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エノモト Research Memo(7):新型コロナウイルス感染症拡大のなかでまねのできないものづくりを追求

6/29 15:29 配信

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エノモト1,007---

■中期経営方針

1. 中期経営方針
エノモト<6928>は、2017年3月期から2021年3月期までの5年間の、事業運営の指針となる中期経営計画を策定している。中期経営計画の方針として「新たな価値の創造~他社が真似のできないものづくりを追求する~」を掲げ、同社が培ってきた技術力を最大限に活用し、さらに上のステージへ踏み出していくための決意が込められている。そのため、年々、旧来の方法にとらわれず、従前の思考・体質から踏み出し、自信を持って自分の力を発揮し、英知を蓄積してきた。そして、大きな中間目標でもあった東京証券取引所1部上場を達成し、それに伴う経営基盤の盤石化も進展した。このためそろそろ、5Gなど新たな環境への対応や他社との連携、新規事業の実現へ向けて、次の中期目標を策定するタイミングに入ったかもしれない。

しかし現在、新型コロナウイルスへの対応を急ぐ必要がある。したがって、次の中期目標には、新型コロナウイルスのようなリスクに対して、同社の強みの確認と、抽出された課題、その解消方法が織り込まれることになるだろう。同社の強みは、ここまで述べてきたことでもあるが、高品質と大量生産の両立にある。独立系であることと、どの品目がへこんでも他の品目でカバーできる多品目製造も特徴である。エリアも日本・中国・フィリピンとリスク分散されている上、どの拠点でも同品質の部品を製造することができる。一方、認定制度の問題により拠点間でカバーできない製品があることは理解するが、拠点間の連携に課題があると考える。新規事業も課題で、後述するが、水素燃料電池の基幹部品の開発は進展しているもようだが、実現はもう少し先だ。企業としての基盤強化も課題だが、政策保有株式の処分など、財務基盤やコーポレートガバナンスの強化に向けた動きを継続しているところである。


コロナ後も中期成長余地は大きい
2. 中期成長イメージ
ウィズコロナの時代になったとしても、5G普及に伴うIoT需要の拡大や、EV(Electric Vehicle)・ADASなど自動車の電装化率の上昇などを背景に、IC・トランジスタ用リードフレームの市場は成長が続くことに変わりはないと考える。特に車載用は、モーターやセンサー、軽量化など改善課題が依然として非常に多く、同社の技術力がこれからも随所で発揮されると思われる。延期されたものの東京オリンピック向けに一巡感のあるオプト用リードフレームの市場は、中長期的な設備投資動向による回復期待に加え、高付加価値品や医療向けの需要拡大も期待される。コネクタ用部品の市場は、買替比率の上昇でスマートフォン向け部品の需要変動が大きくなる可能性があるが、スマートウォッチなどウェアラブル向けの需要は引き続き拡大しそうだ。

5G関連の設備投資や自動運転がまさに視野に入ってきており、高機能化や超精密化など機械・機器からの技術的要求がますます強まっている。しかし、対応できるプレイヤーは一握りのメーカーに絞られる。例えば、ウェアラブル製品に利用される、実用最小クラス0.3mmという微細なコネクタ部品を、継続的・安定的に数千万個~億個単位のロットで生産できるメーカーは数社しかなく、同社はそのうちの有力な1社である。さらに、後述する水素燃料電池の基幹部品「ガス拡散層一体型金属セパレータ」の実用化も期待される。以上から、同社の中期的な成長余地は、ウィズコロナの時代に再び大きく広がっていくことが予想される。


実用化に近づきつつある水素燃料電池基幹部品
3. 「ガス拡散層一体型金属セパレータ」
どの会社もそうであるように、同社も新規事業のシーズをいくつか抱えている。その中で、山梨大学との共同開発で2020年の実用化を目指している、PEFC(固体高分子形燃料電池)用の新型の「ガス拡散層一体型金属セパレータ」の開発がユニークで、まさに中期経営方針「新たな価値の創造~他社が真似のできないものづくりを追求する~」を地で行くようだ。また、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指すSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の観点からも、評価できる事業と言える。現状、新型コロナウイルスの影響で進行が見えないが実用化は近づいているもようで、実用化されれば同社業績のみならず、社会環境にも大きなインパクトを与える可能性があると言うことができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


《ST》

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最終更新:6/29(月) 18:22

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