IDでもっと便利に新規取得

ログイン

コロナで売上4割減、アパマン以外に投資したオーナーは今《楽待新聞》

6/1 20:00 配信

不動産投資の楽待

緊急事態宣言が全エリアで解除されてから数日。しかし、感染症対策のために客席数を減らすなど、今まで通りの営業ができないテナントもあり、いまだ苦境に立たされている企業は少なくない。そうした業績不振の影響を受けてか、入居者の賃料交渉や退去に苦しむオーナーも、しばらくは厳しい状況が続くと思われる。

こうした中、アパートやマンションなどの賃貸物件「以外」の不動産投資はどうなっているのだろうか。今回は、レンタルスペースやコインロッカー、シェアオフィスに太陽光発電など、さまざま投資を実践しているオーナーに取材。現在の状況を聞いてみた。

■レンタルスペース「リモートワーク需要を期待したが…」

「3月までは稼働が良かったんですが、4月からは売り上げが大きく下がりました。今後の状況によっては撤退を考えています」

そう語るのは、東京・豊島区と中央区で2部屋のレンタルスペースを運営する林徹也さん(仮名)。10年以上前に不動産投資を始め、現在は一棟物件3棟と、区分マンション6戸を所有している。その他、転貸する形で民泊事業にも手を広げたが、民泊新法による規制が厳しくなったタイミングで撤退。そのとき借りていた1Rと1Kの2部屋を時間貸しのレンタルスペースに切り替えた。

部屋は1Rが30平米、1Kが20平米ほどの広さ。宿泊禁止のレンタルスペースにするためべッドは撤去し、リモートワークができるよう、代わりにデスクを設置した。テレビやソファ、Wi-Fiなどはそのまま活用することにした。また、早ければ朝方から利用する人もいるため、利用者とのやり取りや部屋の清掃などはすべて管理会社に委託している。売上平均は月30万~40万円。管理会社には売り上げの3割を支払い、更にそこから賃料が引かれる。手残りは月に約十数万円だ。

林さんによると、このレンタルスペースの利用目的はさまざまで、撮影や勉強会、セミナー、ホームパーティ、リモートワークなどがあるという。中でもホームパーティの需要が多く、忘年会シーズンには売り上げが月に70万円を超えることもある。


しかし、新型コロナで状況は一変。月の売り上げは4割減となり、唯一期待していたリモートワーク需要の増加も感じられなかった。「都内で働く人は、自宅や近くのカフェで仕事をするのでしょうか。レンタルスペースでリモートワークをしても経費にならない会社もあるでしょう。これで自粛明けも予約が伸びないようであれば、レンタルスペース事業の撤退も考えないといけません」

5月からは東京都の休業要請に基づき、レンタルスペースの予約をストップした。「休業」という形をとり、都の「感染防止拡大協力金」に申請する予定だ。承認されれば100万円ほどの協力金を得ることができるが、ここから先の売り上げがどう推移するかはわからない。

これまで売り上げを支えてきたホームパーティーの利用客も、複数人が密室に集まることに抵抗を感じ、今後は足が遠のくかもしれない。「撤退するかどうか、これからが勝負」と話す林さん。6月からはキャンペーン価格で部屋を提供するなどし、復活にかける。

■コインロッカー「外国人観光客減少はあるが、固定客がいる」

外出時や旅行時に手荷物を預けるコインロッカー。あまり聞き慣れないかもしれないが、このコインロッカーのオーナーとなり、収益を上げている投資家もいる。外出自粛の期間は利用者が減少すると考えられるが、利用状況はどうなっているのか。東京・豊島区でコインロッカー投資を行っている鈴木亮さん(仮名)に、現在の状況を聞いてみた。

鈴木さんはオーナーから土地を借り、その土地の上にコインロッカーを置いている。初期費用は、自身で手配したコインロッカー20台(5列4段)の購入費用で約500万円ほどだ。土地の賃料はロッカーの売り上げから配分する方式で、土地オーナーが3割、管理会社が3割、そして残りの4割が鈴木さんの取り分となる。管理会社は、放置された荷物の管理や売上報告を行ってくれている。

不動産投資歴は10年以上だが、コインロッカー投資は始めて4年目だという鈴木さん。収入の複線化を狙い、手間のかからなさからこの投資に目を付けた。場所は外国人観光客も利用する駅から、歩いて2分もかからない立地を選んだ。コインロッカーで度々起こり得る荷物の放置は、管理会社と相談し「4日放置したらロッカーから回収する」と約款で定めることにした。

