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心理学者が教える、頑固な男性を「仕事でスムーズに納得させる」伝え方のコツ2つ

7/1 6:15 配信

プレジデントオンライン

ビジネスの世界では意思決定層はまだまだ男性が大半。社内でも社外でも、男性とうまく仕事を進めるためのちょっとしたコツとは――。心理学者の内藤誼人さんは、コミュニケーションを難しく考えず、もっと肩の力を抜こうと提案します。

■スポーツ関連ネタがおススメ

 「お客さまとは雑談が大切だとは聞くけれども、いったい何を話していいかわからない……」
「私は、どうも世間話をするのが苦手なんです……」

 そんな悩みを抱えている方は意外と多く、女性同士では話が盛り上がるけれども、初対面の男性が相手のときにどんな雑談のネタを振ればいいか、というのはキャリア女性にとって悩ましいところのようです。

 でも、雑談をあまり難しく考える必要はありません。特に男性が相手なら、何かスポーツのネタがおすすめ。多くの男性は得意になって勝手にしゃべってくれるでしょう。あとは神妙な顔をして、「ふむ、ふむ。いやあ、それは面白いですね! 」と相づちを打っていれば大丈夫です。雑談なんて簡単、肩の力を抜いていきましょう。

 男性は、基本的に、“活動的”で、“行動的”な動物です。身体を動かすのがとにかく好きで、女性に比べると落ち着きがありません。これはどうも生まれつきの性質のようで、赤ちゃんのときからその傾向が見られるようです。男の子の赤ちゃんは、女の子の赤ちゃんに比べると、ずっと手足をバタバタと動かしています。

 そんな男性ですから、当然のようにスポーツで身体を動かすのもスポーツの観戦も好きです。

 そういうわけで、男性とおしゃべりするときには、スポーツ関連ネタが無難といえるでしょう。野球でも、サッカーでも、ラグビーでも、バスケでも、何でもかまいません。たいてい男性はどこかのスポーツチーム(や選手)のファンですから、雑談も盛り上がります。

■男性との雑談が盛り上がる3つの質問

 「○○さんは、どんなスポーツが好きなんですか? 」
「なるほど、△□ですか。好きな選手とかいるんですか? 」
「何か面白いエピソードがあったら、教えてください」

 こんな感じで水を向けてあげれば、男性はいくらでもしゃべりだすのではないかと思われます。女性は、男性に比べるとあまりスポーツをやったり、スポーツ観戦をしないのでわかりにくいかもしれませんが、男性と盛り上がるのはスポーツネタなのです。

 英国ランカシャー大学のアン・コーリーは、9歳から15歳までの男女に、「だれでもいいのでスポーツ選手を描いてください。空想の選手でも、現実の選手でもかまいません」とお願いする実験をしたことがあります。

 コーリーは、ただ「スポーツ選手」といっただけで、それが男性の選手であるとも、女性の選手であるとも言っていないのですが、男性のほぼ100%が、男性の選手の絵を描きました。女性はというと、だいたい半数だけが男性の選手の絵を描きました。男性にとっては、「スポーツ」といえば「男性」というイメージがあるのでしょう。

 「スポーツなんて、全然興味がない……」という人がいらっしゃるかもしれませんが、どんな業種でも、仕事でうまくやりたいのなら雑談のスキルは必須。だれとでも、ソツなく雑談できてこそ、仕事もうまく回っていくのです。そのためには、スポーツが好きだとか嫌いだとか、そんな子どもじみたことを言っていてはいけません。スポーツ新聞などでいくつかネタを拾うようにするだけでも、大半の男性とうまく雑談できるようになるものです。

 (参考)Colley, A., Borman, E., & Van Millingen, L. 2005 Age and gender differences in young people’s perceptions of sport participants. Journal of Applied Social Psychology ,35, 1440-1454.

