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コロナ「第2波」警戒、オーナーは物件で何をすべきか?《楽待新聞》

6/1 11:00 配信

不動産投資の楽待

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために全国に出されていた「緊急事態宣言」が解除された。とはいえ、専門家からは「手洗い・手指消毒の実践」や「社会的距離を空けること」などを含む「新しい生活様式」が提言され、感染の第2波への警戒も強まる。最近も、東京都内や北九州市などでクラスターが発生したと報道があった。

このような中で、所有物件で感染を予防するためにできることはあるのだろうか。特殊清掃を請け負う専門家に、現在の状況と対処法を聞いた。

■特殊清掃業者、「5月、問い合わせは減少」

孤独死などの現場で、日々除染や消臭などを行う「特殊清掃会社」。最近は、新型コロナウイルスの除去や消毒の現場でも活躍を見せている。日本全国にサービス網を持つ一般社団法人「日本特殊清掃隊」に加盟する家財整理会社「エバーグリーン」の長谷川昌彦さんによると、ウイルス除去に関する問い合わせや依頼は、5月に入り徐々に減少してきているという。

「ピーク時には、特殊清掃隊全体で1日数百件の問い合わせがありましたが、今は1日十数件程度まで落ち着きました」。最も問い合わせが殺到していたのは、3月末から4月にかけて。問い合わせの多くは「万が一コロナウイルスの陽性者が出た場合には、すぐ対応してもらえるか」といった内容だった。こうした問い合わせは現在もあるものの、感染予防のための消毒作業を依頼する内容の比率が高まってきたと話す。従業員を抱える企業からの依頼が多いが、個人から自宅での作業を頼まれることも少なくはない。

建物の広さや置いてある家具の量などによって変動するが、費用は1平米あたり1000~6000円だという。

■第2波に備え、注意すべきこと

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、新型コロナウイルスが撲滅したわけではない。人出が増えることで、いつ第2波、第3波が来るかわからないのが現状だ。今後、オーナーとして注意すべきことはなんだろうか。

長谷川さんは、「まず、感染を予防する観点から備えをしておいてください」と呼びかける。「買占めを促すわけではない」と前置きしつつ、各家庭、各個人でマスクや消毒用アルコールなどを準備し、日々の手洗いを含む感染予防策を講じてほしいと述べる。「物件オーナーさんに限ったことではありませんが、再度の感染拡大がいつあるかわかりません。今後に備えて、意識してかからないようにすることが最も大切だと考えます」。

また、物件の共用部などの清掃の際には、ウイルス除去に効果があるとされる「次亜塩素酸ナトリウム」を用い、手すりやエレベーターのボタンなど、人が触りそうな部分を拭き上げるのが最も効果的だという。手間や費用もそこまでかからないので、ぜひ物件の清掃に取り入れてみてほしい。

以前の記事でも紹介した通り、次亜塩素酸ナトリウム液を使い捨て布巾に染み込ませ、一方向に拭き上げることが大切だ。

一方、もし物件で感染者が出た場合に備えて、特殊清掃業者などに問い合わせをしておいてほしいとも長谷川さんは話す。いざという時に業者と連絡が取れず、パニックになることを避けるためにも、事前に業者にコンタクトをとっておくことは重要だろう。

■新型コロナウイルスによる孤独死の懸念

長谷川さんは、「コロナウイルスによる孤独死が発生する可能性はゼロではありません」と述べ、孤独死が今後のオーナーにとっての課題の1つになると話す。

連絡がとれなかったり、あるいは近隣からの通報があったりして入居者の安否を確認しなくてはならない時、管理会社に任せている場合にはオーナー自身が室内に足を踏み入れることはまれだ。だが、今後はより一層気を付けてほしいと長谷川さんは指摘する。