そうして始めたコインロッカー投資。運営は順調で、月に20万~30万円の売り上げがあがっていた。しかし、今年の2月から異変が起き始めた。

「売り上げが一気に3割減少しました。ただ、そこから右肩下がりにはならず、3月と4月も同水準の売上を保っています」。利用客に外国人観光客がいたこと、また外出自粛が長引いたことを考えると売り上げはもっと大きく下がりそうに思えるが、なぜ3割減にとどまっているのか。この理由について鈴木さんは「変わらず利用する固定客が売り上げを支えているのでは」と推測する。その固定客とは、貴重品を預けに来る、近隣のインターネットカフェの利用客だという。

「計画当初から、ネットカフェの利用者をターゲットの1つにしていたんです。ネットカフェに定住している人は特に、鍵付きの場所に貴重品を保管したいらしく、トランクルームのようにコインロッカーを利用します」。ネットカフェは営業を自粛する店舗が多かったが、貴重品を移動させたくないネットカフェの定住者が利用し続けていると鈴木さんは考えている。

一般的には、ターミナル駅の近くなどに多く設置されているイメージがあるコインロッカー。しかし、「駅の利用客だけをターゲットにすると、競合するのはJRなどの大企業になってしまいます。外国人観光客の減少などで売り上げは減りましたが、ダメージが少なかったのはこうしたターゲット選定が功を奏したんだと思います」と話す。

売り上げは3割減ったものの、前述した通り賃料や管理費などの固定費は売り上げに応じて発生するため、売り上げが下がったのに固定費だけがかかるという事態は避けられている。「賃料と管理費を固定で支払う選択肢もありましたが、こういった事態では損失が発生してしまう可能性があるので、最初から(売上配分型に)決めていました。売り上げが減少するのは悲しいですが、大家さんや管理会社も売り上げが減って悲しいと思います」。

しかし鈴木さんは、コインロッカー投資の拡大については慎重に考えている。投資金額の半額以上はすでに回収しているが、出口戦略がまだ見えないからだ。アパートやマンションの投資と違い、コインロッカー投資のノウハウにはなかなか出会えない。「6年で投資金額は回収できる計算ですが、設備は回収するまで持つのか、それとも再投資などでコストがかかってしまうのか、あと2年は様子見したい」(鈴木さん)

コロナは乗り越えたが、「コインロッカー投資」に潜むリスクは他にないか、投資金額を回収するまで油断はできない。また、自粛が解かれた今、売り上げはどれくらいで元に戻るのか。引き続き、検討を続けていく。

■シェアオフィスは「いまだコロナ退去なし」

初期費用を安く抑えて事務所を構えることができることが魅力のシェアオフィス。スタートアップの事業者などを中心に近年利用者が増えていることを受け、群馬県伊勢崎市で3カ所14区画のシェアオフィスを開業した本多基弘さん(仮名)。コロナ下で資金繰りに窮する小規模事業主は多いが、シェアオフィスの利用者からはどんな声が上がっているのだろうか。

もともとは、自身が借りていた事務所の余剰スペースを有効活用するため、シェアオフィス投資を始めたという本多さん。オーナーと転貸借の承諾書を結び、月額賃料14万、広さ20坪のテナントの一部を、2坪×3区画に小割りして転貸することにした。ネット環境や机、椅子もないシンプルな部屋だったが、約半年ほどで満室となった。

そこで、同じ建物内でもう1カ所を13万円で借り始め、今度は6区画に分けて集客したところ、こちらも9カ月で満室にすることができた。一方、昨年5月から始めた3カ所目のシェアオフィスは5区画中2区画しか埋まっておらず、入居付けは苦戦中。「これまでと比べると立地が少し悪く、建物も築20年と古いんです。シェアオフィスって意外と常駐して使う人がいないから環境はそこまで気にならないかと思いきや、少し影響はあるみたいです」(本多さん)

シェアオフィスの1区画当たりの賃料は、共益費込みで月額3万5000~4万7000円に設定。満室時の賃料収入は月額64万7100円だ。ここから物件オーナーに支払う賃料37万円(3カ所合計)、水道光熱費3万6000円、内装リフォームのローン(7年返済)11万円を差し引くと、手残りは13万円ほどになる。ただし、自身の事務所の賃料なども含まれていることと、1カ所目のシェアオフィスの賃料を低めで契約していたことから、これからの利回りアップも狙えそうだという。

利用者は立ち上げたばかりのネイルサロンや、プリザーブドフラワーなどを作る花工房、リフォーム会社の事務所など、業種もさまざまだ。運営を始めた当初は滞納リスクを考え、家賃保証会社の審査を入れていたが、今は必須にはしていない。「シェアオフィスを借りに来るのは設立まもない会社が多くて、まぁ審査に通らない。唯一通過したのは、東京に本社があるリフォーム会社だけでした」。そのため、現在は利用希望者に、保証会社を通すか、返還を要しない保証金(賃料1カ月分)を支払ってもらうか選んでもらい、滞納リスクに備えている。

