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「グローバルAIファンド」3年半で基準価額2倍超は7年で4倍の序章? その雄大な成長性に高まる期待

6/30 10:50 配信

モーニングスター

 三井住友DSアセットマネジメントが設定・運用する「グローバルAIファンド」の基準価額が6月4日に20000円を突破し、26日には21130円と一段と上伸した。16年9月の設定から約3年半で基準価額が2倍超になった。設定当時の同ファンドのポートフォリオの長期予想EPS成長率(年間ベース)が22%で、20年5月現在の同予想EPS成長率も22%となっており、さらに成長が見込める。単純には言えないものの、設定時と変わらぬEPS成長率があるのであれば、今後3年半で基準価額40000円もターゲットになってくる。同ファンドの好調なパフォーマンスの背景について、三井住友DSアセットマネジメントの田村一誠氏と矢島悠子氏と、実質的な運用を担っているアリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの井村真也氏と滝沢圭氏に聞いた。
 

 ――ファンドの基準価額は、コロナショックで市場全体の下落と同等に下げた後、まるで覚醒したかのように、力強く上昇している。この上昇に寄与した銘柄群は?
 

滝沢氏 コロナショックでデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速したといわれ、テレワークが世界的に普及し、クラウド型のコミュニケーションツールや、通信インフラを守るサイバーセキュリティの需要が爆発的に伸びました。たとえば、ビジネス・コミュニケーション・プラットフォームのSlack(スラック)、 WEB会議ツールでおなじみのZoom(ズーム)等がパフォーマンスに貢献しています。
 

 そもそもDXは、ビジネスシーンを大きく変える成長産業になると注目をして関連銘柄を組み入れていたのですが、コロナショックで動きが加速した結果、関連銘柄の株価上昇につながっています。
 

 また、ヘルスケアセクターも注目を集めました。たとえば、リヴァンゴ・ヘルスという会社は昨年上場した会社ですが、スマートデバイスを使って健康管理、健康行動の促進を促すサービスを提供しています。糖尿病患者等に簡便な方法で血糖値を測定してもらい、それをオンラインで管理することで医療チームによるアドバイスが受けられます。このサービスを使った患者の医療費が年間20万円削減できたという事例も報告されています。この3月末現在の登録会員数は35万人ですが、米国には1.5億人の糖尿病患者がいるといわれており、その潜在成長率は非常に大きいと考えられています。この会社の株価も非接触型の医療サービスとしてコロナショックで注目度が高まり、年初から株価が3倍程度に値上がりしました。
 

 ガーダント・ヘルスは、微量の血液からAIががんの診断をしますので、その診断にかかる時間やコストを大幅に削減できます。あるいは、ニュアンス・コミュニケーションは、AIを使った音声認識技術に強みがあり、コロナショックで懸念された医療崩壊を避けるために、同社の技術が電子カルテに応用できると注目を集めました。
 

 このように、医療現場を効率化するために、AIがヘルスケア分野で積極的に活用されています。AIを使うことによって医師の能力の差による診断の過誤が防げるなど医療診断の均一化にも期待が高まっています。我々は以前よりヘルスケア市場でのAI活用に注目していますが、コロナショックによって世界的に注目を集め、関連株価は大きく上昇しています。
 

井村氏 コロナショックで注目された技術として「コンタクト・トレーサビリティ」もあります。一例として、スマホのGPSとBluetoothを用いて、スマホの所持者が誰と接触したのかを追跡する技術があります。日本でも感染第2波阻止のツールとして安倍首相が利用を呼び掛けて話題になりました。アメリカではグーグルとアップルが共同開発をすると発表して大きな話題になっています。この関連ではトゥイリオという会社が、新型コロナ濃厚接触の独自のトレースサービスを展開しており、また様々なクラウドベースのコミュニケーションツールの需要が高まり株価も2倍になりました。
 

 特定の個人の接触情報を追跡するということは膨大なデータを集めて解析する必要があり、AIの利用なくしては実現できないことです。コロナショック後にAI関連株が大きく値上がりしたのは、AIがポストコロナに不可欠な技術であるということを改めて認識したからだと思います。
 

 ――この変化は一過性のものではないということですか?
 

井村氏 コロナショックが社会を変えるきっかけになるといわれていますが、現在のうねりが新しい社会のプラットフォームになっていく可能性は高いと思います。ちょうどスマートフォンが普及し、SNSを使ったコミュニケーションは、私たちの生活に欠かせないツールになったようなものです。たとえば、Zoomを使ったオンライン会議は、世界中で当たり前に行われています。これに匹敵するような存在になると見込んでいるのが、先ほども紹介しましたリヴァンゴ・ヘルスです。デジタルヘルスのプラットフォーマーになるという期待があります。
 

 あるいは、IoTが一段と広がる中で注目されるエッジ・コンピューティングの分野でファストリーが注目されています。エッジ・コンピューティングは、IoTでつながった機器・端末に情報処理機能を持たせる仕組みです。クラウドを使った処理データのやり取りでは間に合わない、遅延が重大な事故につながるような恐れがある自動運転のような分野では、自動車そのもので瞬時にデータ処理をする必要があります。ファストリーという会社は、B2Bの会社なので一般的な知名度は低いのですが、既に日本でもEコマースのオークション価格の変更などを瞬時に行う技術として活用されています。IoTが一段と進むと、AIを使った情報処理は社会に不可欠な要素になるでしょう。
 

 ――更に中期的な注目分野というのは?
 