「(入居者の安否確認時には)極力室内には入らないようにすべきです。また、万が一コロナウイルスによる死亡であったことを考え、ドアノブやインターフォンなどにも素手で触ることは避けたほうがよいでしょう。どうしても物件に赴かなくてはならない時には、必ずマスクや手袋を着用し、できれば防護服のようなものも準備しておくと良いと思います」

特殊清掃業者は、新型コロナウイルスに限らず、作業の際には必ず防護服に身を包み、感染症対策を施している。オーナー自身が作業をすることはないにせよ、新型コロナウイルスの脅威から身を守るためにも、気にしすぎるくらいの対策を講じるべきだろう。

■「今後の部屋探し、安全性重視の時代来る」

前述の長谷川さんが話していたように、事前に準備を進める投資家は少なくない。不動産投資家のAさんは、所有する戸建て物件の入居者に「万が一感染者が出たら、必ず大家に知らせてほしい」と依頼したという。

「個人情報などの関係もあるので、万が一の際でも大家に情報が入ってこないんじゃないかと懸念しました。しかし、もし感染者が出たとしたら、こちらでもきちんと消毒作業を行いたいと思ったんです」

本業では医療関係に従事しているAさん。所有物件で新型コロナウイルスの陽性患者が出た際に消毒作業を行うだけでなく、今後、入居者が退去する時には、感染の有無にかかわらず、必ず消毒作業を業者に依頼しようと考えている。すでに付き合いのある清掃業者には作業請負の可否や、その金額も確認済み。Aさんの物件は建坪で200坪ほどだが、10万円ほどで消毒作業はできるそうだ。

「消毒をしたという完了証明書のようなものも発行されるようですから、次の入居希望者の方への安心材料にもなると思います。新型コロナウイルスでこれだけ大きな影響を受け、新たな生活様式も出されている中で、今後の賃貸物件探しでは、消毒の有無や安全性が重視される時代になるのではないかと考えています」(Aさん)

■実際に物件で消毒清掃している人も

木造アパート4棟を所有する不動産投資家のBさんもまた、事前に清掃業者を探し、依頼ができるか確認をとった1人。「何かあった時、迅速に行動できないのでは困ると思い、事前に情報収集をしておこうと考えました」とその理由を説明する。

Bさんが確認をとったのは都内にある特殊清掃業者。こちらも問い合わせが殺到している様子だったが、万が一の際には来てくれるということだった。「一般的なワンルームの場合、家具・家電が置いていない状態なら約10万円、置いてあればもう少し費用はかかるという説明でした」と話す。

楽待新聞編集部が行ったアンケート(実施日:5月8~13日)によると、オーナーの中には、「入居者に個別包装のマスクを投函した」「物件のエントランスに消毒液を設置した」「階段の手すりやドアノブを消毒清掃している」など、何らかの形で対策をとっている人もいた。

保有物件で旅館業の許可を取得したCさんは、消毒液を自作し、物件内に設置している。インターネットの情報や動画を参考に、高濃度アルコールを入手し、消毒液を作っているという。1リットルの消毒液をつくるのに1時間ほどかかり、費用はおよそ1000円だと話す。

また、「エントランスに内閣府作成のチラシを設置している」「エレベーター内に清掃チェックシートを置き、入居者に毎日清掃していることがわかるようにした」などの回答も。直接的に感染を防止するための消毒アルコール液の設置や、共有部の清掃を行うといったことだけでなく、入居者に安心感を持たせたり、知識をつけてもらったりするための措置を講じている人もいるようだ。



不動産業界に詳しい阿部栄一郎弁護士によると、オーナー側が必ずしも予防のための消毒といった作業を請け負う義務はないという。

しかし、消毒などで入居者にとっての安心を提供することは、長期入居や、また空室対策にもつながるだろう。今後物件での消毒作業を行うことを検討し、情報収集に努めているという不動産投資家のDさんは「すべての入居者に安全・安心の環境を提供するのは大家の責務だと思っています」と語る。

不動産投資の楽待

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最終更新:6/1(月) 11:00

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