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ECB、政策金利据え置き―緊急債券買い入れ規模を1.35兆ユーロに拡大

6/5 9:55 配信

モーニングスター

<チェックポイント>
●緊急債券買い入れ制度「PEPP」の買い入れ期限を21年6月末まで延長
 
●ラガルドECB総裁、「ユーロ圏20年GDP見通しは前年比8.7%」と
 
●既存の量的金融緩和プログラム「APP」を継続―「PEPP」ともに満期償還金は再投資へ
 
 
 
 
 ECB(欧州中央銀行)は4日の定例理事会で、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%に、下限の中銀預金金利をマイナス0.50%に、上限の限界貸出金利を0.25%に、いずれも据え置くことを全員一致で決めた。据え置きは前回4月会合に続いて2会合連続。市場予想通りだった。
 
 一方、ECBは3月18日の緊急理事会で、新型コロナウイルス感染症の危機対策として導入を決めた緊急債券買い入れプログラム「PEPP」の規模を、現在の7500億ユーロから1兆3500億ユーロ(約167兆円)に拡大することを決めた。市場ではPEPP規模は5000億ユーロの増額を予想していたが、予想を上回る6000億ユーロの増額となった。
 
 また、PEPPの期限を従来の20年12月末から21年6月末まで6カ月間延長した。さらに、買い入れ期限が到来する21年7月以降についても新規の買い入れは行わない代わりに、22年12月末まで買い入れた国債の満期償還金を再投資する、いわゆるロールオフ(過剰流動性を吸収するための不胎化政策)を行う。
 
 PEPPは既存の資産買い入れプログラム「APP」とは別に導入されたもので、債券買い入れを増額することにより、ユーロ圏域内の長期金利の低下を促し、企業や家計の借り入れコストを引き下げ、景気を支援することを狙いとしている。買い入れ資産の対象にはAPPの対象資産がすべて含まれるほか、信用格付けが低いギリシャ国債も買い入れの対象に含まれる。
 
 今回のPEPPの大幅増額の背景には、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界流行)によるユーロ圏のリセッション(景気後退)懸念が強まっていることがある。EU統計局が4月30日に発表したユーロ圏1-3月期GDP(域内総生産)は前年比3.8%減となった。市場では20年全体のGDPは8-15%減に落ち込むと予想。5月には欧州委員会が7.7%減との見通しを示したが、ラガルドECB総裁は会合後の会見で、8.7%減になるとの見方を示している。
 
 ECBは会合後に発表した声明文で、今後の金融政策運営について、前回会合時と同様に、「今後は経済予測の期間中、インフレ見通しが2%をやや下回る水準(物価目標)に十分に収束するまで、ECBの政策金利は現在の水準か、または、一段と低い水準となることが予想される」と将来の利下げに含みを残した。
 
 また、ECBは今回の会合でもAPPの継続を決めた。ECBはAPPの下で、19年11月1日から月200億ユーロのペースで資産買い入れを実施している。20年3月会合では、年末までの時限措置として、民間セクターを中心に資産買い取りをネットベースで1200億ユーロ増額した。ECBは買い取り対象となる資産を国債だけでなく、カバードボンド(地方自治体向け貸付やモーゲージ貸付を担保として金融機関が発行する債券)やABS(資産担保証券)、企業が発行する投資適格級のユーロ建て社債に拡大している。
 
 さらに、ECBは19年3月に景気刺激策として、APPによる量的金融緩和を満期償還金の再投資だけで継続する方針も決めたが、今回の会合でもこの方針を据え置いた。再投資による資産買い入れの終了時期についても「望ましい流動性の状況や十分な金融緩和を維持する必要がある限り、できるだけ長期にわたって続ける」との文言も据え置いた。
 
 次回の金融政策決定会合は7月16日に開かれる予定。
 
(イメージ写真提供:123RF) 
 

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最終更新:6/5(金) 10:20

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