しかし、コロナ後も賃料の滞納や相談は発生していない。「影響はないです。5月に1区画退去がありましたが、3カ月前から決まっていたので、理由はコロナではないでしょう。そもそもシェアオフィスだと、月々賃料が4万円ほど。半年間賃料を減額しても、12万円くらいしか改善されないです。そこを言い出すなら、もう事業を辞めたほうがいいと言ってしまうかもしれません」(本多さん)

管理や清掃は借り手が自主的に行ってくれることもあり、管理の手間がかからず、スペースも小さいため、残置物や原状回復にも費用が掛かりにくいシェアオフィス投資。一部では、現状のオフィスを解約し、賃料の安いオフィスに引っ越す企業もでてきている。その動きに乗ることはできるのか、「ひとまずは入居付けを頑張ります」と、コロナ下の客付に意気込む。

■コロナの影響ないが…工夫の余地がない太陽光発電投資

固定価格買取制度を用い、「20年は安定した利益が得られる」のが大きな魅力と言われる太陽光発電投資。発電した電力を国が買い取ってくれることが前提のため、景気の影響を受けづらい投資と言えるが、実際はどうだったのだろうか。投資歴13年、1棟から区分まで幅広い投資対象を運営する投資家のかっちんさんに聞いてみた。

「三重に3カ所と静岡と長野に1カ所ずつ野立ての太陽光発電を持っていますが、コロナの影響は全く受けていないですね。新規で太陽光発電を始める方は部品が調達できない場合があるかもしれませんが、稼働が始まっている人は影響がないと思います」と話す。ただし、コロナの影響は受けない一方、賃貸物件投資とは異なる苦労はあるようだ。

「アパートの場合、入居者はほぼ個人ですから、トラブル時の対応などもある程度柔軟にできます。でも太陽光発電の場合、相手となるのは大手の電力会社が多い。こうした大きな組織に掛け合って交渉したりするのは、容易ではないんです」(かっちんさん)

そう強く感じたのは、日課のように、前日の売電状況をWEBから確認しようとしたある日のこと。5カ所中1カ所だけ、前日の売電量がゼロだったことに気づいた。急いで管理会社にお願いし、現地まで見に行ってもらったが、メーターの異常や故障は見当たらない。不安なまま電力会社に連絡したが、その日は土曜日で定休日だった。しかも、運悪く3連休の初日だったため、3日間売電量ゼロの日が続き、不安な連休を過ごすことになった。

休み明けにやっと担当者と話せたが、「近くで工事を行うため、発電を止めていたんですよ」と、悪いといった様子もなく、淡々と対応されてしまった。そこで、工事期間の損失を補償してもらえないか相談したが、現在も明確な回答はないという。

「たまに『あの件は上司に確認中ですが、まだ稟議が通らなくて…』と連絡は来ますがね。補償してくださいと相談したときも、『まさかそんなことを言われるとは』というふうに驚かれていたので、多分対応はされないと思います」

そして更に、毎日売電量をチェックできる機能も電力会社都合で提供が終了してしまった。「これがなくなると困る」と連絡したことで、毎月開示請求をすれば報告書を貰えるようになったものの、これまでのように即日異変に気付くことができなくなってしまった。

安定した収益が見込め、手間がかからず、コロナなどの影響は受けづらい太陽光発電投資。しかし、電力会社の動き1つで利益や運営方法が大きく変わってしまうリスクをはらんでいる。

ステイホーム週間がプラスに働いた投資も
その他にも、東京都でコインランドリー投資を行う内田陽一さんは、「ステイホーム週間だったGWは売り上げがいつもの3、4割増しだった」と話す。衣替えとも重なったのか、おかげで5月の売り上げは例年より上振れて着地する見通しだ。不特定多数が利用する場所になるため、日ごろから行っている除菌作業などは、引き続き掃除だけ依頼しているパートにお願いし、安心して利用できる環境を整えている。

また、大阪府で、所有物件の屋上で看板投資を行う金子大樹さん(仮)は、「借り手はホテルチェーンだが、いまだ解約の連絡はきていない」という。毎年8月に1年分の賃料が支払われる契約となっており、そのまま行けば、36万円が振り込まれる。万が一契約解除となっても、看板の設置場所として人気なロードサイドにあるため、再度集客は見込めそうだ。



コロナ禍で大きく影響が出た投資と出なかった投資を紹介してきた。賃貸物件に比べ、世に出ているノウハウが少なく、緊急事態に吉とでるか凶とでるかが計り知れない部分もある。しかしいずれの投資でも、どんなリスクがあるか、それをカバーできるのか考えて選択していくことが重要になるだろう。Withコロナの生活様式に当てはまる投資法がでてくるのか、これからも注視していきたい。

不動産投資の楽待

関連ニュース

最終更新:6/1(月) 20:00

不動産投資の楽待

投資信託ランキング