井村 日本では2030年から5Gよりもさらに高速・大容量の6Gサービスが実用化されるといわれています。この時代になると、データ通信は地球全体を覆い、宇宙空間にすら及ぶといわれますが、その時代に備えた技術開発が既に始まっています。
 

 たとえば、AIロボットの一段の進化です。既にロボットは対話型ロボットや手術ロボットなどが実用化されていますが、これがさらに進化するのです。たとえば、ボストンダイナミクス社の4足歩行ロボットは、建築作業現場や資源採掘など足場が不安定な環境で今以上に安定した作業を可能にする産業用ロボット技術として注目されています。さらに、「AIホムンクルス」といわれる、触覚などの感覚機能をAIが備えるようになります。現在は、音声認識による「耳」、そして、画像・映像認識による「目」の機能をAI技術でロボットに持たせていますが、さらに、触覚や嗅覚などにも機能が広がる見込みです。
 

 生物は「目」を得たことによって「カンブリア爆発」といわれる爆発的な進化が起こったといわれます。AIは2015年~17年にかけて「目」の機能を得たことで、生物のカンブリア爆発に似た進化を遂げており、加えて感覚機能を得る事で更なる進化が見込まれます。もっとも、このような更に先の技術については、ピュアなベンチャー企業やリサーチセンターが取り組んでいて非上場の会社がほとんどでファンドの投資対象とはなっていません。ただ、常にこれらの企業の将来性についてもしっかりウオッチしています。
 

 当ファンドの運用拠点はサンフランシスコにあり、40年以上にわたってAIなど先端技術にフォーカスした調査・運用を行っています。開発の初期段階からリサーチし、情報を得ていることで、例えば、IPO時の株価が高過ぎると判断すれば追随して買うことはありません。シリコンバレーに近い地の利を活かし、非上場企業も含めて将来投資対象となりうる企業を常に発掘しています。
 

 先端技術を対象にした投資を考える場合、高い成長可能性がある銘柄を選んで分散して投資することが重要です。6月にドイツの決済サービス会社ワイヤーカードが破産申請した時には100ユーロを越えていた株価が1週間で2.5ユーロに下落しました。また、株価が過去10年で約50倍になった米テスラは、数年前は資金繰りに行き詰って破たんするのではと懸念されていたことがあります。先端技術の個別銘柄への投資には難しい部分が多いため、ファンドを通じて銘柄を分散して投資することは理に適っていると思います。
 

 ――ファンドの受益者の方、また、ファンドに関心を持っている投資家の方へメッセージは?
 

田村氏 基準価額が2万円に達して、早く利食いをした方が良いという気持ちになってしまうかもしれません。しかし、AIの成長は、運用者であるアリアンツ社の説明の通り、むしろ、これから本格化するといえる段階です。2020年に5Gの時代が始まり、少子高齢化に伴う労働力不足を補うテレワークが本格的に活用され始めました。コロナがこの機運を後押ししたことは間違いありません。この後押しによって、短期間で関連企業の株価が大きく値上がりしたという側面もあります。
 

 ただ、AI技術の研究は、6Gと言われる次の世代を見据えています。現在の技術では対応が不可能といわれる分野にも、どんどんAIが活用され、私たちの世界を豊かにするために、AIが貢献するものと期待されています。設定から、わずか3年半で基準価額は2倍を超えましたが、今後も長期にわたって成長が期待できるファンドとして、長い目でご投資していただきたいと思います。
 

矢島氏 「グローバルAIファンド」には為替ヘッジの有無の他、「予想分配金提示型」で為替ヘッジの有無があり、合計4つのコースがあります。「予想分配金提示型」は基準価額の水準に応じて毎月分配金を出していきますので、値上がり分を収益として分配しながら投資を継続していただけると思います。「予想分配金提示型」の基準価額は26日時点で1万2333円です。19年10月に設定し、20年6月までの累積分配金は1250円になっています。
 

 「グローバルAIファンド」は、コロナショックの時に大きく基準価額が下落したように、依然として価格変動率が大きくなりがちな株式市場の影響を受けて、基準価額が大きくブレることもあるかと思います。その価格変動リスクを緩和するために、積立投資によって少しずつ購入されるということも方法の1つです。また、運用の果実を得るという点では、「予想分配金提示型」で毎月分配金を少しずつ得ていくという方法もあります。将来にわたって高い成長が期待できるファンドですので、皆様の投資の目的に応じて4つのコースを上手にご活用いただきたいと思います。(図版は、「グローバルAIファンド」の設定来の基準価額の推移)
 

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最終更新:6/30(火) 10:55

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