や「価値観の違い」なども合わさって「大きな時代の波」となって押し寄せて来る。あなたは変化に対応できるだろうか。(経営コンサルタント、元アクセンチュア マネジング・ディレクター 中野豊明)

● コロナ禍が影響を与えた 「働き方の質」や「職場の人間関係」

 新型コロナウイルス感染症はさまざまな形で社会に影響を与えている。言わずもがななことであるが、われわれビジネスパーソンにとっては、在宅勤務や電話会議、ビデオ会議などによって「働き方の質」が根本的に変わった。働き方の質といっても構成する要素はさまざまであるが、本稿では「人間関係」にスポットを当てて記事を進めてみたい。

 もう10年以上前の話であるが、当時進めていたプロジェクトが一山越えたことから、私はプロジェクトルームにいたスタッフたちに「今夜はみんなで何かおいしいものでも食べに行かないか」と声をかけた。

 すると、その中の一人から「なぜですか?」と質問され、面食らったことがある。おいしいものを食べに行こうと声をかける時に説明や理由が必要なのか?

 私にしてみれば、みんながよく頑張ってくれたおかげでプロジェクトも山を越えることができた、今日は納期が近い作業もないし、無理強いしているつもりは全くない。予定がある人は断ってくれて全然構わないし、時間もまだ昼過ぎなのだから突然直前にというわけでもない。

 いや、正直なことを言うと、自分であれば、上司が「おいしいものを食べに行こう」と誘ってくれているのだから、焼き肉かお寿司のようなものだろうと想像し、断る理由が見つからない。しかし、今、彼らは私に「食事をする理由の説明を求めている」という点に狼狽(ろうばい)したのである。

 しかし、これは十数年前の話で、現在はもっと気を付けなければならない。ハラスメントに対する懸念から、基本的に上司から食事の声がけをするのはご法度なのである。

 スタッフたちと食事をするには、彼らから声をかけてもらうか、何か公的な理由に基づいて数カ月も前から企画をして参加できる人の予定表を埋めておく必要があるのだ。

 こんなエピソードを思い出したのは、つい最近、新型コロナの感染拡大を防ぐために在宅勤務を推奨する会社に対して、冷暖房費を含む光熱費やネットワーク接続費を請求する社員がいると聞いたからだ。

● ニューノーマルは 「大きな時代の波」

 不覚にも私は一瞬、自宅の光熱費やおそらくほとんどの家で設置されているであろうWiFiの接続費を在宅勤務が理由で会社に請求することに“違和感”を持ってしまった。しかし、彼らは正しい。会社は社員に対して働く環境を整える義務があるし、その費用を負担する必要がある。

 コロナ後の生活様式を「ニューノーマル」と呼ぶことになったが、私はこの言葉を聞くと、単にソーシャルディスタンスに配慮した日々の過ごし方や所作だけではなく、「世代間の認識ギャップ」や「価値観の違い」なども合わさって押し寄せて来る「大きな時代の波」のような気がしている。

 ある年代に生まれた人たちが世界中で共通の傾向を持つことをジェネレーションXXと呼ぶ。1965~1980年に生まれた人はジェネレーションX、1981年~1995年はジェネレーションY、1996~2010年はジェネレーションZとするのが一般的である。なお、ジェネレーションYはミレニアル世代と称する方が一般的かもしれない。

 各々のジェネレーションの特徴を詳細に語るのはここでは割愛するが、私が勤務していた外資系コンサルティング会社では、マネジメント層が集まって「部下との接し方」を議論する際に、この「ジェネレーションの特徴」について真剣に討議していたものだ。

 在宅勤務がニューノーマルとなった今、デジタルネイティブであるミレニアル世代以降の思考や考え方、仕事の進め方の方が時代に即している。在宅勤務の光熱費を会社に請求することに驚いてはいけない。

● 「管理だけの管理者」は 不要になる時代

 今やPCだけではなく高速のネットワークがないと仕事が進まないのである。自宅でできる仕事を会社に出てすることはナンセンスで、仕事はオープンソースのプログラム開発のように分散した場所で同時多発的に進行する。

 このような状況下では、「管理だけの管理者」や「やたらと部下を管理したがる上司」「すぐにマウンティングするような上司」は不要になり、明確なアウトプットをイメージして事前に正しく伝えられないリーダーは存在意義がなくなる。リーダーはち密な作業ステップを計画し作業を適切に配分して、それぞれの出来高をこまめにチェックしなければならない。

 「アウトプットの質と量」が重要視されるため、相手の「年齢や職位」などは大した意味を持たなくなる。デジタル化された成果物はネットワークによって共有が進むため、オリジナルとコピーの区別が曖昧になり、日々いや時々刻々と改善(もしくは改悪)が進む。

 要するに、ニューノーマルの世の中では、実質的な能力と高い計画立案能力、細やかな作業管理ができないリーダーは仕事を進めることができなくなるのだ。

● 作業する人たちの 働き方も工夫する必要がある

 一方、実際に作業をする立場の人たちも働き方に工夫が必要になるだろう。曖昧な指示で作業を始めてしまうと、出来上がりが期待されたものと大きく異なり、手戻りが発生するリスクが高くなる。

 「誰かがやってくれるだろう」と思っていた作業は、誰もやってくれていないかもしれないし、それとは逆に「自分と全く同じこと」を別の人がすでに行っているかもしれない。評価は、専ら「成果の質と量」に依存するようになり、これまでに比べると「生産性」がより重視されるようになる。

 ここまではニューノーマルの環境下において、在宅勤務が著しく浸透したことを想定して書いてきたが、現実はもっと厄介だと想像される。

 なぜなら、幸いにして新型コロナの感染が著しく拡大しない場合には、自宅でできる仕事も出社して作業しようとする人が一定数出てくると想定されるからだ(以前の記事、『テレワークは出世できない!?人事評価で在宅勤務者が圧倒的に不利な理由』参照)。

 出社者と在宅勤務者の間には、どうしても「共有される情報」に格差が出るだろうし、場合によってはそれが評価にまで影響を及ぼすことになるかもしれない。

 ニューノーマルとは本来、「新しい生活様式」のことを示すと思うが、働き方への影響を考えると、仕事の進め方や職場の人間関係、評価制度などに至るまで検討が必要な点が多数あると私は考える。

ダイヤモンド・オンライン

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最終更新:7/1(水) 11:10

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