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事業規模ばかり強調するも「真水」は少ない コロナ感染拡大に対応した第2次補正予算案

6/2 8:42 配信

THE PAGE

 政府は5月27日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応した、第2次補正予算案を閣議決定しました。財政投融資などを合わせた事業規模の総額は117兆1000億円と、今国会で成立した1次補正(緊急経済対策)とほぼ同じ金額となりました。政府は1次補正と2次補正を合わせた総額が200兆円を超えると説明していますが、1次補正と同様、実際の財政支出である真水(まみず)の部分は少なく、2次補正における実質的な金額は33兆円程度にとどまる見通しです。

実は多い民間が拠出する金額

 政府の財政出動で重要となるのは、実際に財政支出され、GDP(国内総生産)に直接的な効果をもたらす真水部分の金額です。以前はあくまで真水を基準に議論されることが多かったのですが、近年は政府が事業総額ばかり強調するようになり、本当のところはいくらの金額が投じられるのか、詳しく見ないと分からないというケースが増えています。

 前回の1次補正(緊急経済対策)の事業総額は今回と同額の117.1兆円でしたが、真水部分は推定で30兆円弱となっており、しかも、詳細な費目や金額がすぐにはわからないようになっていました。今回も事業規模の総額は117.1兆円ですが、真水の部分は約33兆円と前回より増えたものの、全体の3分の1程度になっています。残りのほとんどは、政府による融資である財政投融資や民間が拠出する金額となっており、特に民間部分の拠出については、経済対策とは言えないでしょう。

見かけ上の金額を大きく見せる演出は逆効果

 内容は、売り上げが急減した中小・零細事業者を対象に家賃の3分の2を負担する給付金や、休業手当の支払いを支援する雇用調整金の増額分(1日あたり8330円から1万5000円に引き上げ)、休業手当を受けられない中小企業の社員を対象とした支援金などとなっています。都道府県が休業要請に応じた事業者への協力金に充当できる臨時地方交付金も2兆円増額となりました。

 支出の内容自体はそれなりに意味のあるものですが、やはり真水部分の金額が小さいため、コロナによる経済の落ち込みを十分にカバーすることは難しいと思われます。

 日本は財政難ですから、ドイツや米国のような大盤振る舞いは難しいというのが現実ですが、事業総額ばかり重視して、見かけ上の金額を大きく見せる演出はむしろ逆効果でしょう。よく見ないと内容が分からないという経済対策では、国民の関心は離れていくばかりですし、金額が大きいことだけが強調されると、なぜ十分な効果が得られないのかという疑問につながり、最終的には政府の信頼低下を招きます。予算というのは民主主義の基本となるものですから、透明性の高い情報提供が必要です。

(The Capital Tribune Japan)

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最終更新:6/2(火) 8:42

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