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55歳保育士、貯金600万円。障害年金の対象となるケガを抱えて今後が不安です

6/27 22:20 配信

あるじゃん(All About マネー)

◆保育士の仕事は想像以上に激務で、パートになるかもしれません

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回の相談者は、4年前に会社が倒産したため保育士に転職した55歳女性。想像以上の激務から膝の手術をすることになり、障害年金3級の対象に。ひとり暮らしで住宅ローンも残っていることから将来に不安を感じる南国さんのお悩みに、ファイナンシャル・プランナーの畠中雅子さんがアドバイスします。

▼相談者

南国さん(仮名)
女性/保育士/55歳
持ち家(一戸建て)

▼家族構成

ひとり暮らし

▼相談内容

(1)老後の備え、(2)年金について、(3)支出のムダについてアドバイスしていただきたいです。

4年前に会社が倒産しました。社内預金も戻らず、住宅ローンが15年ほど残っています。職安の職業訓練を利用して保育士の資格を取得し、2年前に保育の仕事に就きました。

体力的に想像以上の激務で脚などに不調をきたし、手術を受ける予定です。入院・手術等の費用と生活費は、医療保険と傷病手当金とで何とかなりそうです。術後、日常生活に支障がなくなるまでには3~4カ月ほどかかり、その後、仕事復帰する予定ですが、体調次第ではパートになることも視野に入れています。

そのため、今後の収入は大幅に下がるかもしれない状況です。手術を受けると、障害年金3級の受給資格ができるため、それで65歳時に住宅ローンを完済しようかと思っています。

ねんきん定期便で確認した年金受給額は、年額125万円ほどです。任意加入扱いだった学生時代(20~22歳)の国民年金は保険料を納めていません。また、保育の学校に行った2年間は全額免除扱いになっています。これらは納めた方がいいのでしょうか?

毎月、ついネットでいろいろ買い込んでしまい、赤字になることが多く、貯蓄は増えていません。住宅ローンは、今年、銀行に交渉して金利を下げてもらい、月額9000円ほど少なくなりました。

昨年から、つみたてNISA(年間40万円)とiDeCo(月額2万3000円)を始めました。それぞれ満額していますが、もっと別の方法の方がよかったのかと思ったりしています。

老後に備えて、貯蓄内容や家計のムダをどのようにすればいいか、アドバイスをよろしくお願いいたします。

▼家計収支データ

南国さんの家計収支データは図表のとおりです。

▼家計収支データ補足

(1)家族について
父親(90代)と姉がいる。父は寝たきり、姉も自身の家族があり、協力は仰げません(相続する遺産もなし)。

(2)住宅費について
購入時の物件の状況:新築
物件価格:2150万円 
頭金:150万円
ローン残高:1185万円
借入期間:17年(今年3月契約変更手続きを行ったもの)
金利のタイプ:10年固定、金利1.25%(同上)
毎月の返済額:6万5000円
固定資産税:約12万円

(3)加入保険について
・本人/がん保険(終身、がん診断給付金100万円(初回、その後2年毎に50万円)、入院1万5000円、通院1万円)=1416円/月+7460円/半年
・本人/医療保険(終身、入院又は通院日額1万円、先進医療特約、三大疾病保障保険料払込免除特約)=7682円/月
・本人/介護年金(65歳払済、65歳時に介護保障か確定年金か一時金かを選択)=3260円/月
*一時金を選択すると250万円、10年確定年金だと24万7000円/年

(4)車両費について
車のローンはない。今後、買い換え予定もなし。

(5)ボーナスについて
主な使い道は、つみたてNISA40万円、赤字補填15万円、固定資産税12万円、趣味娯楽費10万円。

(6)毎月の貯金について
2万3000円はiDeCo、つみたてNISA(年間40万円)はボーナスから払っている。

(7)投資の内訳について
・つみたてNISA:50万円
・iDeCo:23万円
・投資信託:200万円
・外国株式:230万円  
※中国株40万円、タイ株190万円。中国株は20年ほど前に買った物の一部だが、半額以下になったため、そのまま持っている。タイ株は10年ほど前に100万円投資したもの。

(8)ネットでの買い物について
ネットで買い物をした分は、雑費に含まれます。本当は1万円で収まらない時もある。

(9)今後について
手術後は通院の必要はほとんどないが、数カ月休職する予定。復帰後の月収は、正職員のままだと変更はありませんが、パートになった場合は手取り10万円ほどになるのではないかと思う。