■男性を説得するときには、「科学」の裏づけを必ずつける

 雑談でアイスブレイクがうまくいったとして、ビジネスの本題に入ると、科学的な裏付けのある発言が求められます。

 ここで、男性はスポーツが好きだということに関連して、「科学も好き」ということについても触れておきましょう。

 男性は小さな頃から、化学の実験をしたり、植物や生物の観察をしたりするのが大好きです。セミの脱皮を何時間も観察していても飽きないという女の子は少ないと思うのですが、男の子はそういうことに苦痛を感じません。

 大人になってからも、男性は科学が好きですし、科学の万能性を信じています。

 米国ミネソタ州にあるセント・メアリーズ大学のマイケル・トランキーナが米国の国勢調査(1972年から1990年までに実施されたもの)を分析してみると、「科学の万能性を信じる」と答えた男性は48.3%、女性は39.6%という結果になりました。男性のほうが、科学を信じているのですね。

 ビジネスシーンで男性を相手に話すときは、たとえ同じ内容をプレゼンするにしても、相手が女性であるとき以上に科学の裏づけを重視し、そこに比重を置くようにするとスムーズに進むことが多いでしょう。

■説得に効く枕ことば3つ

 「『ネイチャー』に発表された論文によりますと……」
「○○大学医学部で明らかにされたデータなのですが……」
「○○研究所の○○博士が言っているように……」

 男性を説得する必要があるときには、こんな感じで切り出してみてください。水戸黄門の印籠を出されたときの悪代官のように、いきなり「ハハァ~」と頭を下げて受け入れてくれる人もいるはずです。女性を相手にするときは、もっと多様なアプローチがあると思いますが、男性は科学を信じているので、科学や権威のある研究機関のデータを示すことが一番の近道となるのです。

 幸いなことに、インターネットを使えば、いろいろなデータが手に入るはずです。できるだけデータの出典が明らかにされている信ぴょう性の高いものを選びましょう。

 この下準備をしておくだけで、男性を説得するのはとても容易になります。

■占師を信じる女性、心理学者を信じる男性

 ちなみに、女性にとっては、説得力があると感じられても、男性もそうとは限りません。たとえば、プライベートではよく話題に上がる星占いや、血液型占いや風水のようなもの。

 そういうものを信じている女性は意外と多かったりするのですが、男性はそういうものでは動かされません。「うさんくさい」と感じるからです。

 ロンドン大学のエイドリアン・ハーンハムは、男性と女性に、インチキな心理テストを実施してみたことがあります。診断結果は、全員に、まったく同じものが返却されました。ただし、男女それぞれ2グループに分け、一方にはテストは「占星術師による診断」であると伝え、もう一方には「心理学者による診断」と伝えました。それから「診断結果は、どれだけ自分の性格を言い当てていると思いますか? 」と尋ねてみたのです。

 その結果、女性は占星術師によるフィードバックを信じやすく、男性は心理学者のフィードバックを信じやすい、ということがわかりました。男性は、星占いのようなものだと説得力を感じないのです。

 プライベートでも、男性を説得する必要があるときには、できる限り“科学の裏づけがあるもの”を選びましょう。「あまりよく知らない人なんだけど、こんなことを言ってたよ! 」と、話の内容が素晴らしいことをどんなに伝えても、男性には受け入れにくいのです。男性を説得するときには、所属や肩書のしっかりした人を選ぶといいですね。そういう人の発言であれば、男性はあまり疑ったりせず、素直に受け入れてくれる可能性が高いのです。

 (参考)
Trankina, M. L. 1993 Gender differences in attitudes toward science. Psychological Reports ,73, 123-130.
Furnham, A., & Schofield, S. 1987 Accepting personality test feedback: A review of the Barnum effect. Current Psychological Research ,6, 162-178.



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内藤 誼人(ないとう・よしひと)
心理学者
立正大学客員教授。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。『世界最先端の研究が教えるもっとすごい心理学』(総合法令)など、心理学を応用したビジネススキルに関する著書多数。
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最終更新:7/1(水) 6:15

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