▼ファイナンシャル・プランナー畠中雅子の3つのアドバイス

アドバイス1:通信費は格安SIMに、投資商品は売却を
アドバイス2:65歳以降の年金受取額は、ねんきん定期便の額と大きく変わらない
アドバイス3:健康を害さない程度に細く長く働くことが、一番の老後の備え

◆アドバイス1:通信費は格安SIMに、投資商品は売却を

この支出内容通りならば、家計はきちんと管理されていて特に問題はありません。

強いていうなら通信費でしょうか。どのように使っているかにもよりますが、格安SIMにすれば月額利用料が1000~2000円程度という事業者があります。一度見直せば節約が続く費目ですから、ぜひ調べてみてください。

投資商品もつみたてNISAとiDeCo以外は見直しの必要がありそうです。というのは、貯蓄が少ない人の資産内容としては、バランスが悪いからです。

投資信託と外国株式については、すべて売却し全額貯金でもいいくらいです。購入時よりも値上がりしているもの、値下がりしているものいろいろあると思いますが、タイミングを見ながら3回程度に分けて売却してはどうでしょう。

そのためにまずは、これまでのチャートを確認し細かく値動きをチェックすることを習慣にしてください。

◆アドバイス2:65歳以降の年金受取額は、ねんきん定期便の額と大きく変わらない

手術を受けることで障害等級3級の受給資格を得られ、体調次第ではパートになることも視野に入れているとのこと。障害厚生年金については、数年に1度は審査があり、障害の状態によっては等級が変更になったり、対象から外れることがあることを覚えておいてください。

65歳以降に受け取る年金額ですが、年金には1人1年金という制度があり、障害厚生年金と老齢厚生年金は併給ができず、どちらか有利な方を選んで受給することになります。

障害厚生年金は年58万5100円ですから、ねんきん定期便から推察される老齢厚生年金額と大きく変わらないのではないでしょうか。どちらにするかは、受給する段階になって年金事務所で試算してもらってください。

国民年金の未納付期間が4年あるとのこと。ということは納付期間の1割が未納となります。60歳以降も任意加入をすれば満額を受け取ることもできますが、月額の保険料はいまの南国さんの家計には少し負担かもしれません。

◆アドバイス3:健康を害さない程度に細く長く働くことが、一番の老後の備え

きちんと管理された南国さんの暮らしぶりならば、住宅ローンがなくなれば月10~11万円程度で生活できるのではないでしょうか。年金の受給額が年125万円程度ありますから、赤字といってもそれほど大きな金額にはならずに済みそうです。

しかし、固定資産税や車を保有している間は保険料や税金がかかりますから、年40万円くらいの赤字が出ることを想定すると、40万円×30年で1200万円程度が必要ということになります。

現在の貯蓄と投資=600万円、個人年金=250万円、60歳までの5年間で貯められるつみたてNISAとiDeCoの元本338万円を合計すると1188万円。計算上はギリギリ足りるということになります。

しかし実際には、家の修繕費や家電の買い替えなど必要になるお金があるはずです。老後の安心を確保するためには70歳手前くらいまで、何らかの形で働くことが一番のように思います。

保育士は身体への負担も少なくないと思いますので、座ったままで済む仕事など、もう少し負担の軽い仕事を探すなど、健康を気遣いながら、細く長く働き続けることを考えてみてください。

◆相談者「南国」さんから寄せられた感想

丁寧なアドバイスをいただき、ありがとうございます。特に、預金がなくなってしまったために、焦って投資ばかりに目を向けてしまっていることに薄々気づいてはいるものの、方向転換できずにいましたが、今回、はっきり指摘いただいたので、早期に整理しようと思いました。

体が何よりの資本であり、財産だとつくづく感じながら仕事内容も見直してみようと思っています。良いきっかけをありがとうございました。

教えてくれたのは……畠中雅子さん

ファイナンシャル・プランナー。大学時代からフリーライターとして活動し、出産後にマネー分野を専門とするライターとなりFP資格を取得。新聞・雑誌・WEBなどに多数の連載やレギュラー執筆を持つとともに、セミナー講師、講演などを行う。「教育資金作り」「生活設計アドバイス」「住宅ローンの賢い借り方、返し方」「オトクな生命保険の入り方と見直し方」などのテーマを得意としている。

取材・文:鈴木弥生

あるじゃん(All About マネー)

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最終更新:6/27(土) 22:20

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